ナンバー1を決めるSG日本選手権が開幕!
今回で節目の50回目を迎えるSG日本選手権オートレース。このSGだけは初日の1Rから最終日の12Rまで全て0メートルオープンで行われる。今回の開催地は川口。近況は浜松勢に勢いがあるが、果たして...。
地元のランク1位は中村雅人。近況の動きはマズマズで、前々走の浜松SGで優出すると、その後の地元一般開催でも順当に優出。かなりのレベルでエンジンは推移しており、SGでも十分戦える状態にある。
中村に川口1位を譲る形になったのは永井大介。浜松SGでは準決で惜しい結果になったが、それ以外のレースでは1着が多く、前走の地元一般開催でも初日から3連勝で優出。優勝とまではいかなかったが、エンジン状態はすこぶる良い。その優勝戦で準優勝だったのが若井友和。初日からオール連対でシリーズを締めた。他では山田達也が前走の浜松3日間開催で完全V。平田雅崇、加賀谷建明、佐藤裕二あたりも戦える状態にある。
勢いがある浜松勢。4期連続で全国ランク1の鈴木圭一郎は、前走の山陽若獅子杯では準決3着で優出を逃した。ただし、このシリーズでは初日からスーパーハンデを背負っての競争だった。それを加味すればシリーズ通して悪いとは言えない内容だった。日本選手権は今のところ2連覇中。今回は3連覇がかかっている。
浜松2番手は佐藤貴也。今年はSG初優勝すると、そのまま勢いに乗って全国ランクも2位に浮上した。前走の若獅子杯ではイマイチだったが、再びSGの大舞台で躍動するか。そのライバル・金子大輔は地元で行われたSG全日本選抜で優出し3着。佐藤貴同様に若獅子杯では不本意な結果に終わったが、SGで再浮上も十分ありえる。他に2013年以来のこの大会優勝を目指す木村武之、若獅子杯で準優勝だった鈴木宏和などにも注目したい。
伊勢崎は現在3強と言える状況だが、それ以外のS級選手たちのレベルも高い。ランクトップは青山周平。このところ本調子を欠いているが、スタート行ってのイン走法が持ち味の青山なら、今回のレース条件はピッタリと合う。エンジンが並以上に仕上がればチャンスを作っていける。
高橋貢はSG全日本選抜では納得のいかない結果に終わったが、地元での一般開催ではいつもの走りができている。川口走路との相性も悪くはないので、同大会5度目の制覇へ向け、ひた走る。地元記念での活躍が目立つ早川清太郎は、川口との相性がそれほど良くない。しかし、今年3月に川口走路で初優勝を決めるなど、一定の向上は見られている。脇を固めるのは新井恵匠、吉原恭佑、西原智昭、内山高秀などでタレントは豊富。
飯塚勢は一時期の勢いがない。ランクトップは荒尾聡。今年は最初の地元SG開催で準優勝を決めるなど、マズマズの滑り出しを見せ、今年前半は活躍していた。しかし、夏場以降は優出を逃す開催が多くなってきた。そういった意味でも、今回は巻き返しを図りたい。
2番手は篠原睦。安定感が代名詞である篠原は、一時期やや調子を崩している時もあったが、ここ2節は優出している。それも前々走は浜松のSGだったので価値が大きい。この勢いを保ちたいところだ。浦田信輔は状態が上向いてこない。10月からの現ランクでは20位にまで数字を落としている。しかし、強い精神力の下、このまま終わる選手ではないので今節で復活の狼煙を上げるか。若手では高宗良次が成長株で、大舞台ほど乗りっぷりが良くなる選手。
山陽勢で絶好調の選手は不在だが、ソコソコの動きをしている選手はチラホラ。ランクトップは丹村飛竜だが、前走の若獅子の準決で反則をしてしまった。気持ちの面で無理な仕掛けはやりづらい状況にあるが、エンジン自体は並よりやや上の位置にあり、スタートが決まれば見せ場を作れそう。松尾啓史は前走の伊勢崎で優出。鋭い追い込みを見せていた。その優勝戦には佐々木啓も乗っていた。岩崎亮一、人見剛志、角南一如、岡部聡などもエンジンが中の上になれば、1戦仕掛けていけそうだ。
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主な出場予定選手
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中村 雅人〔川口 S-3(28期)〕
永井 大介〔川口 S-8(25期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-2(29期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-4(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-6(22期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-5(27期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-7(26期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-13(29期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-17(26期)〕
33期新人王決定戦と同時開催!
