永井大介が8度目のプレミアムカップ制覇!
山陽で行われていた特別GIプレミアムカップは、川口の25期・永井大介が制した。最内の1枠からスタートを決め、そのまま誰にも抜かれずゴール。これでこの大会は8度目、川口のGIに続いて記念連覇になった。
試走は青山周平が一番時計の27。鈴木圭一郎が28、永井が29、西原智昭と荒尾聡が30、若井友和と鐘ヶ江将平が31、高橋貢が一番悪くて33だった。スタートは先述の通り、永井が先行。これに西原と鈴木圭が乗って出る。若井はややへこむ形。外枠では青山が悪くないスタートを決めていた。
永井の逃げをピタリマークは西原。道中で1回インに車を向ける素振りがあった。しかし、これは入りきれず車を引いてしまう。3番手では鈴木圭が様子をうかがっていた。なかなか番手に変動がなかったが、レース終盤でまず動いたのは鈴木圭。7周回1コーナーで西原のインに突っ込む。この仕掛けが決まると永井と一対一になる。残りの1周半は見応えがあった。ジワリと迫り来る鈴木圭に永井は冷静に対処していた。インコースをしっかり守り切り、ゴール前ではかなり差を詰められたが、最終的には永井が振り切った。
3着には後方から追い込んできた青山が西原を交わして入線。鐘ヶ江や高橋貢、荒尾は序盤の位置取りがうまくいかず苦戦。
見事に人気に応えた永井の走りは流石だった。包まれると失速する恐れがある0オープンの最内で、気負うことなく注文どおり先行。先頭に立ってからはペースが上がらないかに見えたが、上がりタイムを考えればスピードは出ていた。ここにきて記念を連覇するなど、永井は全く衰えていない。鈴木圭の躍進が目立つオートレース界だが、さまざまな選手が個性のある走りを見せ続ける限り、オートの魅力は保ち続けられていくことだろう。
AB選手権開幕!
今回の伊勢崎オートは、直前に山陽でプレミアムカップが行なわれていた関係でS級とA級の上位選手は不在。そこで、A級中堅以下とB級上位によるAB選手権が開催されることになった。ある意味、実力が拮抗していることもあって、初日は全レース10オープン、2日目以降は0または10オープン戦となる。A級陣が意地を見せるのか、それともB級勢による下克上があるのか、楽しみなシリーズになりそう。ちなみに3日間の短期決戦だ。
今回出場するA級の中でランクトップは大月渉。このところエンジンが良い所で安定している。持ち味のスピードが生きており、前走の川口GIでも大きな着は取らなかった。オープン戦でカギになるスタートは散発傾向だが、それを補えるスピードは魅力。後方からのレースになっても、車速に任せて伸び返してくるだろう。
伊勢崎勢で他に楽しみなA級は、今年優勝経験がある米里信秀と北渡瀬充。米里は試走タイムが出なくても渋太く乗るレースが多いので注意。北渡瀬は今回出場する選手の中では車速がある方で、序盤の展開さえ決まれば圧勝するケースも出てくる。芝崎茂信もスタート力を武器に成績をまとめている。逆にスタート不安ある小林晃は、レース道中の巻き返しで上位着が狙える状態。
外来のA級は松生信二が好調。前走の川口では優出してきた。優勝戦は6着だったが、それまでの3走は全て2着。試走28を出す日もあったようにエンジン面は好調だ。松生の他にも山陽勢に元気な選手が多く、山下知秀も前走の浜松で優出してきた。岡本博幸や稲原良太郎も今回のシリーズなら十分通用するエンジンレベルを保っている。川口の岩佐常義も前走の地元で優出。しっかりしたイン走法には定評がある。
B級は、1位にランクされている川原剛が、長らく高い位置でエンジンを推移させている。川原もスタートにやや難があるが、よっぽど遅れない限りは巻き返してこれるエンジン力と走力がある。ランク2位の森本優佑は、A級に匹敵するスピードの持ち主。抜け出してしまえば、今回出場する選手では追ってこれないくらいの車速がある。ランク5位の長谷川啓も元気一杯だ。昔から抑えるレースが巧く、先頭に立ってしまえば後続を大渋滞させることができる。
他にも渋太さがあるのは橋本優一や馬場雄二、宮地朗。独走力があるのは松永幸二、近藤裕保、戸塚茂、鈴木啓示あたり。前走の川口で準優勝を決めた岩永清文にも注意したい。スタートの甘さは解消されていないが、一回最後方に下がってからも脅威の追い込みがある。
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主な出場予定選手
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大月 渉〔伊勢崎 A-134(31期)〕
塚本 浩司〔川口 A-183(21期)〕
松尾 学〔飯塚 A-196(22期)〕
松生 信二〔山陽 A-190(30期)〕
川原 剛〔川口 B-1(26期)〕
森本 優佑〔飯塚 B-2(31期)〕
長谷川 啓〔川口 B-5(12期)〕
岩永 清文〔山陽 B-43(27期)〕