"岩手の至宝"菅原勲騎手が地方競馬通算4000勝を達成した。11月29日、最終11レースでスズモンスターに騎乗し、好位追走から逃げ切りを図ったグラスバラードを直線でキッチリ捕らえて快勝。地方競馬史上6人目、現役4人目。もちろん岩手競馬では前人未到の偉業となった。
この記録の凄さは岩手競馬の環境を考えれば一目瞭然。通年開催ではなく冬休みが約2ヶ月あり、菅原勲騎手がデビューした当時は年間100日程度の開催。今でこそ年間130日だが、それでも週末3日間だけの競馬。騎乗日数、回数も北海道はともかく関東以西とは比較にならないほど少ない。
菅原勲騎手は1981年10月デビューだから、ちょうど今年で30年目に突入。単純計算で考えれば年間133勝ペース。仮に通年で南関東のように週5日間の開催だったら、どれほどの数字になったか。しかもJRAと土、日の開催がかぶるため、JRAへ挑戦した場合には地元騎乗は"0"。
ここ3年は冬期間に限って短期所属替えで南関東で騎乗。その数字も加算できたのも4000勝達成を早めたが、通算勝率22・5%は驚くばかり。4回に一度近くは勝利をモノにしていることになる。まさに岩手競馬、いや地方競馬の宝だと断言して差し支えないだろう。
今週4日メインはA級三組「えさし郷土文化館レース」(水沢1600m)。2ヶ月ぶりを見せ場作って4着に粘ったハッピートークが、ひと叩きされて首位を奪取する。
昨年9月、中央7戦未勝利から転入。格付けにも恵まれてC2でいきなり3連勝をマークしたが、次第にメンバーが強化され、頭打ちのレースを繰り返してシーズンを終了。しかし冬期間の休養がプラスに大きく作用。C1で3連勝を飾り一度、2着に敗れたが、これは初の1800mに戸惑ったから。その後は再び連勝街道を突っ走り、4連勝目がオープン牝馬特別・フェアリーカップ優勝を果たした。
ただ毎回、脚元と相談しての出走で1ヵ月半以上の間隔が開いたA級戦で4着。連勝がストップし、またもや2ヶ月ほど休養。使い込めないのが残念な限りだが、それでも復帰戦の前走では2番手追走から4角で一旦先頭。直線では息が持たず4着に沈んだが、見どころ十分だった。
しかも今回は連闘で臨め、これが体調面での問題がないことの証明。ひと叩きされた上積みも見込めば勝って当然の一戦と言っていいだろう。水沢1600mも5戦4勝。唯一の4着が休み明けの前走で水沢マイル戦に絶対の自信を持っている。
逆転筆頭はケイジーウォリア、エスユーペニーかで迷ったが、ケイジーウォリアを上位に採った。小回り水沢では馬群をさばくのに手こずっているが、それでも先行競馬で決着した前走でも3着。オリオンザクロノスとに叩き合いで先着を許したが、直線で確実に台頭できる末脚が最大の武器。展開に注文つく面があるが、ここならしっかり2着を確保できる。
エスユーペニーは中央1勝500万下からの転入でA級通用かどうかと思ったが、初戦2着。2戦目は2番手追走からパーフェクト内容で快勝。これを評価され、重賞・青藍賞で2番人気に支持されたが、伸びを欠いて6着。続く盛岡ダ1600m戦でも6着に敗れて休養。今回が2ヶ月ぶりの実戦となった。ここ通用は転入2戦で証明済みだが、如何せんレース間隔が開いたのが気がかり。アッサリか、それとも凡走かの可能性がある▲評価に落ち着いた。
前走は流れが合わなかったヤマトスピリット、あとは前走で復調の兆しがうかがえたソフトパワーを押さえたい。
◎(5)ハッピートーク
○(8)ケイジーウォリア
▲(2)エスユーペニー
△(7)ヤマトスピリット
△(3)ソフトパワー
3連単は5を1着固定に8、2の折り返しが本線。あとは7、3を3着押さえ
馬複は 5-8、2-5、5-7、3-5
<お奨めの1頭>
2レース カゼノルビー
スタートに課題を抱え、前走は後方からの競馬。1枠が若干気になるが、総合力上位は転入初戦1着で一目瞭然