松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。 12月21日に行われた2歳馬の重賞『金杯』は1番人気ディオニスが直線7馬身差を付けて快勝。今季最後の2歳タイトルを獲得して重賞ウイナーの仲間入りを果たしました。
同じ内枠のイタズラベガやセロームが前に出る序盤の展開の中でディオニスは先行勢の内の4~5番手あたり。これは「2番手くらいにも行けそうでしたが、そうすると馬と喧嘩しちゃいそうだったのでポケットに収める形(山本聡哉騎手)」と想定の範囲内の位置取り。道中も先行勢の競り合いを前に見ながら楽に追走、直線もしっかり反応して4角先頭から突き放す強差を見せつけながらゴール。自身はデビューから5戦目での初重賞タイトルに、鞍上の山本聡哉騎手は意外にも金杯初勝利となりました。
今シーズンの岩手競馬も残すところ今日を含めて4日となりました。12月23日のメインレースは12Rの『スイートアリッサム賞』、B1級・B2級混合短距離のダート1400m戦です。
さてこの冬は、「10年に一度クラスの高温」とかも繰り返し出るほどの変な冬で、寒くはないとは言いませんが例年に比べればかなり"暖かい冬"が続いていますね。大晦日あたりももしかしたら最低気温が氷点下まで下がらないんじゃないか?な予報になっていて、天候が競馬に影響がなさそうなのは良いのですがなんか逆に体調がおかしくなるような・・・。とはいうものの寒いのは間違いないですしインフルエンザ等も流行っていますので、体調に気をつけてシーズンを乗り切りたいものです。
さて予想に行きましょう。本命は(8)ショウナンナスカです。
JRA3歳未勝利から転入後は6連勝中。3歳戦終了後の転入だったので最初から古馬との戦いでしたがそれも全く意に介さずの強さでC2最下級の組からB2まで駆け上がってきました。C1、B2ときて当初ほどの大きな着差での勝ち方はしなくなったものの走りにはまだ余裕十分というか余裕綽々。直近の時計も優位だけに中心はこの馬で不動でしょう。
しかし(3)ゴレイジョウにもここでどれだけやれるか楽しみにしたいところです。こちらは5歳馬、JRA1勝クラスからの転入で6戦5勝。この馬も強い走りをしていますし、厩舎サイドからもいずれA級でも戦えると期待をかけられている存在。二走前に◎に敗れていますがその時は850m→1400mの距離延長の影響もあったでしょう。前走は◎と同日同距離で勝ちタイムは0.1秒差。改めての挑戦状。
この二頭に割って入るとすれば(7)ビップアクアでしょう。JRA→南関→佐賀→名古屋と点々としつつ岩手に来て、転入初戦こそ4着に終わりましたがその後の6戦は5勝2着1回と安定していますし、◎○との対戦こそ初めてですが、前走でサンマルクレイジー、前々走でエテオクロスとクラスの強豪を破っていて地力は確か。上位争いには間違いなく加わってくると見ます。
ここまでの3頭が頭ひとつリードしているという評価で以下はもつれた際の連下の計算。前の方でやりあって展開荒れた時の(11)サクラトップラン、逆に人気上位が牽制し合った利したらの時の前残り(10)フリューゲルノア。ただしあくまでももつれた際。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(8)=(3)、(8)=(7)、(3)=(7)
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岩手競馬のレギュラー開催も今週、次週29日から31日までを残すのみ。レースにも注目してほしいが、現在、リーディングジョッキーの独走中の山本聡哉騎手は先週12月16日時点で209勝。2023年度、自身が保持する216勝を塗り替える可能性が十分ある。
一方、トレーナー部門のリーディング争いはし烈を極めている。16日終了時で1位・千葉幸喜調教師86勝、2位・伊藤和忍調教師84勝、3位・菅原勲調教師81勝。1位と2位はわずか2勝差。仮に千葉幸喜調教師、伊藤和忍調教師が首位なら初のリーディング。レギュラー最終日31日まで目が離せなくなった。
22日メインは「夢・希望 未来へ前進」(B1級一組 水沢1600m)。本命はサンマルクレイジー=千葉幸喜きゅう舎、対抗はサトノバトラー=伊藤和忍きゅう舎。まさにリーディング首位も賭けた一戦となった。
サンマルクレイジーは中山ダート1200m1勝、障害3戦を経て転入。初戦は長期休養の影響が大きく6着に終わったが、ひと叩きされて反応が一変。ワンサイドで3連勝を飾った。前々走・ノベンバーカップは2着だったが、1着ビップアクアの負担重量が54キロの対し、58キロの酷量を背負ったもので仕方なし。前走はB1昇級戦だったが、56キロに戻って首位を奪回した。今度はマイルが舞台だが、一連のパフォーマンスを信じる手。2連勝へまい進する。
