3月20日に行われた3歳馬の準重賞『奥州弥生賞』はこれが転入初戦だったフレッチャビアンカが優勝しました。
最内枠からのスタートで序盤は馬群の中で進まざるを得なかったフレッチャビアンカ。戦前の想定では先行、できればハナにという作戦が狂ったかに思われましたが、外に持ち出してからは行き脚が一変。持ったままで先行馬に並びかけると直線はあっという間に後続を突き放し、終わってみれば2着に大差をつける圧勝。転入初戦の準重賞をあっさり勝ち抜くと同時にこれから幕が開く3歳戦線へむけ期待が高まる発進となりました。
3月30日月曜のメインレースは第10R、A級一組ダート1600mの『桃花特別』です。このレースの本命は(7)センティグレードとしました。
トウケイニセイ記念で重賞初制覇を果たした同馬ですが、これまでもA級特別や重賞で上位に食い込む活躍を何度も演じており、重賞を勝つのは時間の問題という馬でした。そのトウケイニセイ記念は2番人気からの優勝もそれをフロック視することなく、実力のほどは認めなくてはならないでしょう。水沢・盛岡問わず1600mも得意とする条件です。
ただ、トウケイニセイ記念は若干展開に恵まれた部分があったようにも感じます。これまでも健闘しつつわずかに及ばない結果も多かったですから、流れが向かないパターンは一応念頭に置いておくべきでしょうが、とはいえ今回のメンバー相手なら。
対抗は(1)エンドゲーム。昨年の秋にいわてに転入後、最初の芝のレースこそ9着に敗れたものの、その後のダートで6連勝。今シーズンはA級からのスタートです。
という事でここは昇級戦、相手強化になるわけですが、昨年のこの馬の優勝タイムと今回のメンバーの走破タイムとを比べていけばほぼ互角。馬場状態の違いがあるので一概に横並びとは言えないにせよ計算上は足りて良いはずです。
三番手は(3)トミケンスラーヴァ。岩手ではまだ一戦のみですが、その一戦、12月の転入初戦では4コーナーから捲って差し切ってしまう印象的な勝ち方を見せています。そしてそのレースではセンティグレードを破っているのですから軽く見ることはできません。JRA時代は芝の中長距離で好走していた馬ですから冬場の馬場状態がこの馬に合った可能性はあるでしょうが、前走の走りが再現できれば。
(2)グランユニヴェールも一昨年の転入移行、重賞でも健闘しているのですから地力は上のはず。ただマイルは若干距離が短いと言うか展開に注文がつきやすい印象があります。春先から動けるタイプではあると思いますが今回は距離がカギ。
(8)ディグニファイドは前走でトミケンスラーヴァに敗れていますが、この馬は前走が岩手に転入して2戦目。この馬に関していうならば転入初戦の5着から2着へしっかり前進したと言っていい内容では。変身を狙うのであればこの馬ではないでしょうか。
●10Rの買い目
馬単(7)=(1)、(7)=(3)、(1)=(3)、(7)→(2)、(7)→(8)
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現在、短期免許で南関東で騎乗中の山本聡哉騎手(現在は船橋・山下貴之きゅう舎所属)が、またもや大仕事をやってくれた。
3月25日、浦和1600mで行われた「第66回桜花賞」でアクアリーブルに騎乗。1番人気レイチェルウーズ、2番人気ボンボンショコラに次ぐ3番人気だったが、好位抜け出しを決めて快勝。南関東では2017年、大井記念(ウマノジョー)以来の重賞制覇を果たした。
山本聡哉騎手「昨年、佐賀記念(ヒラボクラターシュ)を勝たせてもらいましたが、あの時はピンチヒッターでの騎乗。今回のアクアリーブルは調教でも乗っていた馬でしたから、喜びもひとしおでした。トライアル・ユングフラウ賞でも乗って2着でしたが、調子が良くなっていたのも勝因だったと思います」
佐々木竹見カップ・ジョッキーズグランプリ総合優勝に話を向けると「2戦2、4着。勝っていませんからラッキーだっただけです」
いやいや同カップ優勝は2008年、菅原勲元騎手以来の快挙だった。今回、南関東で14勝(3月26日時点)。激しいジョッキー争いの中、健闘している。本人は20勝以上しなければ...と自分に厳しい。
