浦田信輔が気合の突っ込みでオールスター制覇!
SG第34回オールスターオートレースは飯塚の浦田信輔が制した。人気投票1位の期待に応えての優勝。何より嬉しい勝利だったことだろう。
スタート争いは最内の青山周平が飛び出した。そこへ、2番手スタートの永井大介が1周バックストレッチで素早く差し込み首位を奪取。そのままこの両者で逃げ態勢に入るかに見えたが、そこに待ったをかけたのが浦田信輔。青山、永井の両者をまとめ差しして首位浮上。そこからは追いすがる青山を必死に抑え込むレースだった。青山の再三の攻撃を見事抑え切った。
今シリーズの特徴として、レース後半の順位の変動が少ないことは『優勝戦の直前予想』でも提言していた。誰もが序盤で好位を奪いたい気持ちは一緒だった。トップスタートを切った青山はもちろんの事、2番手スタートから一気の差しを見せた永井、課題としているスタートをこなし3番手には出た桝崎陽介。しかし、序盤で先頭に立ちたい気持ちは浦田が上回った。追い込みが効きづらい状況を熟知しているから、前を走る2車を1車ずつ抜く猶予はあえて持たなかった。誰もが思ったまさかの2車狩り。これが勝利を導いた大きな要因と言える。ハートの強さを見せ付けた。
気持ちだけではどうしょうもない。浦田には小さいコース取りでも、うまく回っていける技術がある。インから抜く時に、一回外に車を振らなくても突っ込んで行ける技量がある。今シリーズの状況に、うまく走り方を変えられる順応性がある。
気温が上がったせいなのか、浜松の走路の特性なのか、新型タイヤの特徴なのか。レース後半の仕掛けは決まらない傾向にあるし、前の車を抜く時に懐を取りに行けない現状がある。そういった状況に、対応できる選手がしばらくは活躍できそうだ。
最後に、浦田には最大級の賛辞を送りたい。基本的にファンからの支えによって開催されるオールスター。その檜舞台で一番良い結果を残せるのは、間違いなく一流である証だ。こういった選手がオートレースの人気を持続させていると言っても過言ではない。