7月1日メインは盛岡ダート1200mを舞台に行われる地方競馬全国交流「第39回岩鷲賞」、13頭立て。
このレースの1着馬には8月15日、Jpn?・クラスターカップの優先出走権が与えられるが、今年の舞台は水沢1400m。コース形態を考えると盛岡ダート1200mから水沢に替わるのは疑問が残るところ。日程の都合、全国との調整があるにせよクラスターカップは盛岡競馬場に固定してほしかった。仮にコース変更するならマーキュリーカップの方だったと思う。
本命はヤマニンエグザルト。前哨戦・早池峰賞では5番手を追走し、直線でいい脚で伸びてきたが、その4馬身前をテンショウボスが走っていたため2着敗退。しかしテンショウボスがマークした1200m1分12秒1は当時の馬場を考えれば出色のタイムで、これは勝った馬を素直に讃えるべき。事実、テンショウボスは次の一戦に伝統のみちのく大賞典を選び、そこでも優勝。現時点で岩手古馬のトップに君臨している。
(ヤマニンエグザルト 写真・佐藤到)
今回、目の上のたんこぶ的存在テンショウボスが不在なら、メンバー有利は明白。元々、スプリント適性には定評があり、どんな流れにも対応できるのも強味となるはず。
ただ、一つ気がかりなことがある。ヤマニンエグザルトは時に凡走するケースがままあるからだ。例えば今年の成績を見ると3月、特別開催で1着、栗駒賞9着、シアンモア記念3着、あすなろ賞9着、そして前走・早池峰賞2着と一戦置きに好、凡走を繰り返している点だ。
とは言っても順調度、臨戦過程、距離適性など、ここではヤマニンエグザルトが一歩リードした存在であることは間違いがない。
タイキシェンロンは過去、岩手の重賞7勝マーク。とりわけ1400〜1600mで抜群の安定感を誇っている。ただ昨年7月の栗駒賞4着後、9ヵ月半の休養を余儀なくされ、今年4月に復帰を果たしたが、2戦8、7着と精彩を欠いていた。
しかし前回・早池峰賞は自身の守備範囲、盛岡ダート1200mが舞台で3番手の積極策。直線は一杯となったが、2着争いに参加してヤマニンエグザルトから0・2秒差5着に粘った。これが衰えたとは言え、3年前のG?・クラスターカップで0・3秒差5着に食い込んだ底力と見ていいだろう。
カシマハヤトは今年10歳。慢性的な脚部不安に悩まされながら、大事に使われて通算12勝、オープン特別でも3勝をマークしている。ここ数年は往時の迫力が薄れ、一昨年の姫神賞(水沢1400m)以降、ずっと白星から遠ざかっていたが、前回・早池峰賞は絶対スピードがモノを言う短距離戦で久々に好レースを披露した。
道中、後方待機策から直線勝負に賭けたのが功を奏し、馬群を割ってグイグイ抜け出して3着。当日、カシマハヤトは7番人気と低評価だったため本命サイドで決まりながら3連複4000円、3連単12340円の好配当を演出した。
ウツミジョーダンの評価が難しい。過去実績はタイキシェンロンを上回り、ここでは断然で格上の存在で昨年も重賞・青藍賞を制している。続くG?・南部杯6着後に戦線を離脱し、5月、シアンモア記念で復帰。しかし本来のシャープさには程遠く10着に敗れ、以降も7、8着と振るわない。
そこで短距離戦に活路を求めてきたが、盛岡ダート1200m戦は3歳重賞・トパーズカップ1着以来、実に4年ぶり。データ的には同条件で4戦2勝2着2回と連対パーフェクトの実績だが、如何せん3歳時前のこと。持ちタイム1分13秒0もここに入ると平凡に映ってしまう。それでも切れる末脚を身上とするのがウツミジョーダンで、ここでアッサリあっても不思議はない。
遠征組ではケイアイダンシングが怖い。これまで盛岡へ2度参戦し、ウイナーカップ(芝1600m)は13着に沈んだが、昨年のG?・南部杯では7着に入っている。
過去実績はマイル前後の勝ち星が目立つが、本質的にはスプリンターではないかと踏んでいる。昨年、園田重賞・フレンドリーカップを制し、2連覇を狙った前走は出遅れを喫しながらも3着なら上々。やはりスプリント戦で能力全開のタイプと見ていいだろう。
他ではナイキアヘッドも軽視できない。中央6勝はいずれも芝短距離戦。ダート短距離でも未勝利ながら2着4回とスプリント適性は非常に高く、あじさい賞2着で上昇ムードも見逃せないだろう。
◎ ?ヤマニンエグザルト
○ ?タイキシェンロン
▲ ?カシマハヤト
△ ?ウツミジョーダン
△ ?ケイアイダンシング
△ ?ナイキアヘッド
3連単は3を1着固定に5、4を厚め。13、10、6にも手広く流したい
馬複は3−5、3−4、3−13、3−10、3−6
<お奨めの1頭>
9レース マイネルヘルシャー
前回は取り消し除外だったが、無理をしなかったのが今後にはプラス。ここは自身の連勝を伸ばすのみ