新シーズンが始まる4月5日から岩手での騎乗が待っている。昨年、村上忍騎手に奪われたリーディングジョッキーの座を奪い返せるか。再会が待ち遠しい。
29日メインはオープン「スプリント特別」(水沢1400m)。個性派がそろって波乱含みの一戦となりそうだ。
スティンライクビーは3度目の岩手。11月、盛岡ダート1400m3着後、笠松へ移籍。4戦2着1回から岩手へ里帰りした。
中央未勝利から岩手3連勝後、中央へ再度トレード。準オープンまで上り詰めた強豪でメンバー有利は明白。加えて岩手在きゅう馬が休み明けに対し、2月まで実戦を使っているアドバンテージが魅力。好発進を決め、重賞へ名乗りをあげる。
タイセイプライドは中央芝3勝から北海道へ移籍。1勝マーク後、盛岡芝へ連続挑戦。OROカップで5着、OROターフスプリントでは2着を確保した。
南関東2戦は11着、9着に終わったが、相手が強く仕方なしの結果。こちらも2月20日に浦和・梅花賞を使い、臨戦態勢は整ったと見ていいだろう。
パンプキンズは東北優駿(岩手ダービー)、ダイヤモンドカップの岩手二冠を制したが、不来方賞3着。残念ながら三冠達成はならず、以降はマイルへ路線変更。
絆カップ8着、トウケイニセイ記念7着に終わったが、前者は盛岡コース、後者は逃げの手に出ることができなかったのが敗因。
今回、9番枠に入ったのが微妙だが、1400m短縮は望むところ。先手さえ取れればアッサリのシーンまで。
ミスティカルは通算6勝のうち5勝が1400m戦。水沢1400mも5戦3勝と絶対の自信を持っている。気難しい面があって好、凡走の落差が激しいが、ベスト条件ならマークは欠かせない。
コスモロングソードは本質的に芝向きだが、水沢3勝2着4回。流れが落ち着けば好勝負に持ち込める。同型多いが、スンナリなら残り目は十分考えられる。
シャドウパーティーの評価には迷うところ。昨年もハーベストカップ(芝1000m)を制し、終盤に水沢で2連勝。格上ぶりを発揮したが、1400mが微妙。好走条件は超ハイペースになった場合と見る。
◎①スティンライクビー
〇⑪タイセイプライド
▲⑨パンプキンズ
△⑤ミスティカル
△④コスモロングソード
△⑥シャドウパーティー
<お奨めの1頭>
1R タイセイアピール
転入初戦を破格タイムで圧勝し、C2ではモノの違いが明らか。連勝をどこまで伸ばすか楽しみ
今週は再開2週目。28日は2度使い(1開催2出走)のC2級戦が第2Rから第8Rまで組まれているが、この2度使いにもセオリーがある。
◇着順以上に走破タイムを重視
もちろんレースは生き物だから引っ張られて時計が良かった馬もいるが、基本はタイムを信じる手。
第1Rは3歳C1戦だから、1開催1出走。第2RのC2級十九組(1300m)で紹介してみたい。
シーズン初出走は⑧クリノザビエル1頭で、ほかの8頭は3月20日に走った。タイセイアピールが勝った第1Rから5頭、シゲルシチフクジンが勝った第2Rから3頭がエントリーした。
◎は②スギノハヤブサ。1頭だけ1分25秒台をマークした。園田から転入タイセイアピールが1分22秒9で圧勝したが、これは強すぎた。我々もこの時計を見て砂が軽いのかなと錯覚してしまうほどだったが、1頭だけが別格だった。
結果、スギノハヤブサは4着に敗れたが、仕方なしの結果。今回、ほかのメンバーが前走1分27秒台が最高で、単純に2秒近く速い。仮に敗れるとすれば一昨年10月以降、ほとんど凡走。勝ち味を忘れてしまった場合だが、今回に限れば中心不動と見ていい。
そして相手は前走1分27秒5で5着①シャドウラーテル、1分27秒7で6着⑥ミルコメダ。自分はシャドウラーテルの時計は引っ張らっれた面もあるのでミルコメダを上位に採ったが、結果は如何。
メイン11RはA級二組による「春分特別」(水沢1600m)。ここは全馬が休み明けなら格を重視する手だろう。
アドマイヤメテオは中央芝2勝・1000万下(現2勝クラス)から転入。ダート未経験だったため、時計のかかる馬場対応が不安だったが、初戦の水沢1800m戦0秒2差3着で課題をクリアーした。
