10月12日 第22回マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI 盛岡ダート1600m)
1着 エスポワールシチー
確たる逃げ馬が不在だったため、レース展開も戦前はなかなか読み切れなかった。それを裏付けるように各馬が様子を見ながらけん制し合い、結局エスポワールシチーが逃げることになる。それをピッタリとマークする形でサクセスブロッケンが直後外につけ、スタート400mで早くも展開の有利不利なしの力と力の勝負に持ち込まれた。
2頭のマッチレース模様で直線を向いたが、4コーナー手前でサクセスブロッケン鞍上の内田騎手の手が必死に動く。それとはまったく逆に、エスポワールシチーは持ったまま。「3コーナー過ぎに勝利を確信した」の佐藤哲三騎手のコメントどおり、ラスト200mでサクセスブロッケンを完全に振り切り、あとは独走状態。
後続に4馬身差もつけ、フェブラリーSの雪辱を晴らすとともに、GⅠ2つ目のタイトルをサクセスブロッケンとの直接対決で果たした。
「逃げるか後ろから行ったほうがいいか迷ったが、誰も行きそうになかったのでハナに立った。2、3番手でも良かったが、それ以上うしろだと気性的にまだ危険が多い。今回は太め感もあったが、さらにパワーアップしたということ。まだ遊び遊びで走っているので、これからの活躍も楽しみ」と佐藤哲三騎手。
注目のローテーションについては「馬の状態を見て名古屋のJBCを使うかもしれないが、今年の最大目標はじゃっパンカップ・ダートなので直行の可能性もある」と安達調教師。
2着 サクセスブロッケン
逃げたエスポワールシチーの直後につけ、ピッタリとマークする形でレースを進める。あとから確認して驚いたが、2頭は馬なりで様子を見ながらだったにもかかわらず前半3ハロン35秒0。上がり3ハロンはちょっとかかって36秒9だったが、いかにレースレベルが高かったかを証明。
これでは他の馬が追走するのに大変だったかが明白。3コーナーから内田騎手は徐々に差を詰めるイメージで乗っていたと思うが、4コーナー手前で一杯に手を動かしても差を詰めることができない。
直線を向いても脚色の差はどうしようもなく、サクセスブロッケンはメイショウバトラーに交わされないのがやっとだった。
「レース途中で前へまったく進まなくなった。4コーナーで並んで直線に入っていきたかったが、離される一方。全然、掛かる感じがなく久々の影響が大きかったかも」と内田騎手。
3着 メイショウバトラー
終始3番手外をキープし、勝負どころの3コーナーで前2頭に離されていったが、直線でサクセスブロッケンの脚が上がり、徐々に差を詰める。ただ交わすまでに至らなかったのが先着2頭との実力差だろう。
「盛岡コースとの相性がいいんでしょう。これだけ走ったのだから頑張った。改めて左回りのマイルがベストだと思った」と武豊騎手。
4着 トーセンブライト
5番手インの経済コースを進み、2頭がスパートと同時に仕掛ける。しかしペースアップしたのについていけず、4着が精一杯だった。
5着 ブルーコンコルド
トーセンブライトの外6番手を追走し、3コーナーから仕掛けたときの反応は悪くなかったが、直線では伸びを欠く。「この結果では年齢的なものを認めざるを得ない。時計が速すぎたこともこの馬には厳しかった」
6着 マヨノエンゼル
マズマズのスタートを切り、3コーナーでは前を行くJRA6頭の後ろにつけ、一瞬いい感じであがっていく。地元の期待に応えて地方最先着を果たして面目を保ったが、5着ブルーコンコルドとは9馬身差。
自身の持ちタイムを大幅に更新し、1分38秒9をマークしたが、やはり今回は相手が強すぎた。