岩手競馬が冬休みの間、昨年話題の人・これから話題になるだろう人・遠征中の騎手達のお話しをうかがう『この人に聞く』を掲載します。
第4回は福山競馬に短期所属中の菅原俊吏騎手です。
福山には1月18日には来ていました。1月のうちはレースに乗れないと言われていたけれど、岩手にいてもやる事がないし、こっちに来て攻め馬をしていようか、と。
受け入れていただいた渡邉貞夫調教師はこちらの調教師会長。僕は「同期」がいないですし(※菅原俊吏騎手はオーストラリアでデビューした後に日本の騎手免許を取得したので、日本の競馬学校に入っていない)、福山にも特に知っている人もない状態でしたから、受け入れて貰えて助かりました。
普通は同期や知り合いのツテを頼りつつ、ある程度騎乗のあてをつけておいて来るのでしょうが、それでもなんとかやってやると。自分はあちこちで乗って経験を積みたい派なんですよ。うん、最近はだいぶ慣れてきましたよ。
福山のコースは2コーナーがキツイなと感じますね。1コーナーを回ってから一息入れてギュッと回り込んでいく感覚で、回り方が難しい時があります。でも小さいコースの割には乗りやすいです。コースの真ん中辺が深くなっている事が多いので先行馬か後方からの差し・追い込みか、と極端な決着になる事が多いように思いますね。
調教は、厩舎が前運動と後運動をしっかり時間を取ってやるところで、担当する頭数は少ないかもしれないけれど時間はかけていますね。調教師リーディングを何度も獲っているだけに他の厩舎とは違うなと思います。
初勝利(2月6日・6R、タケノチャンス号で優勝)は、ひとまず一つ勝ててホッとしました。持ち時計がいいので普通に勝ち負けだとは思っていたし周りからもそう言われていましたが、圧勝すぎて逆に気が抜けた・・・というと贅沢でしょうか。前半だいぶ競りこまれて「うわ、これは人気で潰れるパターンか~」と思っていたら、最後は楽に突き放すくらいでしたからね。この辺のクラスでは力が上の馬なんだと思います。
前走で乗っていた﨏畑(さこはた)騎手が、今回は自厩舎の馬が出るから・・・という事で自分が乗る事になったのですが、初勝利を譲ってくれたのかな。
今回は実質6日間しかチャンスがないのが残念で。これで福山に知り合いもできましたし、来年はまたここで、もうちょっと腰を据えて・・・というのもいいかもしれません。【談・取材日2月6日】
菅原俊吏騎手は07年に岩手デビューしてから、3年連続で荒尾、そして今回の福山と、冬休みは毎年他地区で騎乗。自らが言う「あちこちで乗りたい派」を実行していますね。2010年は暦年(1月から12月)で92勝を挙げ100勝の大台間近まで迫ったのも、そんな積極性が実を結んできたのではないでしょうか。
この話を聞きつつ"次はどこが良い?"という雑談になったので、いっそ地方競馬場全場の騎乗を狙ったら・・・なんて煽ってみました。"デビュー4年目の新人"としてはちょっとトウがたってますけど、まだ30前。時間はたっぷりありますから、そんな"大記録"も狙ってみてほしいものです。【横川典視】