26日メインはシーズン最後の芝重賞「第12回岩手県知事杯OROカップ」(3歳以上・地方競馬全国交流 盛岡芝1700m)。
昨年、3年前とコスモバルクが優勝。ゴールの瞬間、ファンから拍手と歓声が沸きあがったのが今でも印象に残っている。特に3年前は全国に馬インフルエンザがまん延。交流自粛が相次ぎ、ダービーグランプリ(当時:JpnⅠ)も地元重賞での実施を余儀なくされた。そのような厳しい状況下にあって交流再開後、いの一番に名乗りを上げてくれたのが他でもない、コスモバルクだった。
コスモバルクは昨年優勝後、天皇賞、ジャパンカップ、有馬記念を使った後に引退。先日、札幌競馬場でお披露目会が行われ、600名のファンが集まったと聞いた。国内GⅠにこそ手が届かなかったが、シンガポールで待望のGⅠタイトルを獲得。
ラッキーにもその場に立ち会うことができたが、日本から訪れた関係者、ファンが大興奮。小生もその一人だったが、これも忘れられない思い出となった。
OROカップにコスモバルクの名前があること。それ自体が最高の誇りと言ってもいいだろう。
さて本題。本来なら3年連続で2着に敗れたボスアミーゴが主役を演じるはずだった。特に一昨年はクルセイズのハナ差負け。OROカップを制すると2歳・ジュニアグランプリ、3歳・オパールカップ、3歳以上・せきれい賞、きんもくせい賞(当時は重賞で実施)と盛岡芝を舞台に行われる芝重賞をすべて制覇。
前人未到のグランドスラム達成の夢がかかっているが、如何せん今シーズンは順調さを欠いて春の2戦後、3ヵ月半の休養を余儀なくされてしまった。そのため上半期の芝はすべて見送りし、前走・すずらん賞で復帰したが、苦手のダートでもあったため7着。この一戦を叩かれて変わり身は見込めるだろうが、臨戦過程を考えると大望は難しく△評価に落ち着く。
主軸はリュウノボーイ。岩手でデビューして2勝。若駒賞2着、ジュニアグランプリ3着、金杯3着などの成績を引っさげて南関東へ移籍。船橋で1勝をあげ、クラウンC3着、北海優駿3着。追い込み一辺倒の脚質のため、なかなか白星を積み重ねることができなかったが、盛岡3歳芝重賞・オパールカップを7馬身差で圧勝。重賞ウィナーの仲間入りを果たした。
リュウノボーイは父がサッカーボーイ。盛岡芝の適性に定評があり、リュウノボーイ自身もデビュー戦の芝1000mを快勝。オパールCでコンビを組んだ菅原勲騎手も「ダートもソコソコこなすが、芝でこそ持ち味が生きる」と適性を評価。走破タイム1分45秒2もレコードに0・7秒。持ちタイムはボスアミーゴに次ぐ2番目だが、先に記したようにボスアミーゴが順調さを欠く今回、重賞2勝目を飾る絶好のチャンス。55キロのハンデも勝利を後押しする。
逆転筆頭はキングスゾーン。昨年もOROカップへ参戦し、サウンドサンデーにクビ差先着を許して4着。この結果だけを考えると対抗は無理があるかもしれないが、あの時は大外12番枠から逃げの手。何が何でもハナに立とうとして脚を使ったため、末をなくしたとも解釈できた。しかし今回は絶好の1番枠。今年も健在であるのは今季成績が示すとおりだし、楽に先手を取って脅威の粘りを発揮する。
コスモヴァシュランは芝2400m重賞・せきれい賞を2連覇。前年が極端な不良馬場、今年は良馬場だったが、レースパターンはまったく同じ。3角マクリを決め、そのまま押し切って圧勝した。
OROカップにも2年連続で出走して7、5着。1700mの忙しい競馬はちょっと合わないかの印象だが、今年は一味違う。3走前の福島テレビ杯(オープン 芝1800m)で3角マクリに出て7着。JRAオープン馬相手にこの内容は収穫が大きかった。ベストはゆったりと流れる長距離戦だろうが、今なら1700mも十分克服できる。
昨年、コスモヴァシュランに先着3着サウンドサンデー、トライアル・桂樹杯を快勝し、奥手がついに本格化したサッカーボーイ産駒マルブツコンバットも争覇圏内に位置。様々なファクターが入り混じり、非常におもしろい一戦となった。
◎(7)リュウノボーイ
○(1)キングスゾーン
▲(3)コスモヴァシュラン
△(4)サウンドサンデー
△(11)マルブツコンバット
△(9)ボスアミーゴ
3連単は7を1着固定に1、3、4の折り返しが本線。あとは11、9も3着に押さえたい
馬複 1-7、3-7、4-7、7-11
<お奨めの1頭>
2レース ミルクマン
父は史上初めてブリーダーズカップ・クラシック連覇を果たしたティズナウ。そして母父ストームキャットと世界の名血でデビュー戦圧勝も当然の結果