22日、復活した「第23回ダービーグランプリ」が刻一刻と迫っている。1着賞金800万円。創設当初が2000万円。GⅠへ昇格し、最高額が6000万円。正直、かなりスケールダウンしたのは否定できないところだが、今の岩手競馬の体力を考えれば破格の賞金。
全国地方競馬の交流重賞では伝統のみちのく大賞典などの500万円(グレードレースは別格)だから、800万円の1着賞金は推して知るべし。岩手競馬の意気込みが半端でないことをご理解いただけると思う。
ダービーグランプリの創設は1986年。年を重ねるごとに評価もグレードも上がる一方。スイフトセイダイ、トミシノポルンガ、ミスタールドルフなど地方の歴史に残る強豪が誕生。また96年にはJRAにも門戸を開放し、翌年にはGⅠ格付け。ゴールドアリュール、ユートピア、カネヒキリなどダート界で一時代を築いた馬たちが名を連ね、出世魚にも例えられた。
悪夢は2007年にやってきた。全国の馬インフルエンザがまん延し、その真っ只中にいたダービーグランプリはやむなく地元重賞で実施。翌年には存廃問題などと前後して休止の選択を余儀なくされた。
しかし今年、3年ぶりに復活。スケールダウンを承知の上で、いろんな方々から喜びの声が届いた。創設当時を考えれば地方交流は原点に立ち返っただけ。再び歴史を重ねてグレードを上げていけばいいと思っているし、復活を祝すようにすばらしいメンバーがそろった。22日、優駿たちの戦いが今から待ち遠しい。
21日(土)メインは水沢1400mの短距離が舞台「栗駒賞」、8頭立て。実績はリュウノキングダムで断然だが、順調度で勝るブラストクロノスを主軸視するのが妥当だろう。
デビュー戦の中山2歳新馬戦(芝1600m)を勝ち上がり、朝日杯FSにも挑戦(13着)。その後は勝ち星がなく3着2回が最高で岩手へ新天地を求めてきた。初戦の盛岡ダ1600m・A級戦はクラス間に合うか、ダートこなせるか半信半疑。5番人気に甘んじたが、好位キープからアッサリ抜け出して快勝。
2戦目・きんもくせい賞は芝1000mでは初戦の強さと芝適性を買われて1番人気に支持されたが、忙しい競馬が合わず6着。これで評価が落ちてしまったが、前走をアッサリ逃げ切って5馬身差。緩急自在の脚が冴え渡った。今回は生涯初めての1400m戦だが、控える競馬もでき難なくクリアー。ここで白星を飾れば年明けのトウケイニセイ記念でも楽しみな1頭となる。
ジョウテンロマンはまさにオールラウンドプレイヤー。芝ダート、距離の長短を問わず毎回のように上位争い。7月に行われた同条件の重賞・岩鷲賞で3着。その時にマークした1分27秒1はメンバー中一番のタイム。前走はスローの流れに泣いて3着。他のレースでも詰めの甘さに課題を抱えているが、タイム比較で首位奪取してもおかしくはない。
圧勝か、はたまた凡走かのどちらも考えられ、評価に迷うのがリュウノキングダム。昨年、船橋から遠征しシアンモア記念、北上川大賞典を圧勝。またキングスゾーンとのマッチレースの末、惜しくも半馬身差2着・みちのく大賞典など断然の実績を誇る。
注目の転入初戦は2番手追走から3コーナー手前で早々と失速して7着。さすがに8ヶ月ぶりの実戦は厳しかったようだ。加えて500キロを超えて出走したのは生涯初めて。確かに体も重かった印象だった。この一戦を叩かれて気配アップしたとのこと。あとはどこまで本来のシャープさを取り戻したに尽き、当日の馬体重と仕上がりをチェックしてほしい。繰り返すが、まともならばここでは負ける馬ではない。
モエレハナオーは3戦連続で着外に終わったが、OROカップ7着は久々の芝。瑞穂賞は長距離輸送とメンバー強化が敗因。前走6着は物足りなかったが、490キロの体重がこたえた印象。できれば480キロ前半で勝負をしたいところで、こちらも当日に馬体重をチェックしたい。あとは依然スランプから脱出できないが、昨年の年度代表馬の意地が見たいマヨノエンゼルを押さえ少々。
◎(4)ブラストクロノス
○(5)ジョウテンロマン
▲(1)リュウノキングダム
△(6)モエレハナオー
△(8)マヨノエンゼル
3連単は4、5、1のボックスが本線だが、当日の気配次第では1を外すことも十分。その場合は体重絞れることを条件に6を加えたい
馬複は 4-5、1-4、1-5、5-6
<お奨めの1頭>
8レース マイネアイーダ
連勝4でストップしたが、前走は相手が強すぎた。ここならメンバー有利は明白