14日の金曜日、盛岡競馬場で「第14回クラスターカップjpnIII」が行われました。優勝はJRA・バンブーエール。2着もJRA・トーセンブライト。直線追い上げたトーセンブライトがクビ差まで迫ったものの、バンブーエールもそれ以上の接近を許さずゴール。なかなか見応えあるレースでしたね。
レースの結果等はこちらとかこちらとかを見ていただくとして、ここでは他で書ききれなかった上位入着馬の騎手コメントをご紹介しておきます。
●1着・バンブーエール(松岡正海騎手)
行く馬がいなかったので逃げる形になりました。能力がある馬なので今日は59kgでも克服してくれると思っていた。ちょっと遊びながら走る馬なので最後は差は少なくなりましたが勝てると思っていました。この馬でJBCスプリントを連覇したいと期待しています。
●2着・トーセンブライト(安藤勝己騎手)
レースの流れが勝ち馬のペース。これでは辛いが、直線は良い感じで伸びていたと思う。1400mよりもこの距離の方が戦いやすいかもしれない。
●3着・メイショウバトラー(武豊騎手)
牡馬の一線級相手では楽な戦いにならないですね。でも良く走ってくれたと思います。年齢を考えたらなおさら。盛岡のコースも合うのではないでしょうか。
●4着・タマモホットプレイ(熊澤重文騎手)
差は少なかったし良く走っている。ここにきてダートも大丈夫という事は、この馬にとっては選択肢が拡がって良い事では。年の割に馬も若いですしね。
●5着・リワードパットン(赤岡修次騎手)
実戦では初めての騎乗、返し馬も手探りでしたが、いいレースができて良かったですよ。中央の馬に食い下がったのはこの馬だけでしょう。見せ場は作れました。
リワードパットンの頑張りは、大きく離されたとはいえ立派でしたね。園田から高知に転入して1戦もしないままの遠征という予想者泣かせの馬で、「JRA時代のダート1200mでの持ち時計が、地方馬の中では最上位クラス」というくらいしか手掛かりがなかったのですが、終わってみればそれが一番効いた感。
日曜のメインレースはオープンの芝マイル戦・桂樹杯。9月に行われる芝重賞「OROカップ」のトライアルなのですが、今シーズンの芝重賞はそのOROカップで最後で、芝戦線は早くもシーズンラストを見据えた戦いに入った事になります。
本命は素直にこの馬でいいでしょう。(7)ボスアミーゴです。前走のせきれい賞は「超」をつけたいくらいの不良馬場で全く自分の戦いができませんでした。「調子は最高、コース状態は最悪」と担当厩務員さんが嘆いていたのが思い出されます。
しかし今回は良い状態の芝でレースができそう。となるとこの馬が岩手の芝王者の貫禄を見せてくれるはず。
対抗は思い切って(10)ソノマンマを狙ってみます。前々走、芝が合いそうだから試してみよう、と使った芝戦で豪快な差しを見せて優勝。続いて挑んだ前走でもなみいる芝巧者を相手に圧勝、陣営が想像していた以上の芝適性を発揮して見せました。
確かにB1級の格下の馬、いきなり・・・というのは簡単ではないでしょうが、しかしこの勢いは非常に怖いものが、そして目を惹いてやまないものがあります。
もう一頭は(2)ビッグファルコン。JRA時代には芝の短距離を中心に走り、3歳時にはGIでの入着もあります。マイルは当然守備範囲、前走を見る限り力の衰えもなさそう。8歳馬ですが気になる新勢力。
気になるのが(8)トキノプリンセス。JRA時代は芝しか使っておらず、実際血統も芝向きのそれ。対牡馬でも遜色ない戦いをしているだけに、ここで新たな面を見せてくれるかも。
(9)ソーユアフロストは小回りのマイル戦が気になる材料。前走はゆったりした流れになる距離に加えもコース状態もあってうまく立ち回れましたが、良馬場のマイルでどうなるかはまだ少し未知数では。とはいえJRA時代の芝実績からすれば押さえておくべき馬ではあります。
ところで、ボスアミーゴはこれで3年連続で桂樹杯に出走するのですが、昨年のレースで一緒に走った11頭は今年1頭もここに出てきていません。そもそも11頭中7頭が今年もしくは昨年終盤に移籍してきた馬。こうしてみると芝戦線、割とメンバーが固定されているような印象がありますが、意外に入れ替わりが激しいんですね。
◆買い目
馬単(7)=(10)、(7)=(2)、(7)=(8)、(7)=(9)
8月14日 第14回クラスターカップ(Jpn? 盛岡ダート1200m)
1着 バンブーエール
地方勢はもちろんのこと、JRA勢でもバンブーエールを上回るスピードを持っている馬はおらず、大外から果敢に逃げの手に出る。前半3ハロンが34秒6、あがり3ハロン35秒4。テン良し、中良し、終い良し。このペースで逃げられてしまっては、他はつけ入る隙がまったくなかった。さすがG?ホース。59キロのトップハンデもまったく問題にしなかった。
「ペースが遅くなりそうだったので、この馬のスピードを生かすことに心がけた。1頭だととぼけるところがあるのでクビ差でも完勝。これで弾みがついたので秋はG?連覇を目指したい」松岡正海騎手。
ドバイ(ゴールデンシャヒーン)で4着に大健闘し、帰国後は2、3着とひと息のレース。これは遠征疲れが残っていたためで本調子を取り戻した今回、貫禄の逃げ切りを決めて快勝。元々、爪が弱い馬だそうで夏がベストの季節。今後は東京盃→JBCスプリント(名古屋)のローテーションを踏むことになりそうだ。
2着 トーセンブライト
前半は5番手外を追走し、4コーナー手前からスパート。行き脚がついてからの伸びがすばらしく、大外を通ってバンブーエールにクビ差まで肉薄したが、先行競馬の流れに持ち込まれては2着も仕方なしだった。
「1400m戦だと一瞬、ガーッと行きたがるところがあるので1200mの方が合う。今日は2着だったが、前半もっと速いペースだったら逆転したかも」と安藤勝己騎手。
今回が生涯初の1200m戦となったが、むしろ適性あると安藤勝己騎手はコメント。その意味で今後にもつながるレースとなった。
3着 メイショウバトラー
バンブーエール、2番手タマモホットプレイのイン3番手につけ、トーセンブライトといっしょに前へ進出。4コーナーを回ったときは同じポジションにいたが、その後は前2頭に水を開けられてしまった。
「盛岡コースが合うし、この馬なりに良く頑張っている。でも牡馬一線級に入ると厳しいかも」と武豊騎手。
4着 タマモホットプレイ
終始2番手を追走し、直線入り口で一瞬、バンブーエールに並びかけるシーンもあったが、それが精一杯。次第に離されていき、外から伸びたトーセンブライト、メイショウバトラーの後塵を拝す。
「タイム差もそれほどないし、頑張ったと思う。ダートでも走れるようになり、選択肢が増えたのが収穫」と熊沢騎手。