ただ、その一戦後に脚部不安が発生して4ヵ月半ほど休養。8月末に戦列復帰したが、本来の動きを取り戻せず入着一杯。芝に活路を求めても6着に終わり、衰えが隠せないかと思わせた。
一変したのは絆カップから。おそらくレース勘を取り戻したと思うが、7番人気の低評価を覆して3着。続いて白嶺賞3着、ファン投票・桐花賞でも3着に健闘。無理をさせなかったのが功を奏した。
死角があるとすれば重賞3連続3着ながら勝っていない点。強豪メンバーでも好勝負したが、相手弱化でも勝ち切れないケースも多々。ひとまず地力が違うと判断したが、不動の本命とは言えない。
逆転筆頭はヤマニンボアソルチ。自分の型に持ち込めないとモロさを出すが、スンナリなら強じんな粘りを発揮。2ヵ月休養明けでも3着、2着、トウケイニセイ記念でも5着に粘った。
逃げを主張するであろうマリーグレイスとの折り合いがカギだが、流れ落ち着けば2番手でもこなせるタイプ。ペース次第では行った切りも考えられる。
スカイサーベルは昨年5勝2着2回。ひと頃、精彩がなかった時期もあったが、終盤に再反撃。トウケイニセイ記念でヤマニンボアソルチに先着3着を確保した。通算8勝のうち7勝が1600m戦。得意の条件で一発を狙う。
マリーグレイスは力の要るダートに手こずっていたが、11月の盛岡ダート1800mを逃げ切って覚醒。逃げ切り3連勝を飾った。
元々、入れ込みが激しい牝馬だったが、レースに集中できるようになって急成長した。さすがにトウケイニセイ記念は相手が強く8着だったが、逃げの手を打てなかったのも敗因。同型いても強気に攻めれば侮れない存在となる。
ケルヴィンサイドは昨年8月以来の実戦がどう出るかだが、潜在能力は間違いなくトップクラス。ツボにはまれば一気台頭まで。
ウインルーカスは芝で新境地を開いたが、ダートでも好走。決め手勝負に持ち込めれば連対確保の可能性がある。
◎⑤アドマイヤメテオ
〇④ヤマニンボアソルチ
▲①スカイサーベル
△⑦マリーグレイス
△③ケルヴィンサイド
△⑥ウインルーカス
<お奨めの1頭>
3R ブラックギムレット
2Rと同様、1分25秒台をマークしたのは1頭だけ。元B1の格を前面に岩手初勝利を飾る
3月22日・日曜日の水沢競馬、メインレースは11レース『復興祈念夢あふれる未来へ』。B2級一組のダート1600m戦です。
20日から再開した水沢競馬は初日稍重、2日目良の馬場状態で行われていますが、走破タイムは今の所「馬場状態の割には平均より若干速め」という感じでしょうか。
初日は稍重でしたが強風が直線で向かい風、向こう正面で追い風になっており、向こう正面通過時にラップが速くなり3コーナすぎからは逆に向かい風のせいでぐっと遅くなるパターン。2日目は良発表ながらもハローが通ると黒っぽい砂が見えるようになっており、「良」ではあるもののパサパサに乾いた状態では無かったと思います。今日も天気予報はやや微妙ですので、昨日までの傾向が続くのではないでしょうか。
本命は(6)アドマイヤツルギです。昨年の春に岩手に移籍してC2級で連勝した同馬は夏のクラス替えでB2級に昇格。一旦C1に下がったもののすぐ勝ってB2級に戻っており、やはり地力は高い馬と見ていいでしょう。
脚質は差しですが盛岡よりは水沢のほうが戦いやすそうな印象があり、実際勝ち星も現状では水沢のほうが多い馬。昨冬なども、先行馬有利の傾向がかなり強かった中で追い込みを見せたりしており、コース相性は着順の数字以上に高いと感じます。
それだけに展開の注文は付くのかもしれませんが、流れが向きさえすれば突き抜けるシーンまであると考えたいところです。
対抗は(7)アルアンダルス。昨年はなかなか勝ち切れない感じが続いていたのですが、11月の盛岡と12月の水沢で1勝ずつを上げ、シーズン終盤でようやく"らしさ"を見せてくれました。そのとおり勝ち味には遅いのかもしれませんがB1上位組で通用してきたのはここでは格上的存在。
三番手には(2)ノッキングオンを採りましょう。昨年の戦績はアルアンダルスと似た所がありますね。終盤少し崩れ気味になりましたが秋頃までの内容は堅実でした。こちらは盛岡の方が良さそうな印象ですが今の馬場傾向なら昨冬の水沢のイメージは捨てていいでしょう。