サトノバトラーは東京ダート2100m1勝から転入。当初は入着一杯が続いたため2ヵ月半休養。それが功を奏して戦列復帰3戦目を快勝。以降も安定した取り口を披露し、水沢に替わってタイム差なし2着から前回快勝。これで軌道に乗ったのは間違いない。特に水沢1600m戦は2勝2着2回と最も得意とする条件。距離実績を前面に逆転首位まで十分。
ドテライヤツは門別・瑞穂賞を制した重賞ウイナー。A級では苦戦を強いられたが、B級降格後は2勝2着3回。盛岡でも好走実績があるが、成績が示すとおり主戦場は右回り水沢。前走は4着だったが、積極策に出て見せ場十分。上位2頭はけん制し合えば割って入るシーンまで。
サンエントジアスタは相手なりに駆ける堅実さが身上。今季も2勝2着3回3着3回。前走も2着を確保した。いわゆるジリ脚タイプで突き抜けるかまではどうかだが、2着候補では外せない。
ラヴェイは今季初戦の3歳重賞・スプリングカップで2着を確保したが、以降は伸びを欠くレースの連続。不本意なシーズンになったが、前走5着に復調の兆し。昨年、2歳重賞・金杯を制したように冬場が合う印象。軽視できなくなった。
ビクトリーサイトはひいらぎ賞を快勝後7、5着に凡走したが、前走は控える競馬に徹して3着入線。前がもつれた際に浮上があるかも。
◎⑨サンマルクレイジー
○⑩サトノバトラー
▲⑪ドテライヤツ
△⑧サンエントジアスタ
△③ラヴェイ
△④ビクトリーサイト
<お奨めの1頭>
2R スリアント
中央から転入戦は2着に終わったが、850m戦に替わって目下2連勝中。前走もハイタイムで逃げ切った。メンバー強化感もなく、もう一丁いける

21日メインは2歳重賞「第50回金杯」(水沢1600m)。当初、登録があったセイクリスティーナは12月31日(水)、大井競馬場で行われる地方競馬全国交流・東京2歳優駿牝馬に挑戦。またジェイエルビットは前走12月8日の2歳戦1着でシーズン終了。両馬ともに佐々木由則きゅう舎の所属。今回は同厩ディオニスに勝利を託す。
ディオニスは5月、盛岡ダート1000mで行われた2歳新馬戦を10馬身差で圧勝。圧倒的1番人気に応えて好発進を決めた。その後は3ヵ月休養して戦列復帰。2戦目も4馬身差で完勝し、重賞路線へ名乗り。ネクストスター盛岡はラウダーティオの2着、南部駒賞では門別勢には敵わなかったが、岩手最先着4着に入った。
以降は金杯へ照準を合わせて調整。キャリア4戦のみだが、スケール一目。意外にも水沢未経験だが、元々が水沢所属でホームコース。このメンバーでは実績が抜けており、中心に疑いなし。重賞初制覇に王手をかけた。
相手筆頭はモカットモネ。門別1000m戦のみを使われて1勝2着2回3着2回から転入。初戦の1600m戦は初距離だったが、後方待機策からロングスパートを決めて快勝。地区レベル差を見せつけた。メンバー最速の上がりをマークしたのは9戦中6回。ディオニスが水沢初めてに対し、前走で経験済みで勝利を収めているのが強味。まくり再現のシーンまで。
ラブコラージェンは今シーズンの2歳新馬勝ち第1号。以降4戦は着外に終わって前途多難を思わせたが、水沢1400mで首位を奪回した。以降は差し競馬も身につけて安定した取り口を披露。前々走・寒菊賞は8着に終わったが、内に包まれたのが敗因。前走逃げ粘って2着で軌道修正できた。課題はマイル対応だが、外枠を引き当てたのも好材料。うまく折り合いをつける。
イタズラベガは先行粘りが身上。寒菊賞はセイクリスティーナに完敗だったが、マイペースの逃げに持ち込んで2着を確保した。前走5着の評価が難しいが、4コーナーまで我慢できれば直線で粘りを発揮できる。
キララカは堅実な差し脚を武器に2勝2着3回3着1回。重賞では苦戦を強いられているが、前走・寒菊賞は内枠に入った上、出遅れが影響。それでも4着まで盛り返した。マーク欠かせない。
セロームは4走前のネクストスター盛岡10着、前走7着以外はすべて馬券対象。寒菊賞でも3着に健闘した。前がもつれた際に浮上の可能性がある。
◎②ディオニス
〇⑨モカットモネ
▲⑩ラブコラージェン
△④イタズラベガ
△⑦キララカ
△①セローム
<お奨めの1頭>
1R シキ
前走は3ヵ月ぶりの実戦で大幅な体重増だったが、逃げ粘って2着。条件2度目、ひと叩きされて良化も見込め、初勝利のチャンス到来

12月31日(水)、1年を締めくくる岩手競馬版グランプリ「第49回桐花賞」(水沢2000m)の出走予定馬が発表された。
第1位 ヒロシクン 2,296票
第2位 リケアカプチーノ 1,268票
第4位 サクラトップキッド 1,021票
第5位 レライタム 951票
第7位 ライアン 602票
第8位 スズカゴウケツ 454票
第9位 ラストマン 411票
第10位 レールガン 403票
第11位 アレクサ
第12位 フタイテンホイール
