佐々木世麗騎手について、新子調教師にお話を伺いました
赤見:まずはデビューおめでとうございます。デビュー8戦目で初勝利を挙げ、すぐ次のレースも勝利。順調なスタートを切りましたね。
新子:ありがとうございます。初日は見ている側としては、ただただ事故なくという気持ちでいましたし、僕自身も緊張しました。5鞍乗ったんですけど、検量や装鞍も初めてですからかなり忙しかったですね。見ている方も乗っている方も、真っ白な状態でずっとやっていたような感じでした。
赤見:2日目に初勝利を挙げて、最終レースも連勝しました。
新子:ゴールした時に、思った以上にファンの方から大きな声援をいただきました。なかなか初勝利がメインレースということも出来ないですし、2連勝というのも簡単なことではないので、よく頑張ったなと。
赤見:佐々木騎手には何て声を掛けたんですか?
新子:ワシヅカミ(初勝利の騎乗馬)でゲート出たのはオレのお陰やな、って言いました(笑)。パドックからかなり緊張しているなと思って、ゲート裏まで行ってずっと声を掛けていたんです。姿勢だったり、肩に力が入っているとか、ゲートの中でも最後の馬が入るよとか。そこでしっかりゲートを出て、スタートのタイミングを掴んだと思います。
赤見:強い勝ち方でしたね。
新子:若干深いところを走っていましたが、それはその後修正出来ましたし、馬の力を信じて乗ったのが一番良かったと思います。次のレースも勝ってくれて、2連勝出来て良かったというより、自分が自信を持って用意した馬で両方勝ってくれてホッとしました。
赤見:さらに次の日にも勝利して、デビュー初週で3勝を挙げました。
新子:逃げればチャンスがある馬でしたし、他厩舎の馬で勝ってくれたのも大きかったです。ここまで順調に結果を出してはいますが、もちろん課題だらけですから。実際にデビューしていろいろ見えて来た部分があるので、調教や木馬に乗せながら修正していこうと思います。
赤見:木馬も先生が指導されているそうですね。
新子:やれることはやっていきたいなと。本人はもちろんですけど、僕もしていかないと。どうしても人間は弱い部分がありますから、一人でやれと言っても限界があります。僕が見ているだけでも気を張る部分はありますし、限界以上のことが出来るんじゃないかと思っています。
赤見:佐々木騎手が新子厩舎に入った経緯というのはどんなご縁だったんですか?
新子:まず僕自身がそろそろ新人騎手を育てようという気持ちになっていて、教養センターにいる女の子が兵庫を希望していると聞きました。兵庫にはこれまで女性騎手はいませんから、いろいろなことが初めてになります。少し前から競馬場ぐるみで女性騎手も育てていこうという話は調教師の間でしていたので、環境を整えてあげられるのは自分ではないかということで、声を掛けさせてもらいました。
赤見:初めて女性騎手が所属するということで、大変なことはないですか?
新子:いろいろやりながら、不便なことがあったら訴えていかなといけないですし、徐々に改善しています。本当に競馬場ぐるみで育てている雰囲気ですね。男に比べると女性騎手を育てるのは難しいのではないかと思うかもしれませんが、別に男でも女でもさせることは一緒なので、指導という面に関しては難しいとは思わないです。他の細かい部分は難しいので嫁に任せていますね。嫁のサポートが大きいです。
赤見:食事も一緒にしていると伺いました。
新子:はい。ご飯も一緒に食べています。一人ではあまり食べないので。食が細いので、筋力を付けるためになるべく食べさせています。ウエイトを上げながら筋力をあげるように持っていきたいですね。本人もジムに行ったり、努力していますよ。
赤見:では、佐々木騎手に対しての目標を教えてください。
新子:新人賞を獲らせてあげたいですし、女性騎手のデビュー年最多勝など記録を作って行きたいです。本人の努力があってこそですが、僕に出来ることはやっていきたいと思います。
*25日(日)佐賀 第6R『佐賀皐月賞』 1800m 18:05発走*
本命にしたのはトゥルスウィーです。
佐賀移籍後4連勝で花吹雪賞も完勝という内容でした。
飛燕賞は1番人気3着と負けてしまいましたが、久しぶりの1400m戦であったこと、さらにテイエムサツマオーが飛ばして行く逃げを打ち、道中の追走でいっぱいだったため、いつものようなロングスパートが見られませんでした。
