6月17日(日) 第35回一條記念 みちのく大賞典(盛岡ダート2000m 3歳以上オープン 地方競馬全国交流)
(写真・佐藤到)
1着 テンショウボス
逃げ馬が不在のためコアレスハンターが逃げ、前半3ハロンが36秒9。これは思った以上に速かったが、テンショウボスは不利のない絶好の4番手外をキープする。先陣の隊列は変わらず淀みないペースで進み、3コーナーから各馬がスパート。エアウィード、サイレントエクセルの手は動いていたが、テンショウボスは馬なりでコアレスハンターに並びかけ、ラスト100mで交わしてそのまま押し切る。
「スタートが抜群でしたし、サイレントエクセルが目の前にいたのでレース運びが楽でしたね。枠順が大外だったのも幸いしました。1200m(早池峰賞)で強い勝ち方をした直後だったので、2000mの距離が心配でした。実際、最後は一杯になってしまいましたが、何とか頑張ってくれました」と小林騎手。
レース展望にも書いたが、不安だったのは小林騎手のコメントどおり1200mからいきなりの2000m。 これは今回、勝ったあとでも本質的にはマイラー、もしくはスプリンターだと思っているが、テンショウボスの最大のいい点は折り合い面でまったく苦労しないこと。その素直な性格であるがゆえ、2000mの距離をこなしたと見ている。
今後については白紙。短距離路線を歩むか、中〜長距離路線を使っていくのかはジックリ考えたいと佐々木修一調教師。
2着 エアウィード
前回・あすなろ賞は5ヵ月半ぶりの実戦だったためさすがに動きが重く8着に敗れた。今回はひと叩きされた上積みはあっただろうが、馬体の張りは決して良いとは思えなかった。しかし阿部騎手が2番手につけたのが最大の好走要因。道中、ずっとコアレスハンターの直後につけ、直線でも渋太く粘って2着を確保した。
3着 サイレントエクセル
3番手外につけ、いつでも交わせる態勢かと思ったが、3コーナー過ぎから手応えが怪しくなり、板垣騎手がなんとか遅れを取らないように必死にしごく。外からゴール前でコアレスハンターを捕らえたものの、エアウィードを交わすまでの勢いはなかった。
装鞍所でカリカリしたところを見せ、テンションが明らかに高すぎたし、パドックでも発汗が激しかった。言い訳に聞こえるかもしれないが、通常のサイレントエクセルなら4コーナーまで持ったまま。3コーナーで手を動くのは距離云々より、自身の体調が本物でなかったことを裏付けているのではないか。
4着 コアレスハンター
逃げ馬が不在だっただけではなく、入厩後から入れ込みが激しく大幅に体重が減り、なんとマイナス24キロ。これがあるから競馬は難しい。それでも好枠に入ったこともあって逃げの手に出て道中も絶妙のペースで逃げ、直線でも驚異の粘りを見せたが、ラスト100mで一杯。
馬体重が通常どおりだったら、おそらく勝っていたかもと思わせるほどの渋太さ。改めて怖ろしいまでの底力を垣間見た一戦だった。