17日(日)メインは岩手伝統の一戦「第35回一條記念 みちのく大賞典」。このレースは古馬最高峰の一戦として位置づけられ、毎年覇者は盛岡と水沢を往復する馬運車に名前が刻まれることになる(残念ながら岩手所属馬のみだが)。
冠についている一條記念は、岩手はもちろんのこと日本の馬産、競馬発展に多大な貢献をした一條牧夫、友吉親子を讃えて命名されたもの。当日は一條家現当主の一條八平太氏がプレゼンターを務める。
このみちのく大賞典はまさに岩手競馬の歴史とともに歩んできた。第1回ヤマトハナから始まり、スリーパレード、テルノエイト、ハシクランツ、トウケイフリート、スイフトセイダイ、グレートホープ、モリユウプリンス、トウケイニセイ。そしてメイセイオペラはただ1頭、同レース3連覇の快挙を果たしている。
また2001年度から東日本地区(現在は全国の地方競馬)にも門戸を開放。03年には船橋のマキバスナイパーが、昨年は大井・コアレスハンターがみちのく大賞典馬となっている。
(コアレスハンター 写真・佐藤到)
これからが本題。そのコアレスハンターが遠征馬では初の2連覇(過去、岩手ではメイセイオペラを含め6頭が達成)を目指し、勇躍登場する。昨シーズンは2勝だったが、いずれも盛岡競馬場で行われた前記・みちのく大賞典と北上川大賞典(盛岡ダート2500m)。このコースとの相性抜群だし、今年2月の大井・金盃でも0・1秒差2着に入り、古豪健在ぶりを誇示した。
ただ、気になるのが前走・大井記念のブービー15着。一貫して無理のないローテーションを組んできているが、10歳の年齢を考えるとやはり本命にしづらく対抗格に落ち着く。
中心にサイレントエクセルを指名する。12月31日、桐花賞後、南関東・川崎で調整を進めたが、順調に使い込めずエンプレス杯は取り消し、続くマリーンカップでも本来の状態とは程遠く11着に惨敗。結局、南関東遠征は不本意な結果に終わってしまった。
帰郷初戦は5月6日、シアンモア記念。ひとまず馬体重は449キロまで回復したが、いつもの行きっぷりが影を潜めて5着。しかし直線にサイレントエクセルらしい伸びを一瞬だけだが見せ、次走に期待をつなげた。
(サイレントエクセル 写真・佐藤到)
それは続くあすなろ賞で爆発した。道中はインで我慢し、直線でゴーサインを出すとスッと反応。先に抜け出したテンショウボスを内から鋭く交わして快勝し、鮮やかな復活宣言。しかもマークした水沢1900m2分1秒1は、伝説の名馬ウエスタンダッシュのレコードとタイ。これもサイレントエクセルの能力の高さを裏付けるものだった。
サイレントエクセルは本質的に中距離タイプだと思うが、昨年のダービーグランプリで地方最先着の3着に入ったように2000mも守備範囲。また盛岡ダート1800mのレコードホルダーでもあり、距離の不安は考えなくてもいいだろう。
相手筆頭はコアレスハンターだが、テンショウボスも叩かれるごとに上昇一途。川崎記念11着後、帰郷戦となった栗駒賞では何とマイナス22キロの506キロまで大幅減少。いかに笹針明けとは言え、見た目だけでこれは厳しいだろうと判断せざるを得なかった。
案の定、結果も5着に終わったが、これを叩かれて馬体の張り、動きも一変。平場A1級戦を順当に勝ち、あすなろ賞はサイレントエクセルのイン強襲に遭って2着。そして前走・早池峰賞は久々の短距離戦だったが、反応がすばらしく2番手抜け出し。盛岡ダート1200m1分12秒1の抜群のタイムを叩き出した。
今回、唯一の懸念材料は1200m→2000mと条件が大幅に変わり、ペースに戸惑わないかだが、元々が盛岡は自信のコース。前記2頭まとめてバッサリのシーンまで十分にあるだろう。
以下は前半のペースがカギだが、ミドル以上ならゲイリーエクシードの台頭、ここに照準を絞ったタイキコジャック、あとは前回A1戦快勝ブラーボウッズを押さえたい。
◎ ?サイレントエクセル
○ ?コアレスハンター
▲ ?テンショウボス
△ ?ゲイリーエクシード
△ ?タイキコジャック
△ ?ブラーボウッズ
3連単は9、1、12のボックス。あとは3着押さえで7、6、4
馬複は1−9、9−12、1−12、7−9、6−9
<お奨めの1頭>
11レース エフェクト
今シーズンは好調ぶりが目を引き、前回も得意の盛岡で2着。メンバーが手頃になり、ここは勝機ガッチリ