24日メインは岩手版オークス「第25回ひまわり賞」。地元3歳牝馬の争いで序列がはっきりしているかと言えば、決してそうではない。ダート2000mの距離が勝敗に大きく影響しそうだからだ。
それでも一冠目・留守杯日高賞の上位組が優位は動かない―の結論に達した。その日高賞は葛山騎手とのコンビで臨んだ金沢代表・アンダースポットが鮮やかな逃げ切りを決めて快勝。人馬とも故郷に錦を飾った。クビ差2着にガッテンモントレー、1・3秒差3着にシュクモモコ。
アンダースポットはレース後、今回のひまわり賞で二冠を制するために岩手へ再転入。1ヵ月半ほど間隔を開け、3歳B1戦を使ったが、盛岡到着後、発熱。おそらく輸送がこたえたのだろうと思うが、レース当日まで出否を迷った。
幸いレース当日は平熱に戻り、出走にこぎつけたが、陣営も半信半疑で見守った。しかし日高賞優勝はダテではなかった。好スタートからスイスイ逃げ切りを決めて2着に3馬身差。重賞ウィナーの底力を見せつけた。この一戦を叩かれて気配アップは歴然。自信を持ってひまわり賞へ駒を進めた。
とは言え、不安点がない訳ではない。果たして2000mを克服できるかどうか。血統的には問題ないと思うが、日高賞、そして前走も終始、外へモタれながら走っていること。クセなのか、それとも苦しい部分があるのか。結論はもたれっ放しで2000mの距離は厳しい。能力でアッサリもあるだろうが、対抗までとした。
本命はガッテンモントレー。休み明け初戦にコスモバルク記念を選び、北海道へ遠征。3歳牝馬でこの挑戦は無謀では...と言われ、結果も10着に終わったが、自身の上がりが38秒9。前半で置かれすぎたため、勝ち負けには程遠かったが、終いの脚にキラリと光るものがあった。
その経験が無駄ではなかったことを日高賞で証明した。中団5番手をキープし、直線で満を持して追い出すと鋭く反応。アンダースポットにクビ差まで肉薄し、メンバー最速の上がりを披露した。
続いて牡馬相手の岩手ダービー・ダイヤモンドカップ挑戦も視界に入れたが、最終的に自重。理由は今の成長期に連闘は厳しいと櫻田浩樹調教師が判断をした。
それで1ヶ月の間隔を開けて芝・はまなす賞に向かって8着。結果だけを見ると何故、芝を使ったかと思うかもしれないが、「使うレースがなかっただけ。仮に芝もこなせるならもうけもの」(櫻田浩樹師)だった。それゆえ敗戦にさほどショックを受けていない。むしろ勝ち馬から1秒差にまとめたことに成長を実感した。
しかし、ガッテンモントレーの父はサウスヴィグラス。ダート短距離界で一世を風靡し、種牡馬としてもラブミーチャンなどを送り込んで成功を収めているが、2000mはどう見ても守備範囲を大きく超えている。
それでもあえてひまわり賞へ向かうのは母系が長距離向きだから。ヨーロッパ芝2000m以上で活躍したベニーザディップなら十分克服できると陣営は踏んだ。確かにコスモバルク記念=1800mでも決してバテてはなかった。あとは脚の使いどころさえうまくいけば先頭で突き抜けてくれるに違いない。
シュクモモコは日高賞1・3秒差3着。前記2頭には離されたが、牡馬相手の七時雨賞で5着確保した実力を誇示した。続く3歳B1戦は後方のまま9着と案外の結果に終わったが、あとから厩舎に聞いたところフケ(発情)だったとのこと。それならば凡走も仕方なしだった。
実は今回、調教パターンを変えた。通常、日曜日のレースの場合、追い日は木曜だが、食いの細い牝馬なので前週17日に追い切って、以降は軽めに回した。この暑い季節も考慮してのことだが、果たして吉と出るか。
シャトーフジは母トキノシャトーに続いて母仔でひまわり賞出走。トキノシャトーは5着だったが、それより上に食い込めるか。ここ2戦を2、1着にまとめ叩かれながら気配アップは歴然。こちらも距離に不安を抱えているが、調子の良さなら上位3頭にはヒケを採らない。
レディージャスミンの評価が下がってしまったが、もちろん侮れない存在だ。特別・はまなす賞3着、重賞・オパールカップ2着と得意の芝で連続好走。ダートも決してこなせない訳ではなく、水沢だが1勝マーク。血統的には2000mが最も合う馬だ。あとはコース2度目エーシンショコラも軽視できない。
◎(6)ガッテンモントレー
○(11)アンダースポット
▲(9)シュクモモコ
△(10)シャトーフジ
△(4)レディージャスミン
3連単は6、11の折り返しから9、10、4へ流したい
馬複 6-11、6-9、6-10、4-6
<お奨めの1頭>
3R パークセラピイ
前走は目の覚めるようなマクリを決めて快勝。待望の岩手初勝利を飾り、弾みついた