今年のJBCはちょうど区切りの10回目。初めて船橋で開催する。英語で10年を"DECADE"と言うが、創設当時、いや創設以前からJBC協会とコンタクトを取り、範にしたアメリカのブリーダーズカップ取材に毎年出かけたこともあった。
2001年、大井で第1回JBCが開催されたとき勝手に生みの苦しみを味わった。そして第2回、盛岡競馬場=OROパークで開催したとき、心から感動し興奮した。それは岩手県民も同様だった。入場口までたどり、着けず無念の気持ちで帰宅の途についたファンも少なくなかった。交通情報でOROパーク周辺が大混雑中です―のニュースも流れた。
10年一区切りとは良く言ったもので、歴史を重ねてこそレースは認知され、グレード(格)も上がりファンに定着する。今年のテーマは原点に戻り、生産にスポットを当てるという。果たしてそのコンセプトをどう具現化するか、非常に興味深い。当日は船橋で生観戦を考えている。
31日(日)メインはB1級「ハロウィンカップ」(水沢1800m)。トップハンデ58キロから最軽量53キロの5キロ差も微妙に影響しそうだが、その中で55キロの定量で臨めるゼットファーストが、勝機を順当につかむ。
ゼットファーストは中央1勝500万下から昨年10月に転入。初戦、3戦目と白星を飾ってシーズン終了。今季も出入りの激しかった駒形賞(水沢1400m)は10着に沈んだが、堅実に走って3勝。今回と同じ条件・ねむの木賞では4角先頭の強いレースで圧勝した。
その後、A級に昇格し3、2着に善戦したが、脚部不安が発生したため2ヵ月半のリタイアを余儀なくされた。ただ今年の夏を考えるとちょうどいい休養になったはずで、休み明け2戦目を2着にまとめ、今回の一戦に臨んできた。
過去、マイルでも3勝マークだが、レース印象を見るとゆったりと流れる1800mがベスト。しかも当面の敵ポアントゥブルボンが58キロの酷量を背負い、斤量的にもゼットファーストには有利な条件がそろった。
ここにきてポアントゥブルボンの充実度には目を見張るものがある。途中、精彩を欠いた時期が続いたが、夏を境にしてひと皮むけたレースを披露している。不安材料はマイルに絶対の自信を持っている半面、1800mでは最後の詰めがどうしても甘くなってしまう。その典型が4走前の盛岡戦だったが、小回り水沢ならギリギリ我慢が可能だろう。
センリグランピーは追い込んで届かずのレースが続き、頭打ちの印象は否定できない。ただ前後はさっぱりだったが、6月の水沢1800m戦で2連勝。しかも2勝目は2番手の積極策に転じて3角先頭からそのまま押し切って快勝。追い込み一辺倒のタイプだっただけに、この勝ちっぷりに驚かされた。その後は再び沈黙を続けているが、条件そろったここは是が非でも好勝負に持ち込みたい。
レッドガルーダは転入2戦目を順当勝ち。さすが中央時代、11戦中7回も1番人気に支持されただけの実力と納得させた。もちろん2連勝まで十分可能だが、昇り目の点でゼットファーストに分があると見た。あとは取り消し直後で仕上がりがカギを握るが、格最上位トーホウライデンも軽視できない。
◎(5)ゼットファースト
○(9)ポアントゥブルボン
▲(4)センリグランピー
△(6)レッドガルーダ
△(1)トーホウライデン
3連単は5を1着固定に9、4、6へ流しが本線。あとは1を3着押さえ
馬複は 5-9、4-5、5-6、1-5
<お奨めの1頭>
9レース ブランジェリーナ
父が米2歳チャンピオン・スマーティジョーンズ、母も日2歳牝馬チャンピオン・スティンガー。その血統だけで飛びつきたくなる