先週12日、盛岡ダート1600mを舞台に行われたJpnI「第33回マイルチャンピオンシップ南部杯」はアルクトスが快勝。4角先頭に立ったモズアスコットとの叩き合いを制し、1分32秒7の驚異的レコードを樹立した。
当日4Rあたりから雨が降り始め、レース直前には大粒の雨。これで一気に馬場が締まり、高速決着が確実となったが、それにしても1分30秒を切ったことには驚いた。
過去のダート1600m日本レコードは2001年、武蔵野ステークス(GIII)でクロフネがマークした1分33秒3。ただ、このレコードは東京競馬場の改修前。現行の競馬場では2016年、コパノリッキーが南部杯=盛岡競馬場でマークした1分33秒5が最高だった。
伏線は激しい雨にあった。過去、重馬場、不良馬場で行われた南部杯は過去3度。1998年、メイセイオペラ(1分35秒1)。2003年、アドマイヤドン(1分35秒4)2007年、ブルーコンコルド(1分36秒4)。
今回の発表は稍重だったが、パドック頃から大粒の雨。発走時はほぼ重馬場だったと思うが、メンバーもG(Jpn)Iホースが6頭。アルクトスはGIホースではなかったが、レースレベルが高かったことも日本レコード更新を後押しした。
興味を持って調べたら世界レコードは1996年、アルゼンチン・ブエノスアイレスにあるパレルモ競馬場でリンコンアメリカーノがマークした1分32秒2。もしかだが、条件がそろえば盛岡競馬場で1600mの世界レコードが出るかもしれない。
17日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「復興祈念 夢あふれる未来へ」(B2一組 盛岡ダート1800m)。距離対応が最大ネックとなる。
フィールドシャルムは中央芝1勝・1000万下に在籍し、園田B1から転入。C2編入にも恵まれて3連勝を飾ったが、その後は足踏み。直線で差を詰めたレースが続いたが、前々走3着で再び上昇。1800mに替わった前走を快勝。出遅れながらも鮮やかな直線抜け出しを決めた。
全馬が1800m戦で3着すらない中、フィールドシャルムは前走を含めて2勝、そして3着2回。今回は距離実績が最大強みとなる。
ゼットオラシオンは強烈な末脚が武器。前半で置かれるため届かないケースも多いが、前走はフィールドシャルムに先着2着。1800m実績はないが、盛岡で初連対を果たして上昇ムード。
デルマロンシャンはいい脚を長く使えるのが持ち味。勝ち味の遅さがネックだが、近3走2着。直線でしっかり台頭し、連対を確保した。決して1800m歓迎とは言えないが、じり脚タイプなら克服十分。
シャイニーキャットは昨年未勝利に対し、今季4勝。前々走は差しに転じて快勝し、前走は先行策から4着。夏を越して本調子を取り戻してきた。1800mは長いが、差しタイプが多く展開有利は明らか。マイペースに持ち込んで粘りを発揮する。
ティーアウリイは前回快勝。出遅れながらも好位追走から抜け出しを決めた。こちらも先行できるのが強み。加えて関本玲花騎手が騎乗し、50キロの軽ハンデも魅力。2連勝まで考えられる。
トーセンワンピースは前回快勝。手薄なメンバーだったが、これで弾みついたのは確実。ノーマークにできない。
◎⑦フィールドシャルム
〇⑤ゼットオラシオン
▲③デルマロンシャン
△⑥シャイニーキャット
△⑧ティーアウリイ
△②トーセンワンピース
<お奨めの1頭>
5R マツリダスティール
北海道勢を完封してジュニアグランプリを完勝。地元同士なら57キロを背負っても実力断然。順当に勝利を飾る