30日(日)メインは伝統の牝馬重賞「第35回ビューチフル・ドリーマーカップ」(水沢1900m)。
今年も他地区からの遠征馬がなく、3年連続で地元同士の戦いとなったが、3年前、一昨年の覇者サイレントエクセル、昨年の覇者ジュリア。そして5歳世代トップのマツリダワルツ、4歳トップ・ピンクゴールド、そして重賞「ひまわり賞」を圧勝し、3歳トップの座を射止めたアンダーゴールドとそれぞれ世代?1の牝馬がそろって出場。ほぼベストと言えるメンバーが顔をそろえた。
しかし、それらをはるかにしのぐ実力牝馬クインオブクインが満を持して登場する。
クインオブクインの履歴を改めて紹介するのも何だが、旧地・笠松時代に重賞8勝。また05年、クイーン賞(船橋 G?=当時)2着、08年、エンプレス杯(川崎 Jpn?)3着など華麗な戦績を残して今年6月に岩手転入。
久々のビッグトレードと騒がれたが、噂に違わぬ強さで初戦を6馬身差で圧勝。2戦目はJpn?・マーキュリーカップへ名乗りを上げて地方最先着となる5着入線を果たし、B・ドリーマーCトライアル・フェアリーカップも余裕の逃げ切りを決めて2着サイレントエクセルに4馬身差。
転入当初からB・ドリーマーカップを狙ってのトレードと公言していたが、無事に出走。しかも地元馬に1度も先着を許さず、この大一番を迎える運びとなった。
距離も問題なし。実力もお墨付き。そして逃げて良し、控えても良しの自在脚質とどれを取り上げても不安要素はほとんどなし。よほどのことがない限り、負ける要素は見当たらない不動の大本命となった。
相手も順当にサイレントエクセルが務める。担当厩務員が先週、ポツリともらした。「ピーク時の(サイレント)エクセルだったら、どうだったか分からないよ」と。
その言葉もうなずける。3歳時のサイレントエクセルはまさに飛ぶ鳥を落とす勢いがあった。3歳牝馬の重特3連勝を飾り、G?・ダービーグランプリへ果敢に挑戦。JRA強豪相手に3着に大健闘した。返す刀で古馬相手にB・ドリーマーCへ駒を進め、2着に10馬身差をつけて圧勝。しかも盛岡ダート1800mレコード(当時)も塗り替えてしまった。
しかし昨年から次第に衰えが見え始め、盛岡1800m戦の1勝のみ。北上川大賞典で2着に食い込んで気を吐いたが、以降はひと息のレース続き。なかなか結果を出せないでいたが、前走・フェアリーCでは少頭数5頭とは言え2着を死守。牝馬同士なら戦力になることを証明した。
今回の水沢1900m戦は4戦3勝と実績の高い条件。最強世代の面子に賭けても次位は譲れないだろう。
ピンクゴールドは追い込み一辺倒の脚質ゆえ、届かないレースの連続だったが、フェアリーCでは3着。懸念材料だった体重もひとまず安定し、ロングスパートが決まるか注目。
マツリダワルツもシーズン当初、後方のままを繰り返していたが、徐々に復調気配をうかがわせ、前走2着。逃げたいジュリア、アンダーゴールドをクインオブクインが早めに交わしたら台頭のシーンも十分。
アンダーゴールドは未知の魅力がある。今年の3歳馬は元気が良く、マヨノエンゼルが古馬陣を一蹴。そのほかの古馬編入馬も大活躍中でもしかすると思った以上のレベルかもしれない。
そのジュリアは昨年のウィナーだが、順調さを欠いて今季4戦のみの実戦。今回は久々を叩かれた上積みは見込めるだろうが、仮に万全でも同型のマークが明らかにきつい。道中で可愛がってくれないと残り目は薄い。
◎ ?クインオブクイン
○ ?サイレントエクセル
▲ ?ピンクゴールド
△ ?マツリダワルツ
△ ?アンダーゴールド
△ ?ジュリア
3連単は3を1着固定に9、4の折り返し本線。あとは5、6を3着押さえ
馬複は3−9、3−4、3−5、3−6
<お奨めの1頭>
4レース ナイスデイ
二代目ナイスデイ。初代も岩手デビューし、繁殖後はスーパークリークを送り込んだ。こちらは男の子だが、能検タイムから初戦もらった