超抜車を駆って、金子が他車を支配する!
SG第35回オールスターオートレースの優勝戦メンバーが出揃った。準決では荒尾聡や浦田信輔など地元の看板選手がフライングを犯す波乱はあったが、優勝戦はそうそうたる顔ぶれ。選出してくれたファンの期待に応えるべく、気持ちの入った走りを見せてくれそう。
準決での車の仕上がりは金子大輔が一歩抜けていた。各車が滑りで苦しむ中、金子だけが最後方からの追い込みを見せて勝ちきった。他では、1着だった青山周平は滑りでペースが上がらず、プレッシャーをかける永井大介を抑えるので一杯だった。高橋貢に関しては加賀谷建明、森且行を捌いての1着なので、その価値は高い。木村武之、中村雅人、若井友和の3車は明らかに仕上がり不足。滑りに苦しんでいる様子だった。
優勝戦のスタート争いは恐らく青山が先行。それに木村と永井が乗って行きそう。その後、高橋、金子、中村、若井、森と出て行くか。逃げ態勢に入る青山は、準決の仕上がりのままだと楽に振り切れなそう。抑え込みが巧くなっているので、簡単には抜かせないが10周戦となると、どこまで粘れるか。2、3番手に出る永井や木村も、青山に仕掛けるまでの状態に持っていければいいが...。
当ブログでの本命には金子を推す。スタート争いこそ劣勢と見るが、準決で見せた鬼足は脅威の一言。他の選手達が滑りに苦しんだように、あれだけ走路温度が上がった中で、更にSGの準決のメンバーを8番手スタートから捌いて行くのは至難の業。優勝戦は準決よりメンバーは濃くなるが、序盤の位置取りに関係なく狙えるのは金子だけ。
相手には青山を挙げる。2枠の好ポジションからスタートを決めてきそう。ペースは上がらないにしても、必死の抑え込みでかなりの逃げを見せそう。その隙をうかがいながらレースを進める永井や木村にもチャンスは出てくる。そして最後に高橋に注意を要したい。最内の1枠ではスタートで包まれる恐れはあるが、それなりのスタートを切った場合は上位争いに参加できそう。準決ではレース終盤で番手を上げる動きを見せた。これは周回が延びる優勝戦ではプラスに働くハズ。
いつものSGの優勝戦では中村が優勝争いに参加してくるが、今回ばかりは状態が良くない。優勝戦直前でバタバタと整備に取り組むのは、優勝争いに参加できる時の中村ではない。7、8枠と厳しい展開を強いられそうな若井と森は、スタートくらいは見せ場を作りたいが...。
◎金子大輔
○青山周平
△永井大介
△木村武之
▲高橋貢
SGオールスターオートレース開幕!
第35回SGオールスターオートレースが飯塚レース場で開催される。今年も各地区から強豪が集結し、技量を競い合う。前回の優勝者は浦田信輔。今回は地元開催なので、連覇を狙って気合は満点。それを阻止すべく各選手が車を仕上げてきている。
直近の記念開催は山陽のGI平成チャンピオンカップ。そこで優勝したのは青山周平。人気に応える見事な走りで、黒岩明との競り合いを制した。シリーズを通してオール連対と、流れは絶好なので昨年のSGスーパースターに続き、2度目のSG制覇となるか。
平成チャンピオンカップで準優勝だったのは前田淳。長らく軽いスランプに入っていたが、ようやく良化の兆しが出てきた。優勝戦3着が荒尾聡で、4着が田中茂。この2人は今回地元開催なので、このまま勢いに乗りたいところ。他に優勝戦に乗っていた新井恵匠、人見剛志らも上り調子。中村友和も優勝戦に乗っていたが、今がまさに成長盛り。スピードだけならS級上位に引けを取らない。課題はスタートだけ。
平成チャンピオンカップではイマイチだった永井大介、高橋貢、金子大輔、浜野淳らも、今回は十分戦えるようにしっかりと整備に取り組んでくるだろう。
前走の浜松で優勝したのは鈴木圭一郎。4日間開催をオール連対で優勝していた。ここ数ヶ月で走りの幅が広がっており、SGでいつ優勝してもおかしくない実力を付けている。今回の台風の目になるのは間違いない。鈴木が優勝した浜松の開催で準優勝だったのは同期の吉原恭佑。こちらも走りの鋭さが増しており、多少の混戦なら突っ込んで行ける根性がある。
その浜松開催では成績イマイチだった中村雅人だが、オールスターとあればしっかりと車を立て直してくる。現全国ランク1位の誇りにかけて、ヘタなレースはできない。優出は最低ノルマだ。木村武之も前走の地元はパッしなかったが、SGの大舞台なら動きが蘇ってくる可能性大。その同期・久門徹は前走の地元開催で優勝している。4日間開催をオール連対での優勝なので、今回に向けてのリズムは最高潮である。
また、安藤定実と篠崎実はオールスター出場の常連だが、強烈なメンバーを相手にしても、シリーズ中に何回か連に絡む傾向があるので連日その動向には注意したい。
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主な出場予定選手
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中村 雅人〔川口 S-1(28期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-2(22期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-3(31期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-4(23期)〕
永井 大介〔川口 S-5(25期)〕
金子 大輔〔浜松 S-6(29期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-7(32期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-8(27期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-10(29期)〕
浜野 淳〔山陽 S-11(24期)〕
今回の浜松はA級、B級戦!
