地元上位陣やや手薄で中心は荒尾聡!
飯塚はS級選手が11人いるなかで今節は7人が不在。最もランク上位は荒尾聡でシリーズの核となりそう。
その荒尾の直近は地元のGⅠダイヤモンドレース。優勝戦まで進み8着だった。優勝戦は軽ハン勢のハイペースで苦戦したが、予選、準決は問題ない動きを見せていた。今回は昼間開催に戻る事を考慮しても、いつもの力を発揮してきそうだ。
他の地元主力陣も状態は悪くない選手が多い。まず久門徹は、GⅠダイヤモンドレースで優出して4着。エンジンとしては上昇カーブを描いている。桝崎陽介はGⅠで初日、2日目と良かったが、その後は下降。最初の動きを取り戻せれば問題ない。竹谷隆はGⅠの後半2日間を両方1着でまとめている。永富高志もシリーズを通してマズマズの走りを見せていた。
他に注目なのは阿部仁志。近況はエンジンが上向きの気配がある。元々、捌きの切れ味には定評があり、スピードもソコソコある。課題としてはスタートが挙げられる。基本的には枠ナリに出るが、時折り遅れてしまうことがある。安定して切れるようになれば成績も良くなってくるだろう。他では成長株の鐘ヶ江将平に注目。今期ランキングでも大幅に上昇を見せた。1級車の乗り始めたころからかなりスピードが出るようになっている。当面の課題は、スタートと捌きか。徐々にでもこの2つが良化されれば、激戦地区飯塚でも主力として活躍できるだろう。
外来勢では伊勢崎と山陽が多数参戦。参戦するなかで伊勢崎一番手は桜井晴光。近況の推移はイマイチだが、飯塚は元々所属していた勝手知ったる地。ここではGⅠを2つ獲っている実績もある。うまくエンジンを合わせてくれば強烈な捲りを披露してくれそう。山陽からは岩崎亮一が一番手。直前は浜松開催に参戦。優勝戦までは進んでないが、最終日は特別選抜戦で1着と上々の仕上がり。他には小関勝治、田方秀和、岩永清文ら技巧派が参戦。
大注目は川口の岩田裕臣。近況は船橋のSGで優出する活躍を見せている。その後の地元一般開催は良くなかったが、乗り手自体は成長しているのでエンジンさえ合えば優勝争いに参加してくるかも。
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主な出場予定選手
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荒尾 聡〔飯塚 S-4(27期)〕
桝崎 陽介〔飯塚 S-32(28期)〕
久門 徹〔飯塚 S-34(26期)〕
竹谷 隆〔飯塚 A-3(23期)〕
永冨 高志〔飯塚 A-12(17期)〕
岩田 裕臣〔川口 S-46(31期)〕
櫻井 晴光〔伊勢崎 A-91(26期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-26(25期)〕
ナンバー1勝負服を着て初めての記念レースで永井大介がキッチリ仕事をこなした。
スタートは池田政和が飛び出し青山周平が続く形。すぐさま青山が池田を差して先頭に立つも、中村雅人が捌いて逃げ態勢を作った。永井はスタートこそ5番手だった。しかし、そこから冷静に追い上げた。池田、青山、中村を捌いて先頭ゴール。貫禄の走りを見せ付けた。
このレースでの勝因は2つあると思う。一つは試走タイム。試走タイムから他を圧倒しての3・28をマーク。次にタイム出たのが内山高秀、青山、中村の3・32だから、実に4つの差がついていた。今節は天候的になかなかエンジンを仕上げにくい状況だったが、大事な優勝戦で永井はしっかり仕上げてきた。常にエンジン100点を目指して整備に取り組んでいる結果であろう。普段、レースで良い勝ち方をしても、エンジンの仕上がりが80点、90点、いや95点であっても、決して納得せず更に上を狙う姿勢は素晴らしいの一言だ。
もう一つの勝因は乗り手の充実。エンジンが仕上がってなくても勝つ方法を知っている永井だからなお更、今回のエンジン状態は余裕を持って乗れたことだろう。試走で他の車との差を認識できていたから、スタートが決まらなくても落ち着いて乗れていた。
選手になって早い段階からスピードには定評があった永井だが、ここにきて更に選手としての武器が増えたように思える。スタートや捌きなどはもちろんのこと、精神的なモノやレース運びなど経験的なモノが総合力をアップさせている。ナンバー1勝負服を羽織り、これからどのような進化を見せるか楽しみでならない。