ムーンライトチャンピオンカップの優勝戦は天候が不安視されていたが、大方の予報通り雨走路でのレースとなった。
0ハンのスタート争いは金山周平、阿部仁志が飛び出し湯浅浩がやや遅れる展開。しかし、すぐに湯浅が立て直して先頭に立った。10線から素早く抜け出してきた青山周平が湯浅を抜くのにやや手間取っているところを永井と有吉が交わして抜け出す。その後は、永井と有吉のデットヒート。僅かに永井が有吉を振り切って栄冠を手に入れた。
永井と有吉といえば、過去に大きな開催で何度も激戦を演じてきた。オープン戦なら有吉が飛び出し、永井が追いかける。SGの優勝戦はそんなシーンが多々あった。今回は逃げる永井を有吉がピタリとマークする展開。いつもとは違ったが、更にいつもとは違う状況に3番手に追走していた青山の存在がある。
まだそんなに経験の少ない伊勢崎の雨走路に加えてナイター開催。条件としては不利と言えるが、流石のセンスを発揮して3着。25期と同じくらいのオート選手歴があれば、もう少し戦えた事は間違いない。今後どのように成長していくのか。オートファンなら目が離せないところだ。
もちろん優勝した永井も凄かった。雨走路はその湿り方によってコース取りが難しいと言われているが、いち早く使えるコースを見つけ、そこをしっかり走れる技量は来期S1の名に相応しい。永井の最大の強みはそのスピード。エンジン状態がみな同じなら、スピードは全国一と言っても異論を唱える人は少ないだろう。更に、その圧倒的なスピードが目に付くためあまり周りから意識されにくい状況にあるが、スタートもかなりの巧者である。走路状況によって力が発揮されないという弱みもない。
初めてS1の名誉を手に入れた永井に、若手成長株筆頭の青山。しばらくオートレースはこの2人を中心に回っていくに違いない。