11日は今シーズンの芝フィナーレを飾るC1以下の地方競馬交流「五葉山賞」(盛岡芝1000m)。また盛岡開催も翌日12日と残り2日間になった。今年は紅葉が猛暑だった影響を受けて色づくのが遅かったが、ここにきて一変。盛岡競馬場=OROパークの紅葉もちょうど見ごろになった。レースともども、周辺の紅葉にも注目してほしい。
主軸にヤマニンパニエを抜擢する。中央8戦0勝から転入して当初2戦とも2着に終わったが、目下2連勝中。一連の走破タイムもすばらしく、ただいま絶好調を誇っている。
ただ芝1000m適性は未知数。中央時、芝を使ったのは一度のみでしかも2000m。最短が1400m戦ではたして条件を克服できるか否か。ひとまず今の勢いを重視したが、詳しく調べてみたら母ヤマニンドルチェは現役時代、小倉芝1000mの2歳新馬戦を快勝して、小倉2歳Sにも挑戦して7着。短距離をこなす素地は十分あると見た。
トートアフィシオンは中央2歳芝1400mで14着、続くダート1200mで6着。その後、岩手へ転籍して5戦2勝2着1回。特筆するべきは岩手ではすべて逃げの手に出ている点。今回、絶好の1枠を引き当て、ここも逃げは必至。
父サクラバクシンオー譲りのスピードで一気逃げ切りを決めるか。不安点はずっと芝を使ってきたため内側が荒れていること。そこでもたつくと厳しい競馬になるかもしれない。
ムーンライトテラスは今季1勝を芝1600mでマークし、3着1回も芝・JRA交流戦。芝適性は間違いなくある。加えて2歳時に門別1000mを快勝し、今回はベストの条件。近走度外視で狙いが立つ。
ビリーヴユウは中央、名古屋、福山、笠松と転籍していまだ未勝利。ただ中央・2歳新馬(札幌芝1200m)で0秒3差5着。またナンヨーマケナイワも未勝利から脱出できないが、新潟・2歳新馬(芝1200m)で4着の実績があり、軽視できない。
◎(10)ヤマニンパニエ
○(1)トートアフィシオン
▲(5)ムーンライトテラス
△(8)ビリーヴユウ
△(9)ナンヨーマケナイワ
<お奨めの1頭>
11R ギシアラバストロ
前走は得意のダート1200mを快勝。改めて底力を見せつけた。今回はマイルが舞台だが、順調に乗り込まれているのが心強い。2連勝十分
10日(日)メインは「第2回絆カップ」。昨年、東日本大震災からの復興を祈願して創設。東京競馬場で行われた南部杯とコラボで実施され、府中最終レース終了後、ターフビジョンでも放映。多くのファンといっしょに、画面越しだったが、馬券を握り締めて思いっ切り応援した。
今年は1ヶ月遅れの開催で舞台も盛岡ダート1400mから1600mへ延長。遠征馬4頭、岩手8頭の計12頭が絆カップを争う。このレースの優勝馬主には社台スタリオンステーション協賛により、種牡馬デュランダルの配合権利が提供される。
これから2歳・南部駒賞、3歳・ダービーグランプリが控えているが、古馬部門ではこの絆カップがシーズン最後の交流重賞。盛岡開催のフィナーレも飾る重賞戦となった。
当然のことだが、今回も地区レベル比較が最大のポイント。今季の古馬交流はすべて遠征馬に軍配が上がり、地元岩手は劣勢ムード。それを考えると船橋シルクダイドウ、北海道ダイワルビアを重視するべきかもしれないが、主軸は地元カミノヌヴォーとした。
昨年、南関東から再転入して不来方賞、ダービーグランプリ、そして桐花賞と重賞3連勝を決め、年度代表馬の座も獲得した。
今季は満を持してシアンモア記念から始動したが、仕上がり途上のため5着凡走。以降も勝ち切れないレースを繰り返し、なかなか本来の調子を取り戻すことができなかった。
しかし前々走・青藍賞で逃げ切りを決め、待望のシーズン初勝利を飾り、続くJpnⅠ・南部杯ではナムラタイタンの落馬による不利を受けて最後方からの競馬。それが痛かったが、7着まで盛り返した。
その後は絆カップ1本に絞って調整を進めて態勢万全。遠征馬は強力だが、地の利を生かして主役の座を勝ち取る。加えてカミノヌヴォーは秋から調子を上げていくタイプ。それも心強い。
シルクダイドウは園田、南関東で12勝。中央未勝利に終わったが、地方へ転籍して大成功を収めた。中央時は430キロ台の体重が現在は470キロ台。これが成長を如実に物語っている。
不安点は二つ。まずは臨戦課程。実績は昨年の覇者リュウノボーイと同格と見ていいが、前走10月30日から中9日の強行軍。これに輸送が加わり、状態面がどうか。南関東でも遠征は浦和の一度のみ(3着)。体重が大きく減っているようなら若干不安だ。
ダイワルビアは中央ダート中距離で4勝、準オープンへ在籍。北海道へ移籍したのは昨年5月で3勝マークした。ただ、重賞では赤レンガ記念13着、エルムステークス13着(13頭立て)、道営記念8着と振るわなかった。
今季はシーズン初戦を快勝したが、その後は足踏み。1勝2着2回とひと息のレースを繰り返しているのは気性難を抱えているから。ムラな面が出ているのは割り引き材料となる。格は申し分なし。もしかすると遠征でスイッチが入るかもしれないが、アッサリかはたまた凡走かの両極端な結果が考えられる。
トーホクキングはみちのく大賞典優勝後、白星から遠ざかっている。南部杯9着はともかく青藍賞3着、けやき賞4着。獲物を居るような迫力が薄れつつあるのは否定できない。それでも行き脚ついてからの切れには衰えはない。
あとは休み明け2戦目の重賞3勝馬ゴールドマイン、堅実さに定評があるシャイニーハリアーも3着には押さえたい。
◎(7)カミノヌヴォー
○(5)シルクダイドウ
▲(9)ダイワルビア
△(8)トーホクキング
△(2)ゴールドマイン
△(3)シャイニーハリアー
<お奨めの1頭>
6R エーブバットマン
前走は村上忍騎手に乗り替わって反応が一変。すばらしいタイムで逃げ切った。同じ1200mが舞台なら再現濃厚