充実地元勢がその牙城を守る!
今回参加するS級選手は地元川口の選手のみ。A級選手は外来も多数参戦するが、今回は地元が優勢と言える。どのような争いが展開されるのか。
S級で前回の地元3日間開催を走ってないのは若井友和のみ。若井の前走はSGオールスターで、その時は成績が振るわなかった。しかし、今年は地元走路で素晴らしい結果を残しているので、地元でのレースなら心配ないか。それ以外のS級は、全て前走が地元3日間開催。そこで優出したのは大木光と中野憲人、更にA級から木村悦教。大木は優勝戦で中村雅人のインを窺うほどの仕上がりだった。中野は展開を作れず5着だったが、エンジン自体はマズマズ良さそう。優勝戦に乗れなかった佐藤裕二や加賀谷建明にしても、エンジン的に全くダメと言うわけではなさそう。一般開催なら十分通用する動きはあった。唯一、青木治親だけは明らかに仕上がり不足。早急な立て直しが要される。
先述の通り、外来のS級は不在。A級とB級のみになる。外来で最も注目なのは中野光公。前走の地元5日間ナイター開催で優勝している。それも、高橋貢や青山周平らそうそうたるメンバーを振り切っての優勝。勢いは十分だが、今回はハンデが重くなることが想定される。それでも最重ハン10M前は元々走っていた位置なので、スタートさえミスしなければ苦にしないか。同じ優勝戦に乗っていたのは伊藤正司。走路的に滑りやすい川口は、後続を抑え込むのにはもってつけのバンク。インからインの走りで活躍しそうだ。
他では鈴木静二が前走の船橋開催で優出している。切れ味鋭いスタートからの速攻が最大の武器だ。同じ優勝戦に乗っていたのは広瀬勝光。こちらもスタートが切れており、ブッチきりの展開に持ち込むと持ち味を発揮できる。若手成長株は中村友和。着実に捌きが良くなっているし、元々スピードには定評があった。目下の課題としてはスタートか。やや散発傾向なので、これが安定してくると好成績に繋がる。軽ハンでは、高石光将や丸山浩信が直線で車が伸びており警戒が必要。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
佐藤 裕二〔川口 S-16(24期)〕
若井 友和〔川口 S-20(25期)〕
大木 光〔川口 S-26(28期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-27(27期)〕
中野 憲人〔川口 S-41(24期)〕
青木 治親〔川口 S-42(29期)〕
岩科 鮮太〔浜松 A-11(29期)〕
穴見 和正〔山陽 A-42(12期)〕
中村雅人が執念の追い込み!
第38回黒潮杯の優勝戦は試走で波乱があった。4日目の準決で上がり一番時計を出していた平塚雅樹がまさかの試走落車。レースをする前に欠車となってしまった。試走一番時計は木村武之の30。次いで、青山周平と中村雅人が31。永井大介と高橋貢が33。岩崎亮一と荒尾聡が34だった。
スタートは最内の青山が先行。それに、大外から荒尾がカマシ気味に切ってきた。その後ろに中村、永井が付けるかたち。青山は序盤は大きなリードを作る。中村、永井が早々、荒尾を交わし2、3番手に付けた。5周目に入ったあたりから青山のペースが落ち始めた。そこへ、中村が捲りを仕掛け、これがきれいに決まった。永井もすかさず青山のインを狙い2番手浮上。残り2周は一騎打ちだったが、中村が永井の攻めを抑えてゴール。木村も青山を交わし3着に食い込んだ。岩崎、高橋は序盤から最後まで、いいところはなかった。
中村のレース運びのうまさが光った。逃げる青山を無理することなく追う。タイヤを使わず、冷静に状況を見ていた。そして、前を走る青山がタレてくると、ここぞとばかりに仕掛けに行く。しかも、決めるところでは一発で交わす。先頭に立ってからも見事だった。チャージをかけてくる永井を華麗に封じ込んだ。大舞台でのレース経験がなせる業。準決から優勝戦にかけて、エンジンを仕上げる整備力も流石の一言だ。中村は意外にもこれが今年の初優勝。これからもナンバー1勝負服の誇りをかけて、各地区のレース場を賑わすだろう。