報道推薦 フレイムウィングス
報道推薦 カナオールウェイズ
補欠 ダブルラッキー
クリコマ
ユウユウコラソン
フルゲートは12頭。何度か報告したが、今年の桐花賞は年度代表馬に直結する一戦。現時点ではヒロシクン、リケアカプチーノがリード。ファン投票の最終結果どおり古馬、3歳部門などで主役を演じた。
ヒロシクン陣営の誤算はトウケイニセイ記念の取り止め。同レースを叩いて桐花賞を迎える予定だったが、すずらん賞2着から直行する。550キロの大型馬だけに寒い時期の調整には苦労するのは確実。当日の馬体重、仕上がり具合がカギを握る。
一方、リケアカプチーノは当初の予定どおり北上川大賞典から桐花賞へ向かう。過去実績からも水沢2000mがベスト条件だが、北上川大賞典でサクラトップキッドに4馬身差2着に完敗した。仮にサクラトップキッドが桐花賞も優勝すれば年度代表馬争いも混とん状態。
また年度代表馬の有力馬ではないが、昨年の覇者ライアンは重、不良馬場の鬼。さらに報道推薦で選ばれたカナオールウェイズはB1条件だったが、水沢1600m戦で最後方待機策から豪快なまくりを決めて完勝。中央2勝は芝2600mだったが、転入後はダート戦での強さが際立っている。大みそか決戦の日を楽しみにしてほしい。
今週の岩手競馬
12月21日(日) メイン12R「第50回金杯」(2歳 水沢1600m)
12月22日(月) メイン12R「夢・希望 未来へ前進」(B1級一組 水沢1600m)
12月23日(火) メイン12R「スイートアリッサム賞」(B1・B2級混合 水沢1400m)
12月31日に行われる暮れのグランプリ『桐花賞』、出走馬ファン投票の中間結果が10日に発表されました。

中間の票数は上の画像のようになっております。1位はヒロシクン、3位はリケアカプチーノ、4位にサクラトップキッド、5位にはヘリオスと古馬重賞戦線でしのぎを削りあってきた馬たちが順当に上位を占めている形。その間に割って入っているのが2位のレライタムで、ファンが多い馬だけに重賞勝ち馬をも超える票が入っていますね。
この中間上位の中ではヘリオス・ミニアチュールが出走しない見込みとなっていますが、その他の上位馬は概ね出走の意思を見せています。トウケイニセイ記念が取り止めとなってしまったことで、そこを経て桐花賞に向かう予定だったヒロシクンやスズカゴウケツにマイナスの影響がなければいいのですが・・・。最終結果は17日発表予定です。
12月16日のメインレースは12Rです。OP級ダート850mの『スプリント特別』。出走頭数は5頭となりました。本命は(2)ウイスキータイムです。
岩手転入初戦だった前走は1400m戦を選択、ハナを獲るスピードを見せたものの直線失速の形で9着敗戦でした。自身としては久しぶりの大敗にもなりましたが、過去の戦績を振り返ると良績は概ね1200mまで、1400mではJRA時代に東京でタイム差なし2着が一度あったもののそれ以外の1400m以上の距離では秒単位で敗れており、それを思えば前走の敗因は距離に求めるのが妥当であり自然と思われます。
1200m以下ではどうか?というと門別でのデビュー戦が1100mで8馬身差圧勝、JRA福島の1150mでは11着ながらタイム差は0.7秒と接戦と言える範囲の走り。そして姫路800mでは2戦して3着・7着、勝ち星はないですがタイム差はそれぞれ0.2秒、0.6秒と安定と言える結果を残していたのはヒントになりそう。
水沢850m自体は初、1000m以下も必ずしも経験が多いわけではないだけに課題にもなるでしょうが、戦績から見れば短距離でこその馬と考えて良さそう。ここは距離短縮での変化具合を大きめに見積もって本命に推してみます。
対抗は(5)スターシューター。今季開幕直後の白嶺賞を勝っている馬ですが、気性の難しさもあってその後は馬券圏内からも離れている状況。しかし本来は850mくらいのスプリント戦が良い馬ですし、ここ二戦は勝ち馬との差をぐっと詰めて存在感も戻ってきています。昨冬の戦績からも冬の水沢との相性も悪くなさそう。一変あっておかしくないと考えておくべきでしょう。
(4)リトルシスターもここまでの戦績からこの時期の水沢との相性は悪くなさそうですし、850mも対応できる範囲。基本的には真夏が良い馬ではありますが軽視は避けたい存在。
5頭立てなので印はもう一頭として、(3)アップテンペストを。古馬になってからの勝ち星は全て1000m以下でのもの。前走や前々走、1200m・1400mでの敗戦は度外視でいいでしょう。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(2)=(5)、(2)=(4)、(2)→(3)
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