距離が1800mに戻ったル・プランタン賞では、2番手から圧巻のレースぶりで重賞2勝目。
先頭に立ってからは遊んでいたということですから、余裕のある勝ちっぷりでしたね。
今回再び牡馬に混じり、2走前に負けた相手も参戦して来ました。
しかし1800mの距離であれば、本来の力を発揮してくれると思います。
この先の九州ダービー栄城賞に向けても、好レースを期待しています。
対抗はテイエムサツマオー。
佐賀に移籍後着実に力を付けて来て、ミヤマキリシマ賞、たんぽぽ賞と2戦続けてJRA勢と戦いました。
その中で3着4着と内容のあるレースが出来たことは大きかったと感じます。
地元馬同士に戻った飛燕賞では、田中純騎手が先手を奪ってガンガン加速していく攻めの逃げを披露。
そのまま逃げ切ってしまいました。
前走は逃げなくても勝ち切りましたから、ここに来て大きな成長を感じます。
今回気になるのは初めての1800m。父テイエムオペラオーですから十分こなせるとは思います。
ただ1周目のホームストレッチではペースが落ち着くでしょうから、初めてのがっつりとしたペースダウンに対応できるかがカギでしょう。
プリマステラは1800mに距離が延びたカペラ賞で、直線突き抜けて初重賞制覇。
花吹雪賞でもトゥルスウィーに迫って来て、距離が延びていいタイプだと感じます。
前走のル・プランタン賞の内容はちょっと物足りないものの、この距離であれば巻き返しは可能でしょう。
距離が延びたル・プランタン賞でも3着に粘ったシュリーデービー、このくらいの距離が得意なムーンオブザボスまで。
◎2、トゥルスウィー
○10、テイエムサツマオー
▲3、プリマステラ
△9、シュリーデービー
△1、ムーンオブザボス
*25日(日)金沢 第11R『金沢スプリングカップ』 1900m 17:40発走*
けっこう難しいメンバー構成ですが、フジヤマブシを本命にしました。
ものすごい末脚のある馬で、これまで重賞2勝。
特にMRO金賞でのニュータウンガール、ハクサンアマゾネスとの接戦は印象深いレースです。
古馬に混じっても中日杯で3着と存在感を見せました。
ただ休み明けだった前走は6着...内容的にも物足りなく感じましたが、一度使った効果は大きいと思いますし、さらに距離が延びるのもプラス材料。
強敵が揃いましたが、ぜひ古馬重賞でも頑張って欲しいです。
移籍初戦の前走8馬身差の圧勝劇だったエイシンレーザーにも注目。
JRAで2勝を挙げた実績馬で兵庫時代はA級で走っていました。
大井でも強い相手と戦って来ましたから、今回のメンバーに入っても見劣りしません。
このまま一気に重賞を勝ってしまうのか、どんなレースを見せてくれるか楽しみです。
トップロイヤルは大井移籍時代も含めて7連勝中と勢いがすごいです。
前走はかなりメンバーが揃っていましたが、早め先頭から凌ぎ切りました。
重賞でももちろん好勝負でしょう。
ファストフラッシュは好位から上手にレースが出来る馬で、安定して上位争いをしてくれます。
これまで重賞ではちょっと足りないイメージでしたが、今年に入ってさらに力を付け、白銀争覇2着、JBCイヤー記念2着。
ここも好位から流れに乗る競馬が出来るのではないでしょうか。
重賞で何度も好走しているトウショウデュエルまで。
◎1、フジヤマブシ
○4、エイシンレーザー
▲7、トップロイヤル
△5、ファストフラッシュ
△2、トウショウデュエル
*21日(水)名古屋 第11R『東海クイーンカップ』 1800m 16:25発走*
各地から遠征馬が揃って、地元の重賞実績馬も参戦ということで、例年以上にワクワクするメンバー構成になりました。
実力馬が多い上にスピード馬が複数いて展開の読みが難しい...、しかも距離初経験の馬も多いのです。
その分、いつもより1頭印が多くなってしまいました。。
本命はサブノタマヒメとニジイロで迷った結果、地元ニジイロにしました。
繊細な牝馬だということですが、果敢に遠征に挑戦して兵庫クイーンセレクションで勝利。
前走は浦和まで長距離遠征し、-1キロと体が大きく減らなかったことは成長の証でしょう。
レースは後方からロングスパートで5着。南関東一線級の馬たちと戦ったことはいい経験になったと思います。
