破壊力戻った田中茂が中心!
0ハン両者の仕上がりはマズマズで、重なって走ると後続は仕掛けづらくなりそう。そんな状況でも力強く割って行けるとしたら田中茂。今節は初日から動きが良く、上がりタイムもしっかりと出ている。どちらかと言うとスローな流れで混戦になる方が田中茂は得意。0ハン両者が後続を抑える展開になると、田中茂の威力が何倍にも増す。2022年2月以来の優勝を目指す。
今節ここまで負けなしの3連勝できているのは和田。上がりタイムもそれなりに出ており、0ハン両者のブロックを早めに攻略できれば田中茂に先着もある。そつのない走りで番手を上げていけるのは鈴木聡。佳元は水崎に先行するようだと、水崎を抑え役にして展開有利。スタートは不安な面ある井村だが、道中は爆発的な走りを見せている。
◎ 7 田中茂
○ 3 和田健吾
△ 6 鈴木聡太
△ 2 佳元光義
▲ 5 井村淳一
おすすめの買い目
7-2356-2356
穴なら 和田が速攻決めると完全優勝もある
3-2567-2567
丹下昂紀 37期4人目のV戦士に!
4日間開催で行われた山陽ミッドナイト。初日は4着とつまづいたが、2日目から2連勝で迎えた優勝戦の丹下昂紀。試走27秒の山本翔や人見剛志が30秒を出して人気になると思いきや、逃げ有利と見られたのか一番人気は試走34秒の丹下だった。3連単は1-5-4、1-4-5。2連単は1-4と1-5が並ぶ。
中野政則を一発で交わした山本翔が2番手へ浮上し丹下も必死に逃げ、残り2周で若干差は詰まったかに思えた。ところが、山本翔が滑り始めて人見に差されてしまう。結局、最後まで危なげなく走り切った丹下は2度目の優出で頂点へ立った。
37期では浅倉樹良・福岡鷹・森下輝がそれぞれ2度優勝してるが、ハンデが重くなりスタートで叩かれることが多くなり伸び悩んでる。今回の丹下は『試走タイム、上がりタイムを意識してコースを外さないよう』に心がけたことが『優勝』という最高の結果につながった。
これから、徐々に展開が厳しくなり38期も入ってくる。オートレーサーとしては、いまだ新人だが、ひとりのプロとしてたくましい姿をファンにアピールして欲しいものだ。
今年の真夏の祭典は見どころ盛りだくさん
このタイトルでSG初制覇というシーンを何度も生んできた『オートレースグランプリ』において大会2連覇を2度も達成している青山周平が、史上初の3連覇と史上最多のV5をめざす。冬季のデイレース施行を挟み4月にナイターが再開されて以降の今年の伊勢崎へは18戦に出走して、優勝戦2度4着の他は全勝している。あえて死角を探るとすれば、2月の川口デイレース『SG全日本選抜』あたりから雨走路で敗戦するケースが以前より増えたことか。それでも優勝戦線のトップ集団に今回も位置する。
7月22日の伊勢崎ナイター普通開催。重走路の決勝戦で青山周を4着にくだして優勝したのが高橋貢。6月下旬の浜松デイレースG2『曳馬野賞』決勝では、半乾きの不安定な走路でも車を自在に操り鈴木圭一郎に完勝してV。先ごろ53歳を迎えたが、歴戦で磨き抜かれた技術の輝きはいささかも鈍っておらず、7年ぶり3度目の栄冠へ虎視眈々。
彼らと共に『伊勢崎3強』と称される早川清太郎が、今年の成績は勢いを欠いている。今大会と同レベルの強豪が出場した2月『SG全日本選抜』と4月『SGオールスター』(ともに6日制)、3月『G1プレミアムカップ』(5日制)いずれも未勝利に終わった。ただ、6月の伊勢崎ナイターG2『稲妻賞』決勝では青山周や中村雅との大激戦に競り勝って準優勝。そして今回は山陽デイレースG2『小林啓二杯』優出3着からの参戦で、緩やかな角度だとしても上昇気流に乗って臨めそうなのはプラス要素だ。
若くして輝かしい経歴を築いてきた鈴木圭一郎が、実はまだ手に入れられていないのがグランプリの冠。4連続SG優勝という史上単独最多の記録を持っているが、5連続のかかった2017年のグランプリは決勝まで進みながら高橋貢に敗れて準優勝。その後も決勝2着が1度、3着が3度と、あとわずかのところで手が届いていない。ただ今回は、7月下旬の『G2小林啓二杯』に5戦5勝した時点で、残り5か月もあるのに今年70勝目を挙げて、例年以上の勢いがある。このペースを維持するなら、青山周が昨年末に更新した年間最多勝利数『97勝』の記録を大幅に塗り替えるのは間違いない。デビュー10年を越えて円熟味も出始めた今、史上7人目のSGグランドスラムという新たな勲章を獲得するか。
