盛岡競馬場に芝があるメリットは計り知れなく大きい。血統からも適性を推し量ることは可能だが、実戦となるとやはり別。先週のテシオ杯ジュニアグランプリを圧勝したプレイアンドリアルも典型的な例だった。
デビュー戦の門別1700mで行われたスーパーフレッシュチャレンジを5馬身差をつけて勝ち上がったが、どこかもたついていたと思ったのは自分だけではないはず。陣営も「間違いなく芝向き」と断言していたが、実際に走ってみないことには分からない部分もあったはず。
プレイアンドリアルがそれをレースで証明できたのは収穫大。道中のラップでも大物の予感を裏付けているので紹介してみたい。
スタートから12秒5-11秒7-12秒6-12秒8-12秒5-12秒6-12秒6-12秒0。
このラップを見ればラスト200mで後続を一気に突き放し、6馬身差で圧勝したのも納得できるはず。それでも「遊び遊び走って物見をしていた」(関本淳騎手)というのだから、実力は推して知るべし。
参考までにラスト200mを12秒ジャストでまとめたのは「第2回東北ジュニアグランプリ」(当時の名称)を優勝したネイティヴハート以来のこと。
その後、ネイティヴハートはアイビーステークスを快勝し、京王杯3歳ステークス2着、朝日杯3歳ステークス(当時)3着の成績を残した。今と昔とは時代が違うが、プレイアンドリアルの可能性を図る格好の材料となる。
プレイアンドリアルの次走予定は東京スポーツ杯2歳ステークス。そこでの健闘を期待したい。
29日メイン11レース(発走17時)は芝1700mを舞台に行われる地方競馬全国交流「第15回岩手県知事杯OROカップ」。中央芝で好実績を残してきた馬、盛岡芝で実績を作ってきた馬が入り混じり、激戦必至となった。
主軸に川崎ナターレを指名。昨年、OROカップへ参戦して初の芝を問題にせず、アッサリ逃げ切って快勝。レコードに0秒7まで迫る好タイムもマークした。
川崎帰郷後もA2、牝馬重賞・しらさぎ賞と連勝。ここ2戦は退廃を喫しているが、グレードレース、牡馬相手の重賞で相手が強すぎたし、自分の競馬ができなかったもので度外視して考えたい。
今回は休み明け3戦目。当初からOROカップを照準を合わせて調整を進め、2日前に盛岡入り。陣営の意気込みも相当だと見て間違いないだろう。昨年よりメンバーは骨っぽくなったが、持ちタイムを素直に信じたい。
相手筆頭はハカタドンタク。冬場の中央移籍によって先行競馬ができるようになったのには驚いた。それによって勝ち味の甘さが解消。重賞3勝を上げ、3歳交流・オパールカップも制した。
トライアル・桂樹杯は初の古馬挑戦でアタマ差2着。格上マイネルファルケに直線猛追した。おそらく人気はないだろうが、見逃してならないのが一連の走破タイム。オパールCの1分46秒1は平凡に映るが、雨がたっぷり含んだ重馬場で、それを考えれば非常に優秀だ。何よりも成長続ける3歳馬。伸びシロに期待した。
高知ファイアーフロートは中央時代に中央1400m~1600mで7勝。2010年にはGⅢ・京王杯オータムハンデを制し、実績抜群。輸送さえうまくクリアーできればアッサリ勝って当然。
北海道ケイアイライジンも芝実績はヒケを採らない。プリンシパルステークスを快勝して日本ダービーにも出走(10着)し、芝4勝。その後、南関東へ移籍して報知グランプリカップを優勝して健在を誇示した。その後、白星から遠ざかっているのが気になるが、芝に替わって激走も十分。
マイネルファルケは盛岡芝で息を吹き返した。マイルチャンピオンシップ2着、ダービー卿CT2年連続2着の足跡があったが、ダートではまったく精彩なし。南関東時代は大敗の連続で岩手へ新天地を求め、それがずばり。トライアル・桂樹杯で芝適性を発揮した。コース2度目でさらに期待が高まる。
◎(6)ナターレ
○(8)ハカタドンタク
▲(10)ファイアーフロート
△(3)ケイアイライジン
△(5)マイネルファルケ
<お奨めの1頭>
5R ハーツコンセンサス
中央未勝利から転入初戦をパーフェクト内容で1着。馬体重アップも地力強化につながったか。距離延長はむしろ望むところ