6日メインは伝統の3歳重賞「第52回不来方賞」(盛岡ダート2000m)。古馬は一條記念みちのく大賞典、2歳は南部駒賞、そして3歳は不来方賞が世代別の岩手最高峰戦。
現在はダートグレード、交流の時代になって相対評価は常に変わってきているが、それでも歴史の重みがレースの格。不来方賞優勝は岩手ホースマンの最高栄誉であるのは変わりはない。
それを裏付けるように過去10年の優勝馬は単勝3番人気以内。1番人気7勝、2番人気2勝、3番人気1勝と実力どおりの結果。やはり強い馬が勝つ。
また2010年、ロックハンドスターの優勝年から一貫して盛岡ダート2000mで実施。展開の紛れが生じやすい水沢2000mに対し、盛岡はごまかしのきかないコース。優勝馬が3番人気以内も納得がいく。
ただ2、3着は結構、人気薄が突っ込んでくることも多々。2015年、ダイワエクシード(1番人気)が優勝したが、2着は11番人気ラブブレイブ、3着にも5番人気ヴァイキングが入り、馬連1万5780円、馬単2万5230円、3連複5万5700円、3連単26万9350円と超ド級の配当が飛び出した。
戦前はフレッチャビアンカ、ピアノマン、グランコージーの三強ムードが漂っているが、果たしてどんな結末が待っているか......。
フレッチャビアンカ、ピアノマンの本命選びに迷ったが、本命はフレッチャビアンカに決めた。
南関東から移籍して奥州弥生賞を1秒9差、スプリングカップを0秒9差で圧勝。グランコージーが不在だったとはいえ、能力の違いが歴然。デビュー時からの期待馬が素質を開花させた。
続く岩手一冠目・ダイヤモンドカップで当然のように1番人気に支持されたが、南関東から帰郷したグランコージーが圧勝。3~4コーナーで馬体を併せようとしたが、直線で突き放される一方。1秒5差をつけられて2着に完敗した。
これで序列が決まったかに見えたが、東北優駿(岩手ダービー)で雪辱。マイランコントル、グランコージーの2頭が激しく競り合い展開も味方したが、直線先頭ピアノマンを残り200mで捕えて快勝。自慢の瞬発力を発揮した。
勝因はペースも大きかったが、左回りに替わって動きがスムーズになったこと。水沢もこなしたが、盛岡周りも合った。
加えてキンシャサノキセキは現役成績からスプリンターの印象が強いが、佐賀記念(2000m)を制したヒラボクラターシュ、ビューチフルドリーマーカップ3連覇の偉業を達成したジュエルクイーンなど距離への融通性を持っている産駒も多々。フレッチャビアンカもそのケースに当てはまる。
東北優駿からぶっつけで不来方賞へ臨むが、管理する千葉幸喜調教師は過去、不来方賞4勝。勝ち方を知っているのも心強い。
ピアノマンは北海道1勝、南関東3勝から転入。東北優駿は2着に敗れたが、先行2頭を捕えにいった結果。敗れて強しの内容だった。
その雪辱をトライアル・やまびこ賞で果たし、初重賞獲得で弾みついたのも確実。こちらは東北優駿から一戦を使われて順調そのもの。逆転首位まで。
グランコージーはダイヤモンドカップで2歳最優秀馬の貫禄を見せつけて圧勝。東北優駿は距離の壁があっただろうが、前半の超ハイペースも敗因。
フレッチャビアンカと同様、夏場は放牧に出て不来方賞へ直行。▲評価となったが、今度はペースが落ち着くのは間違いなし。想定はグランコージーが逃げ、2番手ピアノマン。流れ次第では行った切りも十分あり得る。
テンカビトは中央4戦0勝から北海道へトレード。あっさり3連勝をマークし、北海道クラシック最終戦・王冠賞で4着に善戦した。転入直前に門別1800m戦を完勝し、2000mは望むところ。
グランメガスマイルはスロースターターのため展開のファクターがつきまとう。南関東2勝2着2回3着3回が象徴しているし、岩手初戦のやまびこ賞も2着ながら0秒6差。これを逆転は厳しいが、直線ではひと脚を使うタイプ。
レールガンはスプリングカップ、東北優駿、やまびこ賞3着。1400mのウイナーカップは忙しい競馬が合わず7着だったが、長丁場で上位を確保。こちらも2000m大歓迎。
◎②フレッチャビアンカ
〇⑦ピアノマン
▲⑥グランコージー
△⑧テンカビト
△③グランメガスマイル
△①レールガン
<お奨めの1頭>
2R オウケンアマゾネス
転入前の新潟ダ1200mで1分13秒0。この時計があればC2下級戦はフリーパス