ヒモはまずコウギョウネルソンと思っていましたが当日取消になったので、(9)デンコウエポックから。昨冬はC1に上がってきたところまでこのメンバー内の比較では"ひとつ下のクラス"という事に。とはいえ勝った時の内容はここでも通用して良いもので、展開次第では。もう一頭は(1)ヤマニンルサリーにしましょう。血統も実績もやはり芝向き。ただ今週は芝向きの馬が比較的戦いやすい馬場傾向になっている印象があります。あるいは、という事を念頭に置いておいて良いかもしれません。
●11Rの買い目
馬単(6)=(7)、(6)=(2)、(6)→(9)、(6)→(1)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
改めてお伝えすることではないが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、前日20日から再開した岩手競馬も無観客競馬。次週以降については改めて報告する予定だそうですので、岩手競馬公式ホームページ等でご確認ください。
日本は及ばず全世界でプロスポーツ、イベントなどの開催自粛、延期が続出する中、無観客で始まった相撲も途中取り止めが危ぶまれたこともあったが、継続できてホッとした次第。
また競馬も無観客ながら予定どおり開催できているのは奇跡に近いこと。本場、場外が閉鎖されてもインターネットで馬券購入が可能だからに尽きる。
振り返れば中央競馬が電話投票を導入したのが1974年。以降の変遷は省略させていただくが、2005年の競馬法改正により、民間業者への馬券販売委託が可能になったことを受けてソフトバンクが地方競馬の馬券のネット販売に参入。今やインターネットによる馬券発売が主流となった。
一つ思い出すことがある。1990年ごろ、ウィリアム・シューメーカー騎手の引退式を取材に行ったとき、ホテルで電話回線のコンセントのほかにもう一つ別なコンセントがあって???。まったく分からなかったが、何年かが過ぎてインターネットの始まりを目にしたのかも...と合点した。
岩手でも始まった無観客競馬でどのような結果が出るのか。次週にも報告したいと思っている。
21日メインはB1一組「ミモザ賞」(水沢1600m)。格を重視したが、上がり馬に軍配が上がるか。波乱含みの一戦と見ている。
ハイパーチャージはシーズン途中まで未勝利を脱出できなかったが、思い切った待機策が功を奏して2勝2着2回。好結果を出して重賞へ3連続挑戦。トウケイニセイ記念で4着を確保した。
脚質的に展開のファクターが大きいタイプだが、B1降格で相殺。さすがにスローに落とされると厳しいが、平均ペース以上なら鮮やかな直線一気を決めれるはず。
アドマイヤホルンはおそらく逃げの手に出るはず。しかも自らハイペースで逃げても粘りを発揮するのが持ち味。過去、マイル戦は<4.4.1.1>の好成績。久々も苦にせずアッサリまで十分。
ヴェリイブライトは決め手勝負になると苦戦だが、ジワジワと伸びて毎回上位争いを演じてきた。今年10歳だが、馬体の張りは衰えなし。前記2頭が極端なタイプだけに凡走の可能性も高く、馬券的に最も計算できる。
ジェイケイブラックは走るたびに素質を開花させて5勝2着1回。水沢替わり初戦も克服したが、その後は7、2着。大跳びで小回りに手こずった印象も与えたのがネックだが、若さが最大の武器。いずれオープン入りは疑いなく、ここが試金石の一戦となる。
マイネルバローネは昨年7月から始動。当初は精彩を欠いていたが、叩かれながら良化一途。3走前6着以外は抜群の安定感を誇った。相手なりに駆ける堅実さで上位を狙う。
サンシャンペーンは強い内容で4勝マーク。終盤は伸びを欠いたが、疲れも出ていたか。冬休みでリフレッシュできれば反撃可能。
◎②ハイパーチャージ
〇⑧アドマイヤホルン
▲⑫ヴェリイブライト
△⑤ジェイケイブラック
△④マイネルバローネ
△⑦サンシャンペーン
<お奨めの1頭>
10R ジーパワー
昨年A級からB2へ降格し、メンバーが大幅に緩和。きっちり勝利をモノにし、今後に弾みをつける