快速・鈴木健吾が大逃げでGⅠ初V!
第56回GⅠダイヤモンドレースは、浜松の28期鈴木健吾が0ハンから8周回を逃げ切り、嬉しいGⅠ初優勝を決めた。
元々、スピードある同選手は、今回エンジン状態も最高潮で優勝戦を迎えた。試走タイムも重ハンに引けを取らない3・36をマーク。この時計は独走を得意とする同選手にとってまさに「鬼に金棒」。ミスなく乗れればかなりの走りをすることは想定された。しかし、そこはGⅠの優勝戦。人気になったのは重ハンで、更に試走タイムが出ていた木村武之や荒尾聡だった。
エンジンや乗り手のリズム良かった鈴木健吾だが、このレースではもう一つ鈴木に味方した要素があった。それはハンデ位置。近年、大きな大会では優勝戦になるとハンデの軽い選手も急遽ハンデが重くなるケースが多かったが、この大会ではそのようなことをせずハンデ据え置きのまま最終日を迎えた。これは鈴木にとってかなりプラス材料だったと思われる。もちろんハンデが10M重くなっても、スタートさえ先行してしまえば状態は同じなのだが、番組を見た段階でこの構成はかなり気合アップに繋がるのではないか。しかし、そのような自分に与えられた条件の中で、しっかり勝ち切った鈴木は見事と言える。
レース展開としては逃げる鈴木に10線の筒井健太が終始マーク。20線から追ってこれたのは永井大介だけで、それも3着に入るのが一杯だった。今回の優勝戦の番組を見ると、スピードレースになるのは予想された事だ。このような場合は波乱含みになる事が多い。今までにも、快速派の選手が最重ハンの前に置かれた記念優勝戦で8周逃げ切ったレースはいつくかある。これからの車券購入の際の参考になれば幸いである。
最後に鈴木健吾のこれからの活躍に期待したい。今回も上がりタイムは最重ハンに負けない数字を出しているので、スピードは全選手の中でもかなり上位にあることは証明された。あとは本人の意欲と努力しだいでGⅠの更に上の舞台でも通用するところを見せられるだろう。
充実の永井が今年最後のナイター戦を制すか!
今回の優勝戦は、近年の記念優勝戦のハンデ構成の通例を覆す作りとなった。ハンデが軽い選手(最重ハンの10M前や20M前)が1着を取って優勝戦に乗ると、だいたいハンデが引っ張られて、より短ハンデ戦になったりオープン戦になったりするのだが、今回はハンデが据え置き。準決に乗っただけでハンデが引っ張られる事も多い中で、優勝戦に乗ってもハンデがそのままのケースはきわめて稀だ。
特に、今回の優出者で最重ハンでない3選手はいずれも快速派。独走でペースが上がる選手達だ。この優勝戦は最重ハンの選手達も相当苦戦が予想される。
展開としては鈴木健吾がかなりの逃げを見せ、10線の筒井健太と岩沼靖郎がピタリと続く形。20線は軽ハン勢を追いかける前に、まず序盤で同ハンの人達との争いを制する必要がある。20線から飛び出すのは恐らく久門徹。それに木村武之、荒尾聡、永井大介が続くと予想。しかし、1周目のバックストレッチで木村や永井が車群の隙を突いて好位置を奪いそう。そこからはこの2人が軽ハン勢を追撃態勢に入る。
準決の上がりタイムから言えば木村が有利だが、これは12Rで走ってタイムが出やすい状況を加味しなければならない。仕上がりとしては永井も互角。木村が軽ハン勢を切り崩すが、ピタリマークの永井が最終的には木村を捌いてゴールとなりそう。
もちろん地元の荒尾や久門も黙っていない。車の仕上がり的にはやや劣勢だが、序盤で同ハンとの争いを制して行ければ、木村や永井に取って代わって軽ハン勢を追撃できる。8周戦ではあるが、序盤がカギになりそうだ。
予想としては本命が永井で対抗が木村。それに荒尾がどう絡んでいくか。その他で気になるのは鈴木健吾。展開的には絶好の上、車の仕上がりも良い。レース後半でタレてくるタイプでもないので8周戦になっても苦にしないだろう。人気薄になるようなら積極的に狙ってみたい。
◎永井大介
○木村武之
△荒尾聡
△鈴木健吾
▲岩沼靖郎