9月3日メインは盛岡芝1600mが舞台「白神賞」(B1)。芝レースは年を重ねるごとに充実。正直に言うと数年前までは一部の競走馬を除いて我々予想陣、厩舎サイドも手探り状態。とりわけ条件クラスの芝レースは難解を極め、結果も大波乱が多かった。
しかし、ここ数年は適性不適性をある程度、把握できるようになったし、陣営も積極的に申し込むようになった。興味深い話を佐藤雅彦調教師から聞いた。「現役時代も感じていたことだったが、盛岡芝はダートに比べ腰の負担が少ない。ダート戦だと遠心力がかかるコーナーで踏ん張らなければならないが、芝はスムーズ。腰に不安がある馬で適性がありそうだと思ったら、芝を使った方がいい」と。
当然だが、岩手で芝オンリーで使うのはほぼ不可能。ボスアミーゴのような極端な芝巧者の場合、それに合わせたローテーションを組むが、ほとんどの馬はダートを使いながら。それでも照準は芝に合わせて臨んでくる。
ドリームスナイパーは、まさしくその典型。JRAから名古屋を経て再転入したのは盛岡芝が目標。移籍2戦目にオープン芝2400m・かきつばた賞に挑戦。ボスアミーゴの0秒4差5着に敗れたが、続くダート戦を快勝し、B1芝も勝って連勝。そして前走、再びオープン・桂樹杯へ殴り込みをかけ、ボスアミーゴの0秒1差3着に惜敗した。
今回は自己の条件・B1へ戻り、当面の敵コアレスランナーとは前々走の直接対決(B1・芝1700m)でゴール前、キッチリ交わして快勝。着差はクビだったが、貫禄の違いを見せつけた。今週半ばの雨、そして忙しいマイル戦などの不安材料を抱えているが、早め追走を心がけ、直線抜け出しを狙っている。
逆転筆頭はコアレスランナー。今季は2度馬券対象から外れたが、6戦2勝2着2回と好調サイクルを維持。前々走では昨年7月以来の芝だったが、4角先頭から惜しくも2着。小柄な牡馬ゆえ揉まれ弱さはあるが、今回は外枠を引き当てたので問題なし。また前々走より100m短縮も好材料となる。
このラインは強力だが、他のメンバーも芝適性をにらんだ馬がズラリそろった。ディーエスファジーは今季3着2回が最高だが、芝1000m・姫神賞(B2)4着、前走・芝1600m3着。調子を上げてきたのが心強いし、中間の攻め馬でも意欲満々。B2からの挑戦だが、芝適性なら決してヒケを採らない。
ウメノカイウンは中央ダート1勝500万下から転入。ダート戦は7、6着と精彩を欠いたが、芝に替わった前走は動きが一変。多少、ペースにも恵まれた感もあったが、最後方から直線一気に伸びて3着を確保した。
中央時代は芝経験が一度もなし。「父がスターオブコジーン、母父クリミナルタイプなら芝OKだと思うのだが、何故」と櫻田康二調教師が疑問に感じるのは当然―の内容だった。仮に今回も好走するなら路線はほぼ決まった。
このメンバーで最も芝適性を測りづらいのがゲイリークイン。今シーズン、一度10着に大敗したのはダート1000mを使った反動があったから。その後は4戦2勝2着2回と連対を継続し、好調サイクルも維持した。
最大ネックは盛岡芝が初めて。中央時代に芝1000mを3回、芝1600mを1回使われ、新潟1000mでは7着ながら0秒6差にまとめたことがあり、マズマズの適性と見ていいかもしれない。
ただ1600m戦は18頭立て16着(1秒9差)に大敗し、マイルの距離がどう出るか。アッサリか、それとも凡走かの極端なケースが考えられるが、やはりノーマークにはできない。
◎(2)ドリームスナイパー
○(8)コアレスランナー
▲(3)ディーエスファジー
△(4)ウメノカイウン
△(7)ゲイリークイン
△(10)ゲンパチオブラヴ
3連単は2、8の2頭軸から3、4、7、10へ流し
馬複は 2-8、2-3、2-4、2-7
<お奨めの1頭>
8R ヘブンオンマッハ
激戦区3歳B1戦らしく好メンバーがそろったが依然、底見せなし。ダート戦での信頼度は非常に高い