14日、南部杯の日、一つの記録が誕生した。第9R・B2戦に出走したシャーク(父デュランダル 母ユメノラッキー
母父ソルトレイク)が逃げ切りを決め、岩手通算30勝を達成した。
シャークは2012年4月、中央7戦0勝(うち1回は川崎条件交流)から転入。3歳C2の最下級編入にも恵まれて年間8勝をマーク。その後もタフに走り続け、4歳時3勝。5歳時7勝、6歳時7勝。7歳時はA級に上り詰めたため1勝のみにとどまったが、重賞(当時)・あすなろ賞で3着に健闘した。
8歳時にも2勝したが、昨年9歳時は年齢的な衰えと順調さを欠いて実戦7度のみ。3着2回が最高だったが、今年5月に1勝。大台30勝に王手をかけたが、そこからが生みの苦しみ。クラスもB1とB2を行き来し、2着2回もあったが、なかなか白星を手にすることができなかった。
しかし10月14日、南郷家全騎手とのコンビで鮮やかな逃げ切りを決め、ついに30勝を達成した。
転入後、調教を含め、ずっと世話をしてきた永田幸弘調教師補佐。「2年前から30勝が目標でしたが、なかなか勝てず苦労しました。年齢的なものもありますしね。改めて勝つことの大変さを実感しました。たぶん、自分が攻め馬で乗った中では一番落とされたと思います(笑)。年齢を重ねても俊敏なんですよ。これがデュランダルの血なんだなと思います。勝った後は達成感でずっとニコニコしていました。本当にうれしいです」
ホースマンにとって最大の喜びは『勝つこと』。それを30回もするのは至難の業。記憶に間違いなければ1990年に引退したアラブ・コウギョウハンター36勝、1995年に引退した伝説の名馬・トウケイニセイ39勝以来の岩手在籍30勝達成。条件クラスと言うなかれ。無事に走ってこその30勝。心から記録達成を祝福したい。
20日メインは地方競馬全国交流「第9回OROターフスプリント」(盛岡芝1000m)。トライアル・ハーベストカップ1、2着馬シャドウパーティー、ナリタスターワンがそろって回避。さらに遠征馬の力量適性比較が難しく、非常に難解な一戦となった。
迷った末の本命はコスモリョウゲツ。距離不足は盛岡芝適性でカバーできると見た。中央500万下から再転入後、芝2400m準重賞・かきつばた賞を快勝。一息入れた桂樹杯は2着に敗れたが、交流・OROカップを3馬身差で完勝。待望の重賞タイトルを獲得した。
中央500万下で頭打ちだったが、盛岡芝で持てる能力を発揮。7戦6勝2着1回は文句のつけようがない。残された課題は1000mだが、中央芝1200mを使っていればこなせるはず。何よりも勢いを重視した。
コスモロングソードも盛岡芝適性は引け取らず<7.4.2.3>。特に芝1000mは4戦2勝2着2回と絶対の自信を持っている。昨年はシャドウパーティーの大外一気に屈したが、2着を死守。休み明け3戦目で首位を奪取する。
タイセイプライドはOROカップ5着。盛岡芝にのめっていたのが痛かった。しかしコース2度目。また中央芝1400m2勝、芝1200m1勝と距離短縮は望むところ。
メイショウブイダンは中央芝1200m4勝・準オープンに在籍。北海道移籍後は5着最高だが、間違いなく芝でこそのタイプ。ここは全力投球の舞台。
ケンガイアは7月、3歳ダート1200m交流・ハヤテスプリントを快勝。2ヵ月休養明け後、OROカップへ参戦し、逃げて0秒6差4着。初芝を考えれば好走の部類。こちらも1000m短縮は大歓迎。同型をどうさばくかがカギ。
ユイノルフィはトライアル3着。理想は逃げだが、好位追走でも我慢できる。
◎⑪コスモリョウゲツ
〇②コスモロングソード
▲⑥タイセイプライド
△①メイショウブイダン
△⑦ケンガイア
△⑨ユイノルフィ
<お奨めの1頭>
2R マースルマン
移籍2戦目をハイタイムで圧勝。メンバー強化感もなく、2連勝はほぼ手中