先週11日、水沢1400mを舞台に行われた「第15回寒菊賞」は、圧倒的1番人気に応えてベンテンコゾウが4馬身差で圧勝した。これで5戦4勝2着1回。南部駒賞に続いて重賞2連勝を飾り、今シーズンは休養に入る。
菅原勲調教師「まだゲート難の課題を抱えていますが、走ることが改めて分かったので金杯は見送ります。当初から寒菊賞で終えようと思っていましたから予定どおり。金杯は僚馬メモリーダンスに任せ、ベンテンコゾウはテンコートレセンへ移動します」
寒菊賞を振り返ってみたい。逃げたヤコウレッシャ、2番手リュウノビーナスの3番手外をベンテンコゾウが追走。3コーナーからオールザベストが一気にまくる奇襲戦法に出たが、まったくあわてることなし。同時にスパートをかけ、直線でオールザベストをアッサリ突き放した。
テンコートレセンと言えば古くはメイセイオペラが。最近ではラブバレットが大きく成長したところ。ベンテンコゾウもさらに飛躍を期して坂路で鍛え直すという。
父がサウスヴィグラス、母父がスキャターザゴールド。今後、長い距離でどうかの不安点は正直あるが、同じサウスヴィグラス産駒ナムラタイタンは距離も柔軟にこなしている。鍛え方次第では2000mも十分対応できるに違いない。春の再開を楽しみにしている。
18日メインはこの時期恒例の「ゴールデンジョッキーズシリーズ第1戦」(C1 水沢1400m)。全3戦の総合ポイントで争い、優勝騎手にはボーナス50万円が支給される。第1戦は好調馬がそろって実力伯仲。ジョッキーの駆け引きも加味され、激戦必至となった。
迷った末の主軸はマッセ=関本淳。中央4戦0勝、北海道2勝2着1回から転入。初戦は輸送の影響もあったのかマイナス11キロと体重減。スタートでも出遅れたが、タイム差なし2着。C1通用を証明した。
今度はひと叩きされて変わり身必至だろうし、小回り水沢2度目。北海道2勝が1200m戦から距離1400mも歓迎のはず。勝利をがっちりモノにする。
トーコーキズナ=高松亮は大井から転入して3勝2着1回。勢いに乗ったかと思ったが、その後は入着が精一杯。久しく鳴りを潜めていたが、4走前2着で再び上昇。ここ2戦も短距離戦で連続連対と好調サイクルをキープしている。通算3勝が1400m戦も強調材料となる。
カタオモイ=村上忍は前走、待望の初勝利をマーク。積極策が功を奏し、マッセとの叩き合いをクビ差制した。マイルがメインは番組の関係。大井2着1回が1200m戦なら1400mは望むところ。
クインズジュエリー=菅原俊吏は新潟芝1000m3、4着だが、転入後は芝1000m5着、水沢850m5着と忙しい競馬が合わない印象。前々走、1300m戦でマクリを決めて快勝なら、この舞台も合う。
テンツクテン=高橋悠里は10月のC1戦5着後、態勢を立て直して復帰。前走2着にまとめ、良化気配。切れを生かせるハイペースがベスト。
ダンストンスリル=山本政聡は850m戦0秒5差4着。叩かれながら本調子を取り戻しているのは見逃せない。
◎③マッセ
〇⑫トーコーキズナ
▲②カタオモイ
△⑥クインズジュエリー
△④テンツクテン
△⑤ダンストンスリル
<お奨めの1頭>
8R ヴェニット
北海道から転入初戦を9馬身差で逃げ切り圧勝。今度はマイルが舞台だが、1600m3着1回ならまったく問題ない