飯塚でGII地区対抗戦が開幕!
今回はGIIらしく、特別な企画が盛り込まれている。まず、出場する96選手は、各地区から16名ずつ。そして、準決は6個レース設けられ、準決への勝ち上がりは各地区から3日間の得点上位8名ずつ。6地区×8名で48人が準決へ勝ち上がれる。優勝戦へ向けては、準決6個の中から1着の6人、それに2着の中から、3日目までの各地区全員の合計得点の高い地区の選手が、優勝戦へ駒を進める形。
参加するS級選手も各地区からキッチリ3名ずつだ。優勝戦に顔を出してきそうな選手をピックアップ。
まずは地元からは荒尾聡。今年に入ってからのスランプは脱出できていないが、近況はやや良化の兆しが出てきたか。もちろん、以前のような圧巻の走りは見られていないが、全くレースができないようなひどい状態ではなくなってきている。今回出場する選手の中で最もランクの高い選手なので、本来の走りを見せたいところ。同じ飯塚からは、久門徹と永冨高志が参戦。久門の近況は成績が安定していない。車の状態が不安定なためだが、元々持っている底力は高いモノがあるので、車の安定が成績の安定につながるだろう。永冨の方は、動き上々。持ち味である堅実な走りができている。
外来で楽しみなのは山陽地区。特に岩崎亮一は地元のGIで優出。その優勝戦でも、好スタートを見せて、1回は先頭に立っていた。その前の船橋GIでも優出しており、今は乗り手も乗れていると言える。人見剛志はスタートに課題を残しているものの、エンジン自体は悪くなさそう。逆に、浜野淳は試走タイムから出ていないので、エンジンの立て直しが必要となるか。
浜松からは伊藤信夫が参戦。前走は船橋のGIで、初日の雨は1着だったものの、その後の良走路では迫力を欠いていた。それでも最終日前に大きな整備をしていたので、巻き返しのキッカケになるか。青島正樹と岩科鮮太は共に、直前の山陽GIに参戦。それほどの活躍はできていなかったが、今回は相手が軽化。十分、車券に絡めるチャンスはあるだろう。
船橋からは池田政和。前走の地元GIでは苦しいレースが続いていた。元々、走路との食いつきが悪くなるこの時期は苦手としていただけに、車の方で少しでも走りやすい状態にしておきたい。同地区からは五十嵐一夫と早船歩も参戦。早船は成績こそイマイチだが、車の方は良くなってきている模様。五十嵐も前走の山陽はイマイチだったが、ハンデ戦で追って行くレースなら好成績を残せるかもしれない。
川口からは高橋義弘、平田雅崇、山田達也が参戦。高橋は本来の伸びが出ていない状態だが、スタート飛び出し、序盤戦がうまく決まると上位まで食い込める可能性がある。山田は逆に、レース後半から動きが良くなる傾向ある。平田は、まだまだ納得いく状態にはなっていない。しかし、飯塚は元所属していたレース場なので、やりやすさはあるか。輝きを取り戻すキッカケになればいい。
最後に伊勢崎からは、早川清太郎、浅香潤、田村治郎が参戦。3人共、状態としてはあまり良くない。しかし、今回は飯塚とはいえナイター開催なので、普段からナイターを走っている利点を活かしていきたいところ。熱くて滑る走路よりも、冷えて食いつく走路の方が得意な点も3人同様だ。
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主な出場予定選手
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荒尾 聡〔飯塚 S-3(27期)〕
久門 徹〔飯塚 S-28(26期)〕
浜野 淳〔山陽 S-11(24期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-21(25期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-17(24期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-19(29期)〕
池田 政和〔船橋 S-23(23期)〕
高橋 義弘〔川口 S-25(29期)〕
S級選手全6人は2級車での参戦!
