先週22日、盛岡芝1600mを舞台に行われた2歳地方交流「第15回テシオ杯ジュニアグランプリ」は北海道プレイアンドリアルが圧勝した。
逃げたランデックキングの2番手外をぴったり追走し、いつでも抜け出せる態勢。追い出しを直線入り口まで我慢したのは「早め先頭に立たないでほしい」とのリクエストがあったから。
4コーナー手前で外からダマスクインゴットが馬体を併せにかかってようやくスパート。直線を向いてダマスクインゴット、内キープのライズラインが外に持ち出して並ぼうとした瞬間、プレイアンドリアルが一気に突き放して6馬身差。しかも「道中は遊び遊び」(関本淳騎手)だったというのだから、スケールは推して知るべし。
8月15日、スーパーフレッシュチャレンジを5馬身差で圧勝後、陣営はテシオ杯ジュニアグランプリ、東京スポーツ杯2歳ステークスの青写真を描いていたが、その期待に違わぬ強さを披露した。
「まだフラフラしたところがあって幼さが残っているが、30年の騎手生活でこんなに力のある馬に乗ったのは初めて」と関本淳騎手が絶賛した。
田部調教師も「コスモバルクより上かも」とレース後にコメント。まだ2戦のキャリアゆえ、伸びシロは十分。東スポ杯2歳Sは本当に楽しみになった。
28日(土)メインはオープン馬による盛岡ダート1200m戦「オッズパーク杯」、12頭立て。岩手を代表するスプリンターがそろったが、今の勢いを重視ライトマッスルが主軸だ。
ライトマッスルは2、3歳時になかなか頭角を現せなかったのは気負いが強すぎたため。パドックでの発汗が激しく、レース前に体力を消耗してしまっていた。その中でも素質の片りんをのぞかせていたが、本格化したのは昨年秋から。
芝短距離に活路を求めたところ、秘めた才能が花開いて芝1000m重賞・OROターフスプリントを優勝。最優秀ターフホースの栄誉にも輝いた。
その2戦後のレースで軽い骨折が判明。ヒザの骨片を取り除く手術を行ったため、今季始動が5月までずれ込んだ。おそらく骨折が尾を引いていたと思うが、復帰当初は本来のシャープさが影を潜めていた。
しかし、叩かれながら良化一途をたどり、目下2連勝中。ついに完全復活を遂げた。気になるのは盛岡1200m戦で結果を出していないことだが、不調サイクルとかぶったものと判断。OROターフスプリント2連覇に向けて、ここはきっちりと勝ちたい。
逆転筆頭はデュークワンダー。中央2戦0勝から福山で4連勝をマーク。再び中央へ戻り、ダート短距離へ路線変更がずばり。ダート1000mで2勝、1200m以下で2着4回3着6回と活躍した。転入初戦は4着だったが、これは1800mの距離が長すぎたため。今回はベストの条件といえる1200m戦で反撃に転じる。
エクセランはB1からの挑戦。中央から再転入後、3勝2着1回3着2回とすべて馬券対象を果たし、抜群の安定感。特に短距離戦のここ2戦2、1着だが、強さが際立っており、上昇一途。A級馬が58キロに対し、56キロのハンデも味方に好走必至。
スズヨシーズンは短距離で切れる末脚を存分に発揮。追い込み一辺倒の脚質ゆえ、届かないケースもあるが、すずらん賞2着。同じ1200m・早池峰賞でも3着に突っ込んだ。ペースに左右される面あるが、ハイペースなら一気突き抜ける可能性もある。
ファーストメジャーは2011年、岩手に転入。交流重賞・絆カップ2着、栗駒賞優勝。その後、南関東へ移籍して未勝利に終わり、岩手再転入。初戦を2着にまとめ、健在を誇示したが、ここ2戦は4着止まり。評価が微妙になったが、1200mなら反撃の余地がありそう。
ディアーウィッシュは2着3回。年齢的なものか最後のひと踏ん張りが足りないが、青藍賞(9着)よりメンバーは大幅に緩和。連下マークは欠かせない。
◎(6)ライトマッスル
○(7)デュークワンダー
▲(3)エクセラン
△(1)スズヨシーズン
△(4)ファーストメジャー
△(2)ディアーウィッシュ
<お奨めの1頭>
6R ブリス
転入初戦をアッサリ逃げ切って好タイムをマーク。相手は骨っぽくなったが、絶対スピードで押し切る