金子大輔がブッチ切りで若獅子杯を制す!
1レースから重走路だった若獅子杯の最終日は、優勝戦までずっと走路は濡れたまま。途中で大雨も降り、優勝戦は水しぶきが舞うほど走路は水に覆われていた。その難走路を制したのは浜松の金子大輔。若手の中では大舞台の実績も豊富な方なので、これまでの経験を活かせた形となった。
レース展開はまず、0ハンから渡邊篤が飛び出し廣瀬勝光が続いた。しかし、ペースが上がることはなく、10線から好スタートを切った金子がわずか2周で捕えて首位。その後は後続を引き離す一方の独走状態となった。
番手の入れ替わりが少なかったこのレースで、金子の他に車が進んでいたのは青山周平だけ。10線5車並びから3番手スタートを切ると、そこからジワリと追い込み番手を上げていった。しかし、それも2番手を走っていた渡邊を捕えるのが一杯。2番手に立った時には金子は、はるか前方を走っていた。
番手が入れ替わりにくかった理由に山陽の走路の特徴が挙げられる。他のレース場と違って山陽の重走路は使えるコースが少ないと言われている。それも、ほとんどイン一本。アウトコースをグリップ開けて回ろうとすると、滑って逆にペースが上がらない。当然、前を走る選手を抜く時も外からは抜きづらくなる。それを知ってるから前を走る選手は、インから抜かれないようなコース取りをすることが多い。自然と番手が入れ替わりにくくなるわけだ。
しかし、レースに出場する選手にしてみれば条件は同じ。与えられた状況下で自分の走りができた金子は見事の一言だ。晴れ雨問わず、その時の状況を見極め巧く走れるのが金子の強みと言える。当然、これからSGなどの大舞台でも、それは大きな武器になるハズだ。これからの活躍に期待したい。
永井大介を中心に地元船橋勢が充実!
各場で1回ずつ行なわれたオートレース7も終わり、久しぶりの通常開催。外来勢でS級選手は不在で、層の厚い地元勢がシリーズの核を担っていく。船橋勢の近況を中心に、他場の動向も追ってみたい。
まずは地元船橋。期待度1番は全国ランクナンバー1の永井大介。前走は飯塚で、1着、1着、1着で優出し、優勝戦は5着だった。ただし、この優勝戦は試走後に急な降雨で走路状態が不安定だった結果であり、晴れに関しては全く問題ない動きをしていた。今節も優勝候補筆頭に挙げられる。
他のS級陣では内山高秀と片平巧に注目。内山の方は前走が川口一般開催で準優勝だった。優勝戦は前で2車重なり厳しい展開だったが、1車を割って2着入線。内容としては悪くなかった。片平の方は前走が川口のGⅡ名匠戦。予選道中からいい動きを見せており、優勝戦でも2着に入る準優勝。この2人は今回に向けて、流れとしてはいい形で入れる。
他では、その川口のGⅡ名匠戦で優出した池田政和や谷川一貴などが、調子良いと言える。調子が上がっているのは福田裕二や押田和也。押田の方は、長らくスランプに入っていたが、ようやく良化の兆しが出てきている。また、32期新人は鈴木圭一郎が前評判に違わぬ活躍を見せているし、片野利沙が前節の地元あたりからだいぶ良くなってきていた。
外来勢はまず伊勢崎から分析。ランク筆頭は湯浅浩で前走は川口のGⅡ名匠戦。優勝戦まで進んで4着に入った。エンジン面はマズマズと言える。同地区ではエンジン上向きの笠原三義や攻め果敢な田代祐一、的確な差しがある中村浩章、試走以上に本走でいい動きする米里信秀など注目選手が多い。
飯塚地区からは別府敬剛に期待。前走は川口開催で最終日に力強い動きを見せ1着。その前も川口でGⅡ名匠戦に参加し優出。田中進もこの時期に合ったスピード戦が武器で魅力。
浜松の筆頭は須賀学だが、近況はイマイチ。他の選手も総じて調子が上がってないが、その中でも注目は鈴木静二。高いスタート力からの速攻があるので注意したい。また、石貝武之、鈴木啓示の両者はツボに入ると大駆けがあるタイプだ。
最後に山陽地区。ランク筆頭は穴見和正だが、前走の川口GⅡ名匠戦ではイマイチ。ただし、整備熱心なので折り合いが付けばインを強烈に突っ込んでくる。他にもインタイプの斉藤隆充や山本道夫、腕がある森園数敏、藤本剛、別府末彦。独走力ある日室志郎の動きに注目したい。
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主な出場予定選手
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永井 大介〔船橋 S-1(25期)〕
内山 高秀〔船橋 S-14(26期)〕
池田 政和〔船橋 S-15(23期)〕
片平 巧〔船橋 S-24(19期)〕
湯浅 浩〔伊勢崎 A-35(19期)〕
須賀 学〔浜松 A-42(19期)〕
別府 敬剛〔飯塚 A-1(23期)〕
穴見 和正〔山陽 A-19(12期)〕