直後にSGオールスターが控えているため、今回はS級とA級の上位選手は不在。A級とB級による戦いになるが、勝ち上がりもそれぞれに分かれて行なわれる。A級準決が3個レースあり、優勝戦には各レースから2人ずつ。B級準決は2個レースあり、各1人ずつが優勝戦へ進める。つまり優勝戦はA級から6人、B級から2人が勝ち上がるシステムだ。
A級の地元でランクトップは鈴木静二。前走の初日に反則をしてしまったが、それ以降はマズマズの内容。スタート力を武器に素早い攻めを見せてくれそう。同じく速攻派で一時代を築いた須賀学は、近況エンジンが上り調子。外寄りの枠に置かれてもダッシュつけて出て行くケースが多い。筒井健太も速攻が得意。前走の4日間は、準決こそ6着だったが、それ以外は全て1着。スピード派では鈴木健吾が挙げられる。ここ数年はスピードだけではなく、捌きの方も上達しているので、追い込むレースでの信頼度が増した。
外来勢のA級は元気の良い選手が多い。前走の地元で優出したのは本門延唯。独走力に定評があり、早めに抜け出せる展開なら持ち味を出せる。同じ優勝戦に乗っていたのは別府末彦。長らくスランプが続いていたが、前節あたりから急激に動きが良くなっている。
ランクから入れば田中哲、藤川幸宏、森谷隼人などが上位。特に、藤川はSGに出ていてもおかしくない選手。現在はエンジン的にイマイチだが、並の状態になれば、今回のメンバーなら優勝争いを演じられる。池浦一博もSGオールスターに出ていても不思議ではない選手。エンジン上昇とともに今回は大暴れできそう。宍戸幸雄は長年、スタートに課題はあるものの道中の動きは素晴らしく、レース後半の巻き返しができる選手。
B級では石貝武之、浅野浩幸、小林晃に注目。いずれもA級並の実力の持ち主。石貝はスピードがかなりあり、前に捌く車が少ないときは狙いたい選手。浅野は、今回のようにA級、B級に分かれている勝ち上がりの時に活躍が目立つ。小林はデビュー時からスタートの甘さは取れないが、人を抜く腕は選手の中でも一目置かれている。
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主な出場予定選手
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鈴木 静二〔浜松 A-55(20期)〕
須賀 学〔浜松 A-59(19期)〕
柴田 健治〔浜松 A-60(27期)〕
鈴木 健吾〔浜松 A-74(28期)〕
田中 哲〔伊勢崎 A-56(28期)〕
藤川 幸宏〔飯塚 A-73(29期)〕
森谷 隼人〔川口 A-90(29期)〕
岡本 博幸〔山陽 A-191(21期)〕
突き抜けた選手不在で大混戦ムード!
