松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。 11月16日に行われた古馬オープン級のスプリント重賞『絆カップ』。今季の盛岡競馬場での最後の重賞ともなったこのレースはウラヤが1番人気に応えて優勝。今季3勝目が重賞制覇、このレースは昨年に続いての連覇を達成しました。
今季ここまでのスプリント重賞勝ち馬がほぼ揃った絆カップ。戦前の予想通りにオスカーブレインがハナを穫りエイシントルペードが2番手に付ける形で1分11秒あまりの戦いが幕を開けました。
ウラヤはスタートでちょっと出遅れ気味だったもののすぐに巻き返して中団まで進出、スプラウティングやレディブラウンらが集まっていたあたりで流れに乗ります。直線に向いてエンジンがかかったスプラウティングが先行2頭を交わしたところ、その瞬間を狙い澄ましたように加速したウラヤがさらに外から伸びてゴール。着差は半馬身でしたが内容は完勝、ウラヤの短距離巧者ぶりが際立って見えた走りでした。
11月18日のメインレースは12Rです。A級三組・ダート1600mの『2025盛岡ファイナル特別』。5月の開幕から約半年間、のべ11開催にわたって行われてきた今季の盛岡競馬もいよいよこの18日が、この12Rがラストになります。マーキュリーCが行われて慌ただしいグレードレースシーズンが始まった・・・とか思ったのがつい先日のような気がしますが、あっという間に盛岡開催も終幕を迎えました。次週からは冬の水沢競馬がスタートしますが今季の岩手競馬もあと1ヶ月ほど。何もかもがあっという間ということですね・・・。
さて盛岡ラストレース、本命は(6)シンヨモギネスを採りました。
夏に岩手に移籍してきてからここまで6戦して2着3回3着1回、というかそもそもが現時点で最後の勝ち星はJRA時代の21年8月にまで遡り、その後は2着が11回という、こう言ってはなんですが"勝ち味に遅い"馬。しかし例えば8月の東京カップけやき賞でもJRA勢相手に2着に食い込んでいるように堅実であり、もっとやれそうな力がありそうな馬なのも確かでしょう。そういう馬だという事は百も承知の上で本命視。ここで久々勝利を期待してみます。
対抗は(4)ユイノコミチ。後方ママの形で11着の大敗を喫した前走でしたがそれ以前の走りを思えばそれが走らなさすぎだったはず。過去にも好走→大敗→好走のパターンになることがあり、時々そういうことがある馬・・・という事なのでは。そんな過去パターンでは凡走が二度続いているのが気がかりではありますが休養を挟んでの結果でもありますし、ここは気にしないことにして巻き返しに期待しましょう。
(8)レールガンを▲評価。3月に連勝したあとは勝ち星がないものの、重賞6着の前走を除けば掲示板確保を続けてきており堅実そのもの。ここでも上位争いの一角になるはず。
以下はまず(7)サンエイブレーヴ。大敗した前走のように大きく崩れることもありますが自分の形で戦えればしぶとさを発揮する点を狙って。ハナ獲れれば話が変わってくる(2)マイネルアストリアも同様。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(6)=(4)、(6)=(8)、(6)→(7)、(6)→(2)
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5月3日(土)からスタートした今シーズンの盛岡競馬も11月18日(火)をもって全日程が終了。翌週24日(月)から冬の水沢競馬へ突入する。昨年は走路悪化のため、早々と芝レースの取り止めが決定。今季の芝を実施するか危ぶまれたが、予定の芝重賞、準重賞は無事に行われた。
11月1日(土)の、第6R「OROターフ特別」が今季フィナーレの予定だったが、走路悪化のため芝1700mからダート1600m変更したが、納得の決断。前日から激しく雨が降り続き、ダートは1日中が不良馬場発表。当然だが、芝もかなりの水を含んでいた。安全確保、公正確保のためにはやむなし。馬券が発売されるはるか前に発表され、ファンも納得してくれたに違いない。今シーズン最後の盛岡競馬を満喫してほしい。