今回の飯塚オートは4日間開催で、3日目までの5、6Rに新人王トライアルレースが組まれ、最終日の11Rに新人王決定戦が行われる。それとは別の勝ち上がりで通常の優勝戦も組まれており、楽しみは2倍。
まずは通常の展望から。直後にSG日本選手権が控えているので、S級とA級の主力は不在。今回出場する中でランクトップは松尾隆広。近況の成績はイマイチだが、今回のようなメンバーなら攻撃力の高さで上位争いに加われる。現在の調子としては田中進の方がいい。前走の地元開催で優出した。優勝戦は8着だったが、予選準決の3走は全て連対。スピードが最大の武器で、混戦でもスピード戦でもアウトから攻め上げる。井村淳一も悪くない。前々走のミッドナイトで優勝。その後の一般開催でもマズマズ動いていた。他に地元A級では竹谷隆が前走の伊勢崎で準優勝。本来のスピードが戻りつつある。
外来では福田裕二が、竹谷が準優勝したレースで走っていた。予選道中も安定した成績を残していたので、今回も活躍しそうだ。小原望は前走の若獅子杯でシリーズ中に3勝を挙げ好調を示していた。他では迫力ある捲りが武器の秋田貴弘、強引な突っ込みで上位進出を図る仲口武志、スピードで他を置き去りにする満村陽司などに注目。
次に新人王決定戦の展望。新人33期はデビュー直後から黒川京介の快進撃が目立っている。同期の中で一番に優勝を決めると、その後も着実に走力が身に付いてきた。前走の若獅子杯でも優勝戦まで進出。そこでは6着の結果になった。
しかし、その黒川より先に記念タイトルを獲ったのは中村杏亮。黒川が6着だった若獅子杯の優勝戦で、見事に逃げ切り自身の初優勝を記念で達成してみせた。中村はそれまで2回優勝戦に乗っていて、2回とも準優勝だった。前回の記念制覇は偶然のことではなく、しっかりとした下地は形成されていた。これで気持ちの方にも余裕を持ってレースに臨めるだろうから、よりいっそう成長の加速度を増してくるかも。
他に同期で優勝の経験があるのは木山優輝。前走の若獅子杯でも初日から1着2回を含む3回の連対。準決では8着になったが、記念レースでも通用するスピードを見せつけていた。
33期の女子レーサーの中では、金田悠伽が断トツの勝ち星を挙げている。その数は23。2位の吉川麻季と高橋絵莉子の勝ち星が12なので、金田の突き抜け具合がよく分かる。近況は成長の壁にぶつかってる感ある田崎萌は、養成所を卒業する時は女子の中でトップだった。現状を打破できれば、金田に追いつく事も追い抜くことも不可能ではない。
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主な出場予定選手
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松尾 隆広〔飯塚 A-12(28期)〕
田中 進〔飯塚 A-16(27期)〕
井村 淳一〔飯塚 A-61(28期)〕
秋田 貴弘〔川口 A-31(23期)〕
仲口 武志〔浜松 A-60(24期)〕
満村 陽司〔山陽 A-84(26期)〕
黒川 京介〔川口 A-106(33期)〕
中村 杏亮〔飯塚 A-213(33期)〕
中村杏亮が初Vを記念で達成!
山陽オートで行われていたGII若獅子杯争奪戦は、飯塚の33期・中村杏亮が制した。デビュー初Vが記念となり、喜びもひとしおだ。
準決勝は重走路での競争だったが、優勝戦は良走路だった。試走は田村治郎が31、鈴木宏和と渡辺篤と吉原恭佑が32。平田雅崇が33、黒川京介が34、中村と小林瑞季が35だった。
0ハンのスタートは内枠から中村が先行。黒川も遅れずに付いていく。30線は小林が飛び出したが、鈴木がすぐさま交わして行く。他は枠なりの発進。
まずは中村がペースを上げていく。黒川との同期争いがレース序盤の焦点だったが、黒川は中村のペースに付いて行けなくなる。 30線から主導権を取った鈴木がジワリと差を詰めていく。やがて黒川の後ろに付けるとインからパス。マーク追走していた小林も離されずに続いていく。
この時、残り周回がけっこうあったので、鈴木が中村を捕らえるのは時間の問題かと思われた。しかし、直線で詰め寄る鈴木に対し、中村はコーナースピードを上げ、仕掛ける態勢を作らせない。それが結局ゴールまで続き、中村が見事に逃げ切ってみせた。
上がりタイムは3.395。自身のベストを大幅に更新してみせた。この数字を出されては追い込む方は酷だ。3着には最後方から猛追を見せた吉原が食い込んだ。平田と渡辺は序盤から見せ場を作ることができなかった。
これでまたオート界にスター候補が誕生した。同期の中では、黒川などの川口勢の活躍に隠れる形になっていたが、元々の素質は高く評価されていた。それが今回、爆発した。後ろから1級車が追ってきても自分の走りを保てたのは大きな収穫。オート界を盛り上げるべく、これからも着実に成長していってもらいたい。
高橋貢が外来勢を返り討ちにするか!
