7月12日、大井競馬場で行われたG?・第8回ジャパンダートダービーの取材に行ってきた。このレースには『ダービーWeek』の最終戦となった「岩手ダービー ダイヤモンドカップ」(6月11日、水沢1600m)優勝で得た優先出走権を行使して、オウシュウクラウン(盛岡・桜田浩三厩舎)も岩手から参戦した。
ローテーションのきつさ、長距離輸送、相手が大幅強化などの不安要素が多かったオウシュウクラウンだったが、それらのハンデを克服。地方最先着となる3着に健闘した。
レースはサンキューウィンが逃げ、2番手にバンブーエール、その直後に2番人気フレンドシップ。それら5頭が先陣グループを形成し、そこから馬群が切れてオウシュウクラウンがうまくインに入れる。
そのオウシュウクラウンは前をじっくり見ながら3コーナーから徐々にスパート。一瞬だけ失速した馬が壁になるシーンもあったが、小林騎手がうまく外に持ち出す。直線を向いて先に内田博幸騎手騎乗のフレンドシップが抜け出し、オウシュウクラウンがじわじわと接近を試みたが、1馬身半差、3/4馬身差3着と7番人気の低評価を見事に覆した。
「14番枠だったのでどうかなと思ったけど、馬群がバラけたのでうまく内にもぐり込ませることができた。初コースで物見したのも良かったのか、道中も折り合いもつきましたし、4コーナーでも外に出せたんですが、最後は力の差でしょうね。でもこのメンバーで3着なら健闘したと言っていいと思います」と小林俊彦騎手。
今後は地元G?・ダービーグランプリ(9月18日 盛岡ダート2000m)を最大目標に置くと桜田浩三調教師。岩手勢がG?での善戦は久々のことだけに、期待は膨らむばかりだ。まずはオウシュウクラウンに、お疲れ様でしたと労をねぎらいたい。
さて本題。15日メインはオープン特別・桂樹杯トライアル「第6回ふみづき賞」。この一戦はA2級馬による芝1600m戦、芝適性組と好調馬組の激突がテーマとなり、それぞれが一長一短。ちょっと難解な一戦となった。
しかし有力馬は絞ることができる。芝適性組みではダイヤモンドヒカリとタイキインフェルノの2頭。一方、好調組では今季7戦3勝2着3回と抜群の連対率を誇っているブルーオスカー。その中間点に今季1勝3着2回のセイビンググレースがいる感じだ。
軸は芝適性を重視してダイヤモンドヒカリで勝負してみよう。過去、盛岡芝は<8.1.3.8>で通算8勝はおそらく盛岡芝の最多勝。それほど相性がいいのだが、今季はA2芝特別・FM岩手杯で0・5秒差6着。絶好の2番手を追走したのだが、直線で伸びを欠いてやや不満の残るレース内容だった。続く6月3日、オープン・かきつばた賞もヤマヨダイナミックの0・8秒差5着。名うての盛岡芝の鬼にも陰りが見え始めてきた。しかし、その後は水沢戦を自重し、このふみづき賞1本に絞って調整。復活に意欲満々、満を持しての出走となった。それに賭けてみたい。
相手にはセイビンググレースを指名。芝は中央時代、小倉未勝利戦で1勝(芝1200m)。そして岩手転入後も3走前・FM岩手杯0・1秒差3着、前々走・フレンドリーカップ・カシオペア賞で0・4秒差5着と絶対とは言わないが、芝でもソコソコの結果を出している。岩手の2勝はいずれもダート戦(水沢)で、前回9着も若干気になるが、その時は流れが合わなかったと解釈。状態は決して悪くはなかった。今後の路線を考える意味でもこのレースが正念場といっていいだろう。
一方、好調組ではブルーオスカーが抜けている。先にも記したが、今シーズン<3.3.0.1>と絶好調。これまで盛岡戦は苦手と見られていたが、今季は3戦1勝2着2回と目下の充実ぶりを如実に示す結果を出している。ただ懸念材料は芝。2歳新馬戦で3着にまとめたものの、以降の芝は02年、3歳重賞ウイナーC9着、03年、B2三陸リアス特別12着、04年、B1八幡平特別12着とまったく精彩を欠いている。とはいっても好調時にはアッサリ克服できることは良くあること。芝1600mで絶好の1枠を引き当てたのも後押しするかもしれない。
以下は年齢的な衰えは隠せないが、3年前には重賞せきれい賞、OROカップで2着にも入ったことがある格上馬タイキインフェルノ、今回、A1からA2へ降格したユーワプロトスあたりが連下となるだろう。
3連単は1着固定で5。2、3着折り返しで2、1。3着に9、1まで
馬複は2−5、1−5、5−9、3−5
<お奨めの1頭>
9レース ナムラジーガー
中央5勝は1000〜1400mと短距離ダートのスペシャリストだったが、このタイプは地方なら1800mも楽々こなす。初戦6着の分もまとめて