今回の5日間一般開催は、いつもとは趣向が違う。まず10R制であること。それに、今回出場するS級選手は2級車での参加になること。エンジンに関しては事前に抽選が行なわれ、自分の持ちエンジンではないモノで戦わなくてはならない。前節で状態が良かった選手も、全く関係なく一からの調整。早い段階で良いところを引き出せた選手が有利となる。
地元S級は3人。ランク筆頭は前節のGIプレミアムカップで見事優勝した永井大介。エンジンがどのような状態かは不透明だが、永井の走法的に2級車でも合わないことはない。乗り手の方も、GI優勝後で流れに乗っているので、初日から好結果を出してくる可能性は高い。2番手は中村雅人。前節のGIでは、優勝戦で後手を踏んだため厳しいレースになったが、何車かは追い上げてきた。インファイターのイメージが強い中村が、今回はどこまで2級車の特性を活かして乗れるかがカギ。最後は西原智昭。ずっと続いていた連続優出は、前節で途切れてしまったが、エンジン自体は悪くなかった。今回は、抽選エンジンで2級車なので、流れは変わるかもしれないが、2級車時代の西原は、中村より活躍していた印象が強いので楽しみだ。
川口からはS級2人。若井友和は2級車時代は、よく活躍していた。苦手の船橋走路でも、近況は結果を残せるようになっており、前節もそこまで悪くなかった。もう一人は森且行。近況の動きは悪くなかった。もちろん今回は2級車だから、エンジン的な流れは関係ない。2級車の時も、新人王で優勝するなど活躍していたので今回も期待できる。
最後のS級は飯塚の篠原睦。1級車になってからも活躍しているが、2級車時代のインパクトは強かった。開けっぷりよく大外を回っていた印象があるので、今回の2級車乗りも全く問題がないだろう。
S級選手が2級車乗りなので、A級選手達にも優勝チャンスは十分。
最も勢いがあるのは飯塚の鐘ヶ江将平。前走の初優勝チャレンジ戦で初優勝を果たした。いつ優勝してもおかしくない素質の持ち主だったが、しっかりと形として結果を残した。初めての優勝経験は、本人にとって大きな自信につながるから、これから更に腕に磨きがかかってくるだろう。魅力としては、爆発的なスピード。先頭に立ってしまえば、最重ハン勢を振り切るスピードがある。
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主な出場予定選手
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永井 大介〔船橋 S-2(25期)〕
中村 雅人〔船橋 S-6(28期)〕
西原 智昭〔船橋 S-40(28期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-12(26期)〕
若井 友和〔川口 S-15(25期)〕
森 且行〔川口 S-42(25期)〕
千葉 泰将〔伊勢崎 A-119(24期)〕
赤堀 翼〔浜松 A-138(30期)〕
青山周平が平成チャンピオンカップを制す!
11R発売中に軽く小雨が降ったが、12Rの優勝戦には影響のない走路状態になった。それでも、試走タイムは突き抜けて出る選手はいなく、一番時計は青山周平と佐々木啓の3・33。次が、松尾啓史と中山透の3・34。中山がスタート残せるかどうかが一つの焦点になった。
結果から言えば、10線から数車が勢いよく飛び出した。まず岩崎亮一が、丹村飛竜が、そして青山が。中山は自分のリズムを作ることなく、後退を余儀なくされた。代わって逃げ態勢に入ったのは岩崎。しかし、試走3・35の機力では、後続を突き放すには物足りなかった。その岩崎を交わしたのは、3・33の試走タイムを叩き出した佐々木。これはペースが上がるかに見えた。しかし、後続の展開が味方しなかった。その真後ろに位置取りしたのは青山。残りの周回もたくさんあったことから、慌てず騒がず冷静に隙を窺っていた。そして、しっかりふところを取って、仕掛けの態勢を作り、きれいに差し込んで行った。そこからは佐々木の追走を振り切ってゴール。
3番手で粘っていた岩崎は、最終回3コーナーで佐藤裕二に差されて後退。佐藤が3着に入った。松尾も追い上げを見せていたが、中盤でパタっとアシが止まってしまった。
青山が久々に記念レースで優勝を成し遂げた。このところ記念の優勝戦では、惜しいところまで行ってながら勝ちきれないレースが多かったので、格別に嬉しかっただろう。このレースでは青山に一つの成長が見られた。今までは、前を走る車を抜くときでも、インからインのコース取りで交わすことが多かった。それは、格下相手なら通用するが、全国トップ20に入ってくる選手にはなかなか通用しないことが多い。そのため最近のレースでは、前を走る車を抜けなかったり、無理やり突っ込んで回り切れないケースが多かったが、今回の優勝戦では前を走る佐々木を冷静に抜く態勢を作ってから交わしていた。この点は大きな成長と言える。元々、持っていたスピードとスタート力。それに、この落ち着いた捌きが加わったのだから、これからの大レースが楽しみになった。記念のタイトルを量産してくれることだろう。
青山周平がナンバー1の存在感を誇示する!