17日メインはA級一組「初冬特別」(盛岡ダート1600m)。次開催に北上川大賞典、さらにトウケイニセイ記念も控えており、一組ながら手薄なメンバー構成。中にはトウケイニセイ記念をにらんでいる出走馬もいる。
スズカゴウケツは昨年、重賞・あすなろ賞、準重賞・かきつばた賞を優勝。11月に南関東へ移籍し、6戦を消化して帰厩。当初は伸びを欠いていたが、4戦目を快勝後、芝へ挑戦。いしがきマイラーズ5着、OROカップ7着に終わり、再びダートへシフト。2戦2着から前々回0秒8差で圧勝した。
重賞・すずらん賞はあすなろ賞と同じ盛岡1800mが舞台だったが、ヘリオスの5着。一線級相手に苦戦を強いられたが、今回はA級特別でメンバー有利。また盛岡マイル7戦4勝2着1回の好成績。水沢に替わる前に白星を手にしたいところ。
トーセンマッシモは今季、栗駒賞から始動して10着。2戦目2着後は重賞で5、7着に終わったが、自己条件に戻って盛岡マイル2連勝を飾った。その後は2戦連続で出走取り消し。前走は回復度合いがカギを握ったが、タイム差なし2着で健在を誇示した。スズカゴウケツと同様、盛岡1600mがベスト条件。
バトルバーリライは南関東13勝2着12回3着6回。着外わずか3度のみと抜群の安定感を誇り、A2級へ在籍した。今年10月に岩手入りし、初戦4着ながら早めまくりから3角先頭。直線一杯となったが、見せ場は作った。今回は3ヵ月ぶりの実戦を叩いて良化必至。あっさり首位まで十分。
ダブルラッキーは今季も無類の堅実さを発揮。5勝2着3回3着4回。着外に沈んだのは乱ペースに巻き込まれた前々走6着のみ。前回快勝でうっ憤を晴らした。引き続き好調サイクルをキープし、マーク欠かせない。
ギャレットは3走前、OROターフ特別を快勝。盛岡芝巧者を改めてアピールして前々走ダート戦でも2着を確保。前走は冒頭にも記したとおり芝からダート変更だったが、シャイニーロックを退けて完勝した。
エスクマは今季6戦2勝2着2回。使い込めないのがネックだが、すんなりの流れで粘りを発揮。ペース落ち着けば出番十分。
◎④スズカゴウケツ
〇⑤トーセンマッシモ
▲⑨バトルバーリライ
△⑧ダブルラッキー
△①ギャレット
△⑥エスクマ
<お奨めの1頭>
4R シャラ
レース経験馬を相手にデビュー戦を破格タイムで完勝。能力の違いを見せつけた。距離が延長されたが、もう一丁いける

16日メイン11Rは今シーズン盛岡競馬のファイナル重賞「第15回絆カップ」(オープン 盛岡ダート1200m)。オープン短距離の現状トップがすべて顔をそろえた。
ウラヤは昨年7月、中央3勝クラスから転入後、あっさり2連勝をマーク。青藍賞で1番人気に支持されたが、伸びひと息で6着。JpnI・マイルCS南部杯13着から絆カップへ臨んで快勝。首位を奪回したが、トウケイニセイ記念は3着止まり。1周競馬の水沢が合わなかったのが判明。ワンターンで持てる能力をフルに発揮するタイプだった。
今季は白嶺賞から始動したが、重賞3戦で入着止まりだったが、4戦目の水沢1600mを快勝。続く岩鷲賞でも2着を確保した。以降、クラスターCは岩手最先着6着、盛岡1200m戦を快勝。前走は2着だったが、1ヵ月半ぶりの実戦でプラス10キロ。太目が影響した。その一戦を叩いて絆カップは当初の予定どおり。2連覇に王手をかけた。
エイシントルペードは園田A級から転入。いきなり早池峰スーパースプリント、岩鷲賞と短距離重賞2連勝を飾った。クラスターCは最内1番枠に入った上、相手が強く10着に終わったが、地元の戦いに戻って2着に反撃した。以降2戦は3着止まりだったが、前走は1000m適性差が敗因。1200m、手ごろな枠順を引き当てて巻き返しに転じる。
レディブラウンはシーズン初戦の白嶺賞2着。上々の滑り出しを切ったが、以降は入着止まり。相手なりに駆ける堅実さは健在だったが、もう一伸びが足りなかった。しかし牝馬重賞・ヴィーナススプリントを完勝。早めスパートを決めて初重賞を手にした。前走もウラヤ、エイシントルペードを相手に快勝。好調度を前面に首位争い必至。
