5月から梅雨に入るまでの岩手は、一年で一番良い季節かもしれません。晴れわたった空はすきっとしていて風爽やか。夏至近い日差しは強いですが、夏の暑さと違って日陰に入ればしばしば肌寒いほどです。桜は駆け足で通り過ぎましたが、そのあとも春を待っていた花が次々と開き、山の緑がぐんぐんと濃くなってきます。
岩手山も残雪の筋を数本まとい、里から登ってくる春を待っているよう。真冬の毅然と立った白い姿や、鷲が現れる時期も好きですが、雪解けのこの季節もなんともいえない良さがありますね。
そんな岩手に暮らすからには、アウトドアを楽しまなきゃ損! と思ってはいるのですが、この時期は大変ありがたいことに学校関係の仕事を多くいただき、また私用でもいろいろと時間をとられていて、なかなか好きなキャンプなどには行けていません。
ずっと我慢していたのですが、先日ついに無理矢理時間をつくってデイキャンプに行ってきました。デイキャンプ・・・というか、テントすら張らず河原で焚き火をして料理をこしらえ食ってきただけです。それでも大変気分の良い息抜きになりました。
こういうときの料理に、私はダッチオーブンを使います。ダッチオーブンをご存知でしょうか?これは分厚い鉄でできたごっつい鍋で、もともとはアメリカ開拓時代にカウボーイ達が持ち歩いた調理道具だそうです。こんな重たい鍋を人や食料品と一緒に積まれた馬はかわいそうなくらいですが、重たいのには訳があります。ひとつは均一な熱伝導で食材の奥まで火が通ること。もう一つがカポッとはまる構造になったフタの部分が水蒸気でシールされ、圧力鍋のような効果を得られる(ウォーターシール効果)ということです。これによって焼く・煮る・蒸すなどの調理が非常に上手くでき、ハズレた試しがありません。たとえばカボチャの芯をくり抜いて豆乳とチーズを詰め、まるごと蒸かしたものなどはものすごく旨かったです。
他にもパンやケーキを焼いたり、薫製をつくったりとやってみたい調理法がまだまだたくさん。最近はキャンパーの“神器”と言って良いほど人気のアイテムなので、レシピ本もたくさん出版されていますね。コーティングなど何もない鉄鍋ゆえ使用後のお手入れがおっくうなのですが、また引っ張り出してアウトドアを楽しみたいと思います。
そういえば、オーロパークのような自然豊かな立地にある競馬場ならば、キャンプスペースを設けてバーベキューでも楽しみながらビール片手に観戦なんてできないでしょうかねぇ?泊まりは無理でもデイキャンプなら楽しそうです。煙が走路のほうに流れたらマズイでしょうかね?でもパドックには時々、焼鳥屋の煙が充満していますから・・・・。
(文/写真・佐藤到)