GⅠ第20回平成チャンピオンカップも優勝戦を迎えた。優勝戦を占うべく、準決の内容を簡単に振り返る。
9R...今節ハンデチャンスだった丹村飛竜がスタート先行から逃げ切り。中野政則のピタリマークを新井恵匠は仕掛けられず、佐々木啓が最終回3コーナーで中野のイン突っ込んで2着へ。優勝戦のキップを掴んだ。
10R...スタート残した中山透がブッチ切る。穴見和正が畑吉広を交わし、前田淳を終始ブロックする。高橋貢は伸びを欠いて凡走。試走良かった中野憲人は、スタートも頑張ったが前団を割り切れず。
11R...池浦一博がマイペースで逃げるも、20線から好スタートを切った佐藤裕二が交わし、インを締めて青山周平を抑え込む。
12R...先行の新村嘉之を緒方浩一が差すも、10線から好スタートを切った岩崎亮一が渾身の突っ込み。その後、浮上してきた松尾啓史を抑え切ってゴール。片平巧は猛追見せたが、及ばなかった。
優勝戦ではハンデの変動があった。最重ハンの20M前で走っていた中山、更に最重ハンの10M前で走っていた丹村が共に10Mハンデが重くなる形になった。と、なると優勝戦の予想にも大きな影響を及ぼしてくる。
まずは、単独0ハンの中山がスタートを残せるかどうか。今節に関してはスタートをこなしている中山だが、今度はすぐ後ろに最重ハンが控えてのハンデ構成。今までより集中しなければ、きっちり残せる確率も低くなってしまう。逆に、スタート残してしまえば、快速を発揮して逃げ切りも十分あり得よう。しかし、当ブログでは中山にとって厳しい展開になると予想する。
10Mから飛び出すのは穴見か岩崎。丹村も最内で位置はよいのだが、今節は準決まで最重ハンの10M前で何とかスタートを残している状態だった。ここは最内に置かれても、外枠勢に包まれる可能性大だ。穴見、岩崎がどこまで道中で車を進めるかに焦点が置かれる。両者とも、準決までは仕上がりが良いとは言えなかった。
当ブログでの本命には青山を推す。車的には仕上がりきっていない感はあるが、大外とは言え10線ならカマシ気味に出て1周バックストレッチで好位置を奪うことは可能。そこから素早い攻めを見せて首位を奪取する。先頭に立てば、自分のコース取りでペースを上げてくる。
相手には松尾を挙げたい。本来、追い込み型なので、優勝戦で2周延びるのは好材料。前団の動きを見ながら、内外自在に捌いて行きそうだ。その次は、佐々木。ここ何節もエンジンは安定している。今回は地元開催なので、いつも以上に気合が入ってもおかしくない。優勝戦でハンデが重くなったとは言え、怖いのは丹村。元々、最重ハンで走っていた選手なので、スタートで踏ん張れれば上位争いに参加できる。
◎青山周平
○松尾啓史
△佐々木啓
△丹村飛竜
▲中山透