スプラウティングは中央3勝クラスから岩手入り。初戦の栗駒賞を快勝し、2戦目も1着。岩鷲賞5着、クラスターC9着から盛岡マイル戦を快勝したが、青藍賞6着、マイルCS南部杯11着、夏負け気味も苦戦の要因だったが、以降は立て直しに専念。復調なら一発の可能性も十分ある。
オスカーブレインはスピード一番。1200m1勝、1000m3勝。前走もハイタイムで逃げ切った。今度はメンバーが強化され、1200m延長が微妙だが、気分よく逃げれればアッサリまで。
グットフォーチュンは今季3着1回が最高。着外の連続だったが、前走メンバー在足の上がりを披露して4着。ようやく復調の兆しがうかがえた。
◎②ウラヤ
〇⑧エイシントルペード
▲⑤レディブラウン
△③スプラウティング
△⑥オスカーブレイン
△⑨グットフォーチュン
<お奨めの1頭>
4R ナビール
経験馬を相手にハイタイムをマークして2着確保。ひと叩きされて上昇確実。メンバーも甘くなり、首位を奪取する。

11月11日(火) 「第52回南部駒賞」(2歳・地方競馬全国交流 盛岡ダート1600m)
大外からティーズアライトが好ダッシュを決めて先手を取る。2番手にレヴェルトディオ、3番手インにジェイエルビット。トーアサジタリウスは外に持ち出して4番手を追走し、5番手インにディオニス、その後ろに1番人気アラモ、スタートで出遅れたポリッキーは7番手まで押し上げた。
快調に飛ばすティーズアライトに4コーナー手前からレヴェルトディオ、ディオニス、トーアサジタリウスが徐々に接近を図ったが、ティーズアライトのスピードは衰えず1馬身差をつけてゴール。大外からポリッキーが強襲したが、トーアサジタリウスがしのいで2着を確保した。
1着・ティーズアライト=高松亮騎手
「大外だったので、テンからちょっと気合いを入れて逃げる形になったらそれでもいいという指示。スタートは速かった。その後はちょっと物見をしたが、内に入れてからは集中して走ってくれた。道中は馬の気を抜かさないようにという気持ちだった。初めて乗ったが、初馬場でも気負うことなく走っていた。また乗る機会があったら頑張りますので、応援よろしくお願いします」
小野望調教師
「レース前の指示としては"行けるものなら行ってほしい。ハミを外さないでレースをしてほしい"だった。高松騎手がうまく乗ってくれた。遊ばさずに走らせたのも勝因。この馬のお母さんもすごく走った馬なので重賞を取らせてやりたいと思っていた。ここで獲れて本当に良かったですし、この先は南関東に移籍する。お母さんもそうだったし、兄弟もみなそうだったが、大井の嶋田調教師へ入厩します」
ティーズアライトはデビュー2戦目を快勝後、伸び悩んでいた時期もあったが、前々走1000mを境に走り気を出して遠征前の門別1600m戦を快勝して南部駒賞へ臨んだ。母ティーズアライズは門別・栄冠賞、大井・東京プリンセス賞を優勝。今後さらに成長しそうな予感を抱かせた。
2着・トーアサジタリウスは門別・新馬戦を快勝し、2戦3着からJRA札幌・クローバー賞2着。GIII・札幌2歳ステークスに駒を進めた。地元に戻って11着、5着だったが、速いタイム決着の盛岡も合い2着に粘った。
3着・ポリッキーはスタートで出遅れたが、メンバー最速の上がりを駆使して3着。今回がデビュー4戦目だったことを考えれば以降の伸びしろも十分。
4着・ディオニスはロスなくレースを進め、4コーナーでは外に持ち出してティーズアライトに接近。最後は4着に終わったが、内容は上々。今後につながるレース内容だった。
今週の岩手競馬
11月16日(日) メイン11R「第15回絆カップ」(オープン 盛岡ダート1200m)
11月17日(月) メイン12R「初冬特別」(A級一組 盛岡ダート1600m)
11月18日(火) メイン12R「2025盛岡ファイナル特別」(A級三組 盛岡ダート1600m)
