18日メインは"GRANDAME-JAPAN2021"3歳シーズン・留守杯日高賞(5月16日)トライアル「第46回あやめ賞」(水沢1400m)。1着馬から3着馬に優先出走権が与えられる。
2020年度の年度代表馬、各部門賞で2歳馬が3頭選ばれた。2歳最優秀馬がリュウノシンゲン、最優秀ターフホースがマツリダスティール(同馬は5月11日、プリンシパルステークスに登録。詳細は後日お伝えします)。そして最優秀短距離馬が今回出走するゴールデンヒーラー。
2歳馬で最優秀短距離馬選出に賛否はあると思うが、昨シーズンの岩手は2歳馬が豊作年だったのを裏付けること。当然だが、各部門賞で2歳馬が3頭も選ばれたのは史上初めてとなった。
ゴールデンヒーラーはデビュー2連勝後、芝重賞・若鮎賞へ挑戦。未経験の芝だったが、持ち味のレースセンスでマツリダスティールの2着を確保した。その後は2戦足踏みだったが、知床賞で北海道勢を一蹴。2馬身半差で完勝し、初重賞を手にした。
続くターゲットは"GRANDAME-JAPAN2020"2歳シーズン・プリンセスカップ。1番人気に支持されたラジアントエンティは1コーナーで競走中止のアクシデントがあったが、ゴールデンヒーラーは好位追走から4角先頭。外からルビーブランケットが強襲したが、クビ差で1着。交流重賞2連勝を飾った。
レース後、佐藤祐司調教師は東京2歳優駿牝馬の挑戦を表明。ビッグレースを目指して調整を進めていたが、昨年末は寒波が襲来。水沢競馬場が馬場閉鎖などのアクシデントがあり、予定どおりの調教メニューをこなせず出走を見送り。以降は休養に入り、あやめ賞から始動。留守杯日高賞に向けた争いが始まる。
最大ネックは4ヵ月半ぶり。ほかの有力馬が実戦を使っているのに対し、ぶっつけで臨むのは明らかにハンデ。陣営も春の目標が日高賞だから仕上がり具合がカギを握る。
そうは言っても、このメンバーでは抜けた実績。一つの例でいえばプリンセスカップ3着ファイントリックとの差は0秒9。たとえ休み明けでも負けられない一戦と見るのが妥当だろう。
ベニスビーチは北海道1勝2着2回から笠松へトレード。準重賞2勝、重賞・新春ペガサスカップでブンブンマルの2着。ブンブンマルはナムラタイタンの代表産駒で現在、重賞3連勝を含めて4連勝中。2着も仕方なしだった。
直後に南関東へ移籍。重賞・雲取賞11着、クラシックトライアル8着。前走5着から岩手へ新天地を求めてきた。南関東ではまったく歯が立たなかったが、自身には貴重な経験。それが岩手に移籍するとなると逆に最大武器。加えて3月末まで実戦を使われてきたことも強み。逆転首位まで考えられる。
余談だが、ベニスビーチはダイヤモンドカップ(岩手ダービー)まで6戦全勝。幻の三冠馬と言われたロールボヌールの妹。父はフレンチデピュティからノボジャックに替わったが、ノボジャックはフレンチデピュティ産駒。ロールボヌールの再来を夢見て配合したに違いない。
ファイントリックは2勝馬だが、ビギナーズカップ、プリンセスカップ、寒菊賞で3着。牡馬相手にも好勝負を演じ、ひと叩きされた前走・スプリングカップでも2着を確保した。小柄な牝馬だが、パンチ力一目。ここでも上位扱いが必要となる。
レッジョエミリアはエイシンヒカリの初年度産駒で新潟・2歳新馬戦で3着確保した実力馬。以降は二けた着順に沈み、初ダートの前走も14着に終わったが、父同様、快速派。前々走で逃げたスピードが光り、願ってもない1番枠。母父がエンパイアメーカーならダートもこなせるはずで、マイペースなら最大の惑星馬となる。
シャノンアーサーは北海道1勝、笠松2勝。重賞で2着1回とベニスビーチと互角の実績。転入2戦はひと息だったが、休み明け3戦目で変わり身を見込める。
ロンギングベイビーは入れ込みが課題だが、それでも入着を確保。馬体回復なら軽視できない。
◎⑤ゴールデンヒーラー
〇④ベニスビーチ
▲⑧ファイントリック
△①レッジョエミリア
△③シャノンアーサー
△⑩ロンギングベイビー
<お奨めの1頭>
6R キョウエイメサイア
南関東で培ったスピードを前面に転入戦を逃げ切り勝ち。同じ850mが舞台なら1キロ増でも追いかける手