先月末の川口ダブルヘッダーを2開催にカウントすると、佐藤摩弥は4月の『SGオールスター』から12節も途切れずに優出している。2年連続の準優勝だったオールスターはいずれも飯塚の消音ナイターで実施。今回グランプリは通常マフラーながら伊勢崎ナイター。所は変われど夜開催の8周戦・10周戦の戦い方は経験を積めている。先月には飯塚G2『ミッドナイトチャンピオンカップ』8周回の決戦を制した。グランプリへの優出歴こそないが、伊勢崎ナイターには2022年の夏季に2度優出、1度優勝している。
2020年代に入って以降、SG戦線における女子レーサーの活躍が増え続けている。そのパイオニアにしてトップランナーであり続けている佐藤摩が、先述したようにSG初Vを多く輩出してきたこの大会でガールズの歴史に新たな1ページを書き加えるかも知れない。
黒川京介は昨年グランプリ準優勝。1枠から逃げた青山周の影は踏めなかったが、2番手追走の篠原睦を捌いて浮上し、鈴木圭には完勝といえる、価値の高い内容だった。先月『G2小林啓二杯』決勝は「力が入りすぎてスタート空回りさせてしまった」が、その前の節は川口ナイター『キューポラ杯』を制して初めての地元G1獲得。
佐藤励は1級車に乗り換えて2年目に入ったばかりながら、2級車時代から数多くのグレード開催に出場して強豪たちに揉まれてきた経験値が豊富。今期は飯塚ナイターのオールスターで6戦4勝。地元川口ナイターの『G2川口記念』と『G1キューポラ杯』ともに優出を果たして、前期ランキングA-100から今期S-15へ大躍進した成長ぶりを競走成績に反映させている。
今年1月にデビューしたばかりながらグレード初出場(もちろんSGも初)を決めた37期ホープたちも今回の注目ポイントだ。
浅倉樹良はデビューから無敗の10連勝(13まで連勝を延ばした)、青山周の記録を塗り替えるデビュー最速22日目での初優勝と記録を次々に樹立。森下輝は2着1度を挟んだがデビューから12戦11勝で初V。福岡鷹も雨の敗戦1度を挟みながら同じくデビュー12戦11勝で初V。まだ2級車なためスタートの不安は抱えるが、非凡なスピードと高い闘志で強豪たちに挑戦する。
2022年暮れ、休養明けいきなりの快進撃が話題となった加賀谷建明。その休養前のレースは同年8月の『SGオートレースグランプリ』優勝戦であった。歯車がかみ合った際の爆発的なスピードと、走路が濡れているのか疑ってしまうほどの雨走路での速さは、G1クラスを超えられる可能性を感じさせる。
篠原睦が初めてSGを制した2021年のグランプリ決勝は雨走路での大一番となり、重富大輔もまた初の栄冠へあと一歩まで迫る走りを見せた。重富大と同期の加賀谷が、もし似たような条件で決勝を戦うことになったら、果たしてどのような走りを見せてくれるだろうか。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-9(29期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
黒川 京介〔川口 S-3(33期)〕
佐藤 励〔川口 S-15(35期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-26(31期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-33(27期)〕
浅倉 樹良〔伊勢崎 B-112(37期)〕(次期はA-32)
森下 輝〔浜松 B-112(37期)〕(次期はA-41)
福岡 鷹〔飯塚 B-112(37期)〕(次期はA-101)
文/鈴木
人見剛志が速攻で進出
タイム比較からは37期2級車の丹下昂紀が逃げ切る可能性も考えられるが、今回大きなコース取りで早めに番手を上げられている人見剛志が、仕掛けられる距離まで素早く接近しそうだ。両者の間にいるのがスタートに不安のある中野政則1車では、40線の進攻を喰い止めるカベになりそうもない。
山本翔が展開への対応力を増している。本走タイムは人見に劣るが、人見が仲田などに外へ張られるようなことがあると、インを突いての浮上あり。
◎ 4 人見剛志
○ 1 丹下昂紀
△ 5 山本翔
▲ 6 谷津圭治
穴 3 仲田恵一朗
おすすめの買い目
4=1-563
穴なら
3=1-456
文/鈴木
岡谷美由紀が6周回を逃げ切った
この日の第6レースでは中山透が好スタートから前団の5車を交わして快勝。そして決勝の第12レースでは中山光が30線の最内枠から先行して展開を作りかけたが、2周回3コーナーで同期の小林瑞季がインに突っ込んできて、ともに外へ流れてしまい(小林瑞は競走戒告の判定)、高橋義弘が再浮上したのも束の間、その内を攻めた中村雅人が2番手へ。
しかし、中村雅をわずかに抑えて1番人気に支持された岡谷美由紀のペースは速く、単独0ハンから逃げ切って勝利。2022年8月以来5度目の優勝を手にした。
文/鈴木