今節はS級選手が斡旋されておらず、競争はA級とB級だけで行なわれる。地元のランクトップは岩田裕臣。前走の浜松では優勝戦まで進んでいる。ただし、そこまで状態が良いわけではない。他にも仕上がり万全の選手はいないので誰にでも優勝のチャンスが巡ってくる。このような状況ではエンジンよりも選手の技量や個性が大きなカギを握ってくる。気になる選手を挙げていく。
出場する選手の中でスピードがあるのは阿部剛士、早船歩、秋田貴弘、深谷輝など。阿部はエンジンがずっと高位で安定している。スタートもソコソコ早いので、レース序盤から積極的に仕掛けて行ける。早船も一人で走るとペース上がるタイプ。ただし、前団がゴチャ付くと脆い面もあるので、同じレースで走るメンバーはよく確認しておきたい。秋田、深谷も車速はかなりある。ただし、スタートに課題を残している。好枠に入っても外枠の人に行かれてしまうケースが多い。それでも今回のメンバー構成なら、外寄りに置かれることが多いだろうから、むしろスタートの心配は軽減されるかもしれない。
捌きがあるのは梅内幹雄、永瀬敏一など。どちらも混戦を得意としているが、スタートはやや甘い面もあるので、序盤の展開は厳しくなる。ただし、今回のメンバーならレース後半からでも盛り返していける。
スタートが早く、速攻を得意としているのは鈴木辰己、矢内昌木、青山文敏、小林悠樹など。10メートル前の選手でもスタートで叩いて行くケースが多い。試走タイムに関わらず、レースでは有利な展開を作れるので注目したい存在だ。特に、鈴木は近況エンジンが上向き。全盛期までとは言わないが、時折り切れ味鋭い走りが見られる。
前回の川口で優勝戦に乗っていたのは福村唯倫と深沢隆。深沢は長らく不調に陥っていたが、前回あたりから急激に回復してきた。インコースをしっかり回れるタイプで、前が混み合っていても突っ込んでいける。福村はこれと言って死角がないタイプ。スタートも雨走路も捌きもマズマズの腕を持っている。
B級で注目なのは外来勢に多い。城戸徹、西村昭紀が近況の動き活発。この両者は走路温度が上がってくると、成績も良くなるタイプ。レース当日にお日様が出るようなら狙ってみたい選手。スピード面では重富英雄だ。前にあまり抜く車が少ないときは、早めに抜け出して後続を引き離すときがある。一発に注意したいのは森園数敏。1節に1回は必ず連に絡む。3日目まで連対がなければ、最終日は絶対狙いたい。試走以上に本走でよい走りをするのは竹島繁夫。こちらも走路温度が上がったほうが持ち味を出しやすい。女子レーサー・藤本梨恵も1戦ごとに力を付けているので、その走りからは目が離せない。
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主な出場予定選手
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岩田 裕臣〔川口 A-15(31期)〕
阿部 剛士〔川口 A-16(27期)〕
早船 歩〔川口 A-18(27期)〕
秋田 貴弘〔川口 A-31(23期)〕
山際 真介〔川口 A-40(26期)〕
福田 勝則〔伊勢崎 A-84(24期)〕
高林 亮〔飯塚 A-61(27期)〕
鈴木 辰己〔浜松 A-106(13期)〕
石橋 大〔山陽 A-223(28期)〕
青山周平が黒岩明との死闘を制す!
GI第22回平成チャンピオンカップの優勝戦は青山周平が制した。スタート決めての逃げ切り勝ちではなく、レース道中では激しい競り合いが見られた見ごたえのあるレースだった。
トップスタートを切ったのは最内の前田淳。地元開催の記念だけに、スタートで見せ場を作った。しかし、ペースは上がらず、2番手スタートを切った青山が交わして行く。3番手スタートを切ったのは大外の荒尾聡。こちらは伸びを欠き、黒岩明に交わされてしまう。黒岩は2番手で走っていた前田を捲ると、青山を追いかける態勢を作る。逃げる青山と追う黒岩。直線の伸びは明らかに黒岩が勝っていた。
黒岩は落ち着いて青山を差すと、今度は自分が逃げる形に。しかし、ここで走るコースが小さくなってしまう。それを見た青山は捲りを仕掛けていく。これが功を奏し先頭を奪い返す。黒岩は再び2番手で追走。機を窺う。そして、最終3コーナーで黒岩が青山のインに突っ込む。しかし、これは態勢不十分。半端な突っ込みになって黒岩は落車してしまう。青山が見事に逃げ切って栄冠のゴールを切った。
黒岩の落車により、3着入線の前田と4着入線の荒尾が繰り上がり。2-1-8で決まった。他の、田中茂、新井恵匠、人見剛志らは見せ場を作ることができなかった。中村友和もスタートで遅れて8番手発進。ここから巻き返しに行くには厳しかった。
青山はこれで記念タイトルが12個目(GIに関しては8個目)。4月から伊勢崎所属となったが、これまでと変わらぬ快進撃を見せてくれそうだ。また、落車した黒岩も、エンジンさえ仕上がれば記念の優勝戦でも戦えることを証明した。