約二週間ぶりの伊勢崎オート。前回はSG全日本選抜の裏開催で、田中賢の完全優勝でシリーズを終えた。今回、その田中賢は山陽の若獅子杯に出場してるため不在。前回とはうってかわってS級や、A級上位陣が参戦し、レースを盛り上げる。
今回出場する地元伊勢崎の一番手は、絶対王者・高橋貢。前走のSGでは初日に快勝したものの、その後はサッパリだった。何とか乗った準決で7着、最終日も5着とピリッとしなかった。ただし、その前の地元では3日間開催で完全優勝。地元ならいつもの動きに戻る可能性もある。
高橋貢と共に地元で奮起したいS級は西原智昭、内山高秀、岩田行雄の3者。西原はSGの2日目に反則妨害。そのまま連続参戦となった浜松一般開催でもイマイチな結果に終わった。その一般開催には岩田も出ていた。初日、2日目と3着だったが、最終日は欠車。やや不安残りと言える。内山はSG以来の出走。そのSGでは準決3着で惜しくも優勝戦には乗れなかった。3日目に8着があるが、それ以外の日は良い走りを見せていた。
外来のS級は浜松勢が好調。伊藤信夫と松山茂靖が参戦するが、両者とも前走の地元では優勝戦まで進んでいた。予選準決も伊藤は2着、1着。松山は1着、1着。好リズムのまま伊勢崎に乗り込んできた。その開催の準決で2着だったのは松尾啓史。この開催は準決8バトルだったため優勝戦には進めなかったが、初日と最終日も1着を取っており状態としては上り調子。
川口からのS級は池田政和と斎藤撤二。両者とも前走は地元4日間一般開催。優勝戦には進めてないが、池田は準決3着の試走で3・29の好タイムをマーク。斎藤も準決の7着以外は2着を3本まとめる安定した成績。
飯塚から来場の久門徹、山陽からの佐々木啓は、エンジン崩れているわけではないが、優勝争いに加わるとなるともう少し上積みが必要な現状だ。
A級では、田中賢が完全優勝を達成したレースで3着だった鈴木将光が好調。予選準決は全て1着で、鈴木将にも完全優勝がかかっていた。他では、そのシリーズの準決だけ4着だった新井淳は、その他の3走で全て1着。佐久間健光もスピードが出てきている。
外来A級では山陽勢の岡松忠、浜野淳がS級に匹敵する実力を持っているし、西村龍太郎と穴見和正が近況のリズムを上向かせている。
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主な出場予定選手
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高橋 貢〔伊勢崎 S-6(22期)〕
西原 智昭〔伊勢崎 S-19(28期)〕
池田 政和〔川口 S-32(23期)〕
斎藤 撤二〔川口 S-44(25期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-17(26期)〕
久門 徹〔飯塚 S-24(26期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-29(24期)〕
松山 茂靖〔浜松 S-36(26期)〕
鈴木宏和が記念初制覇を狙う!
山陽オートレース場で行われているGII若獅子杯争奪戦も優勝戦を迎えた。おおむね順当に勝ち上がっていた強力車だったが、準決は重走路での競争になり波乱が続出。スーパーハンデで戦っていた鈴木圭一郎を含め7、8枠勢の敗退が目立った。新人33期からは2人が優出を決め、他の6人は最重ハンの面々。どのようなレースになるのか。
新人2名は中村杏亮と黒川京介で0ハンからの競争。中村は、3日目の8着以外は全て1着と好調っぷりを示している。黒川もここまで2勝を挙げ、評判通りの活躍。30線には内枠から小林瑞季、田村治郎、鈴木宏和、平田雅崇、渡辺篤、吉原恭佑と並んだ。
0ハン両者のスタート争いは難解だが、内枠の分だけ中村が先行か。30線は角度がきつくなるので内枠が断然有利だが、単純なスタート力では鈴木宏がアタマ一つ抜けている。ここは内の2車を抑えて出そうだ。これに乗って行くのは平田とみた。その外の渡辺と吉原は7、8番手からの競争になりそう。
優勝戦まで進出するだけあって新人2者はスピードがある。独走に入れば、記念の優勝戦で8周回になることを考慮に入れて上がり3・42くらいまでは出そう。ただし、今回は2級車が2人進出したことが大きなカギ。2人で道中競り合うような形になると、自分の走りたい所をすんなりと走れず、タイム上昇が見込みづらくなる。となると30線勢の追い込みの出番。
0ハンを追う一番手になるのは、スタート飛び出しそうな鈴木宏。今節は3日目に3・373の上がりタイムをたたき出し、スタートだけではなくスピード面での成長がうかがえる。10線や20線に車がなく、0ハンを直撃できるのは大きな強み。0ハン両者の逃げを道中で交わしそうだ。そこからは一人旅。同ハン勢の追い込みを振り切って初の栄冠を掴みそう。
相手は平田。鈴木宏のスタートに乗って出て、離されずに付いて行くか。道中で鈴木宏に隙がうまれれば、インに突っ込んで行くかもしれない。次に渡辺。今節は車の進み方が良く、軽快な走りができている。今回に限って言えば、2周延びるのは好材料になりそう。
逃げ切りまでは厳しいと見ているが、0ハン両者も一杯の走りで連下の可能性はある。逆に30線勢が競り合うような展開になれば、優勝のチャンスが近づいてくる。ゴチャ付くような展開になれば吉原の突進も怖いし、小林と田村も枠ナリのスタートを切ってくるようだと上位争いに参加できる。
◎鈴木宏和
○平田雅崇
△渡辺篤
△黒川京介
▲中村杏亮