中村雅人がダイヤモンドレースを制す!
GI第58回ダイヤモンドレースの優勝戦は濡れ走路で行われた。制したのは船橋の中村雅人。早い段階で抜け出し、そのまま押し切った。
スタート争いは、2枠から荒尾聡が先行するかに見えたが3枠の久門徹がトップスタートを切った。スタートは3番手に出た中村が早々とマークする形。そして、2周回に中村が久門を差すと、そこからは落ち着いた走りで見事に逃げ切った。
インコースでは荒尾と田中茂が競り合う。外のコースでは浦田信輔が久門を交わす動き。浦田は中村を追いかけたが、差は縮まらなかった。それでも雨走路で準優勝なら、浦田にとって今後に繋がる走り。苦手意識も多少は克服されただろう。試走一番時計の金子大輔は序盤の展開が響いた。8番手スタートでは苦しくなる。しかし、そこから諦めずに追い上げ、3着に食い込んだあたりは評価できる。次期全国ランク1位の意地を見せた。篠原睦と早川清太郎は見せ場なく終わってしまった。篠原はここ最近、雨走路で以前のような走りができていない。原因は不明だが、今後も気がかりだ。
中村は数年前から完全に雨巧者になっている。もちろん晴れでも強烈な走りはできる。しかし、雨でこれだけの連対率を挙げているのだから、雨巧者の部類にも位置されるだろう。ちょっと前は15連勝の新記録を樹立。今回はGI制覇。今のオート界の流れは中村に来ている。ここ一番ではスタートも切れるので、総合戦力は大幅に上昇している。オートレースの醍醐味を体現してくれる中村の走りは、人気低迷のオートレース復活のカギになるハズ。
目玉は青山周平、地元勢がどう迎撃するか!
今回はA級選手が大半で、S級選手は少ない。その中でも注目なのは青山周平。近況は調子を上げており、今回の優勝候補筆頭に挙げられる。さて、青山に対抗できる選手はいるのか。
先述の通り、青山の状態が良くなっている。前々節とその前の節で優勝しており、強い青山が戻ってきた。前走は飯塚で、優勝戦まで行けなかった。と言うのも、準決で厳しい番組に当てられ苦戦を強いられたからだ。エンジン的にはそれほど問題はない。今回も強烈な走りを見せてくれる。
地元S級陣はおおむね調子が良い。ランク筆頭の若井友和は前走の地元で準決は3着。しかし、それ以外の3日間はオール連対。優勝戦に進めなかったが、安定感は光っていた。大木光も同様。準決だけ3着だったが、他の3日間はオール1着。エンジンは良い所で安定している。準決などの大事な場面でしっかり乗れれば、順当に優勝戦まで駒を進めてくるだろう。平田雅崇は前走の地元は準決に行けなかったが、残りの2日間は2着を2本。戦えない状態にあるわけではない。
外来S級は、角南一如と田村治郎。角南の前走は浜松で準決6着だったが、それ以外の日は連対を外していない。走路温度が上がると角南の走るコースが利かなくなるのが気がかりだが、エンジンをマッチさせればそれなりに乗ってくるだろう。田村は前走の地元はイマイチ。節を通して調子の波があるタイプなので、初日が良ければその節はずっと良く、初日が悪ければずっと悪い傾向がある。
前回の川口開催で優出したのは山田達也、釜本憲司、阿部剛士。3人ともエンジン状態は良い。特に、釜本はここ何節も好調が続いており、今回も初日から狙っていける。他では、高橋義弘もスピード戦では無類の強さを発揮する。同じレースで走るメンバーを見て取捨を決めたい。船橋勢では早船歩と石井大輔が上々。どちらも速攻タイプで、短ハンデ戦になると好結果を残すことが多い。
女子レーサーは益春菜と片野利沙。益は前回の初日は凡走だったが、その後の3走は全て連対。基本的にはエンジン良い状態にある。片野は節によって成績がムラ。田村と同じく初日がキーポイントになる。他では、7月26日に最高齢勝利記録を更新した谷口武彦にも注目。一般戦回りになり、単独0ハンに置かれるような番組では粘り強さを見せることが多い。
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主な出場予定選手
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若井 友和〔川口 S-20(25期)〕
大木 光〔川口 S-26(28期)〕
平田 雅崇〔川口 S-33(29期)〕
青山 周平〔船橋 S-5(31期)〕
角南 一如〔山陽 S-23(27期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-38(30期)〕
牛沢 和彦〔川口 A-8(20期)〕
高橋 義弘〔川口 A-9(29期)〕