11月11日に行われた2歳馬による地方競馬全国交流重賞『南部駒賞』は3連単25万7270円の波乱の結末に。ここで主役になったのは単勝7番人気のティーズアライト、大外枠からの逃げ切りで見事勝利を手にしました。
今年もホッカイドウ勢対岩手勢の構図になった南部駒賞でしたが戦前の単勝人気は1・2・4番人気が遠征馬、3番人気・5番人気が岩手勢と人気面では上位拮抗で分け合った形で戦いの幕が開かれました。
ゲートが開いて飛び出したのは大外ティーズアライト。「前に行けたら行って、馬の気を抜かせないようにというのが戦前の指示(高松亮騎手)」と事前の作戦通りの形に持ち込みます。
直後にレヴェルトディオら人気上位勢が集中、勝負所でも逃げるティーズアライトを目標にするかのように各馬が攻め上がってきますが先頭のティーズアライトは直線に向いてさらに差を拡げようとする手応え。坂にかかってさすがにいくらか脚色が鈍り、トーアサジタリウスらが急激に差を詰めてきましたが1馬身の差を守ったままゴール。自身8戦目にして待望の重賞タイトルを獲得しました。
2着は6番人気トーアサジタリウス、3着は直線猛追した9番人気ポリッキーが食い込んで各賭け式の配当は波乱の結末。1番人気アラモは7着、2番人気レヴェルトディオは5着に終わっています。
11月12日のメインレースは12Rの『ユーカリ賞』、ダート1800mの10頭立てとなりました。
近年は数を減らしてきていた盛岡ダート1800mのレースですが、今年はここまで9レース行われていてこれが10レース目。昨年は6レースでしたので「7割増し」という言い方もできそうです。ただ、今季ここまでの1800m戦は、例えば先週のすずらん賞がそうだったようにいずれも重賞か特別戦で一般戦で行われるのはこれが初めて。それだけにややレアな、各馬にとっては経験が少ない距離条件での戦いともなりました。
このレースの本命は(6)サトノバトラーとしました。
5月に岩手に移籍してからは1勝のみに留まっている本馬なのですが、コース慣れあるいはクラス慣れができてきたのか9月以降の近5走では1勝2着1回3着2回と成績が安定してきました。勝ち切れなさは感じるものの上位に食い込んでくる時はなかなかの存在感を示してもおり、夏以前のイメージは捨てて良さそうです。
そして本馬はJRA時代には2000m以上の距離を主戦場としており転入初戦では今回と同じ盛岡ダート1800mの特別「紫陽花賞」にも出走と距離経験が豊富。その紫陽花賞では1番人気5着でしたがそれは転入初戦でのこと。今ならその時とは違った競馬を見せてくれると期待しての本命視です。
対抗は(7)ドテライヤツ。前所属の門別では1800~2000mあたりで活躍しており長めの距離が合いそうな戦績でしたが、岩手ではマイルでの末脚の切れの方がより良かった印象。意外に1800mは、今はソコソコなのかも?と考えて対抗としましたが、この馬もB1に降級した夏以降はコースを問わない活躍ぶりを見せていますし、今の勢いならばと考えるのが妥当でしょう。そして三番手は(8)ウインダークローズでどうでしょうか。直近がちょっと不振ですが過去の成績を見ると夏から秋口にかけてが低調で寒くなってから動き始める印象があります。そろそろ走り頃と考えてみたいですし、加えて5月のメイカップ、これも盛岡1800mの特別戦で勝っているのも魅力。
△は2頭。まず(4)モズユイユイも真夏を過ぎて調子を上げてきている印象あり。JRA時代には1800mで掲示板を外しておらず、やや勝ち切れないながらも・・・のしぶとさに期待可能。もう一頭は(9)ツアーモデルを。着順にちょっと上下がありますが力量自体はここでも通用するものがあるはず。流れひとつで上位に顔を見せてきていいでしょう。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(6)=(7)、(6)=(8)、(6)→(4)、(6)→(9)
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