5月一杯をもって騎手を引退した板垣吉則調教師。今週は早速調教師として競馬場に姿を見せました。
といってもまだ管理馬が走るわけではなく、今回は調教師業務の研修とのこと。"同期"となる高橋純調教師と一緒に、調教師としての業務のあれこれのレクチャーを受けていました。
調教師は所属する騎手や厩務員との雇用契約・給与関連、管理馬の契約・預託関係、獣医さん・装蹄師さんとのやりとり等々をやらねばなりませんし、当然ながら所属馬の出走投票だとか入退厩の管理、シーズンになればセリや牧場に出かけて馬探し、と仕事は実に幅広く様々。
調教師も騎手も個人事業主ではありますが、おおざっぱに言って騎手が「雇われる方」なのに対し調教師は「雇う方」、昨日まで契約社員だった人が今日から社長になったんですよ・・・というお話しです。そりゃ大変ですよね。
また、板垣師も高橋師も新規開業ですのでハード面の準備も一からスタート。まずは厩舎のインフラ整備から始めつつ(しばらく使ってなかった馬房が回ってきた場合、壁が破れているとか水道管が破れているとか珍しくないそうで・・・)、手入れ用具やら飼い葉桶やらはもちろん、厩舎の中の休憩所の、湯飲み一つまで買ってくる事になるでしょう。
そして厩務員を捜してきて雇うわけですが、経験者が見つかればいいですがそうでなければその人に厩舎作業を教えつつ調教しつつ・・・と二倍忙しくなる事に。また、新人厩務員となればパドックで馬を引くための申請を出して許可を受けねばならず、それが整うまでは、場合によっては他の厩舎の厩務員さんに手伝って貰わないといけないかもしれません。
もちろん、馬も大事ですね。板垣師は長い騎手時代の、高橋師はお父さんの(高橋師の父は先年亡くなった故高橋眞久調教師)ツテがいくらか期待できるかもしれませんが、いかんせんこのご時世、最初は3頭くらいからのスタートになるでしょう。
板垣調教師は「早ければデビューは26日からの5回水沢競馬になりそう」と言われていましたけど、恐らく、いろいろな準備がすべて滞りなく進めば間に合う・・・くらいのタイムスケジュールだと思われます。見事予定通りデビューを果たせたならば、「凄い」と拍手を。
本命はJRAの(2)ジョウノヒーローとしました。一息入れて一変の前走、相手が軽めの交流戦だったとはいえあの内容で走れれば上々でしょう。ひとまずマイル前後の距離で計算できる先行力を手にしたのは大きな武器。
対抗もJRAから(10)シャインオブロード。芝長距離にまわされた前走は度外視可。それよりは以前の、タイム差はあれども一桁着順に食い込んでいた走りを評価したいもの。小頭数で走りやすくなれば前進あっていいでしょう。
三番手には岩手の(8)オウシュウサンクスを狙ってみます。転入初戦の前走が実に見事。JRA時代の実績は今回の遠征馬と、まあ大差ないと言っていいレベルですし、形ほどの相手強化感はないのでは。勝って勢いがついたとすれば面白い存在に。
(6)セイントネイティヴと(1)コスモアヴィスがまとめて穴。強敵相手に自分のレースを貫いた(6)、極端な先行有利のコースをものともせず最後方からの追い込みを見せた(1)の、それぞれの激走に期待。
いずれここは、アンバー賞などのように「割と信頼できる軸」、その馬から組み立てていけばいいという馬が見あたりません。波乱も十分念頭に置いておきたいですね。
★買い目
馬複 (2)=(10)、(2)=(8)、(8)=(10)、(2)=(6)、(1)=(2)、