道中揉まれ弱いイメージがある分、外目の枠に入ったこともプラス材料。
初めての1800mがカギにはなりますが、久しぶりの地元戦でさらに成長した姿を見せて欲しいです。
対抗は金沢のサブノタマヒメ。
デビューから無敗で金沢プリンセスカップと兼六園ジュニアカップを勝利。
その後2戦は2着だったものの、休養を挟んで今シーズン2連勝。
前走はマナバレンシアとのマッチレースを制し、改めて力のあるところを見せてくれました。
前向きで一生懸命なタイプなので、距離が持つかというのはポイントになりそう。
さらに今回は初めての遠征競馬。
初もの尽くしでも自分の競馬が出来るか、試金石になる一戦です。
3番手評価は大井のミラバーグマン。
初めての名古屋遠征競馬だった若草賞では惜しい2着でした。
中団から上がって行って、パールプレミアとの追い比べになったわけですが、3/4馬身差ということを考えると、3コーナーで弾かれたことが響いたかな...と感じます。
まだキャリアの浅い馬ですが、初名古屋で初重賞で差のない競馬が出来たことは自信になったのではないでしょうか。
お母さんは名古屋で活躍した名牝ピッチシフターであり、今後さらに成長して来ると思いますが、現時点でも十分戦えると思います。
北海道勢を抑えて金沢シンデレラカップを勝ったマナバレンシアにも注目しています。
これまでは好位中団から差して来る競馬が多かったように思いますが、休養を経て今シーズンは2戦とも逃げる形になりました。
前走はサブノタマヒメとの一騎打ちで半馬身及びませんでしたが、並ばれてからもよく食い下がりましたね。
遠征競馬は経験済み。レースの幅が広がったし、距離もこなしてくれるのではないかと思っています。
ル・プランタン賞は初もの尽くしの中2着だった高知のサンシェリダン、ゴールドウィング賞を勝っているダイセンハッピー、1800mの梅桜賞を逃げ切ったティーズダンキーまで。
◎9、ニジイロ
○6、サブノタマヒメ
▲3、ミラバーグマン
△10、マナバレンシア
△12、サンシェリダン
△2、ダイセンハッピー
△1、ティーズダンキー
*18日(日)高知 第6R『二十四万石賞』 1900m 18:10発走*
高知最強馬スペルマロンVS各地で結果を出して来たショートストーリーの2強対決という印象。
どちらも強いですが、レースの安定感を重視してスペルマロンを本命にします。
昨年5月の福永洋一記念から、距離問わずずっと上位争いをして来ました。
スタートで落馬競走中止となった後、少し間隔を置いて使った珊瑚冠賞を快勝。
そこから4連勝で高知県知事賞を連覇と、高知ナンバー1ホースに相応しい活躍を見せました。
大高坂賞ではアイアンブルーの末脚に捉えられましたが、続くだるま夕日賞では自ら逃げる形で運び、どんどんペースアップして行って、後ろは付いていけませんでしたね。
前走の黒船賞はさすがに相手が強かったですが、地元馬同士の戦いであれば、今回も中心の存在でしょう。
ショートストーリーはJRA4勝から高知に移籍。
C級B級で3連勝した後、挑んだ報知オールスターカップで5着に追い込んで、能力の高さを印象付けました。
白鷺賞ではジンギに真っ向勝負を挑み、結果3着でしたが、最後甘くなったのは勝ちに動いた分。
はがくれ大賞典ではなかなかエンジンが掛からずハラハラしましたが、3,4コーナー途中でエンジンが掛かってからの末脚は鋭かったですね。
重賞タイトルこそまだないものの、各地で強い馬たちと戦って上位争いをして来ました。
いよいよ高知の重賞に登場するということで、どんな戦いを見せてくれるか楽しみです。
この2頭が強い分、3番手以下はどの馬が来てもおかしくないのでは?という雰囲気。
モルトベーネはJRA時代の実績を考えると、ここでも十分通用する器。
レースの幅も広く、逃げて良し好位でも良し追い込んでも良しというイメージ。
メンバー次第でどんな競馬にも対応出来ると思いますし、1900mの舞台も持ってこいでしょう。
JRA1勝クラスから転厩して来たビービーデフィは現在7連勝中と勢いがあります。
初の重賞挑戦で一気に相手が強くなりますが、どのくらい戦えるか試金石になる一戦です。
距離が延びて良さそうなフクノグリュックまで。
◎4、スペルマロン
○5、ショートストーリー
▲3、モルトベーネ
△10、ビービーデフィ
△2、フクノグリュック