日程が分散していよいよダービーウイーク最終戦を迎える兵庫ダービー。10番人気ながら菊水賞を制した牝馬シュエットは残念ながら回避となった。
当初の予定通り、一冠目の菊水賞は回避してダービーを獲りに来たマイタイザン。全日本2歳優駿JpnI(10着)以来5カ月ぶりの復帰戦となった3歳特別は、格下相手ということもあって後続の脚色を確認しながらの10馬身差圧勝。勝ちタイムは菊水賞より2秒ほどかかったものの、久々に加えて一杯には追われていないこと、また菊水賞が不良馬場で時計の出やすい馬場だったことを考えれば、まったく見劣るものではない。期待馬が実力を見せつけてくれそうだ。
マイタイザンを負かすとすればエイシンニシパ。菊水賞はラチ沿いの最短コースを通ってなんとか3着は確保したというレースだったが、兵庫チャンピオンシップJpnIIでは中央馬相手でも積極的に2番手で追走し、さすがに直線では失速したものの、それでも地方最先着の6着。厳しいペースを経験したことで力をつけている可能性はある。走破タイム2分2秒7は、兵庫ダービーで勝ち負けになるタイム。
北海道デビューのハタノキセキは、中央を経由して園田では7戦4勝。今回が重賞初挑戦となるが、1700、1870メートルと、距離を延ばして連勝しているだけに怖い存在だ。
タケマルビクターは、菊水賞では直線で一旦は先頭に立って勝ったかと思ったところ、シュエットと追い比べとなって惜しくもハナ差2着。巻き返しなるかどうか。
2歳時には大晦日の園田ジュニアカップを制したノブタイザンだが、3歳初戦の菊水賞では万全の状態ではなかったことに加え、出遅れてレースにならず6着。続く前走も5着だが、休み明け3戦目で態勢が整っていれば上位争いの実力はあるはず。
◎2マイタイザン
◯11エイシンニシパ
▲12ハタノキセキ
△5タケマルビクター
△6ノブタイザン
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いよいよ新旧チャンピオン同士の対決だ。もう5年も地元金沢では連対を外していないナムラダイキチに、JpnIの川崎記念を別とすれば中日杯から重賞4連勝中のグルームアイランド。
ここは川崎、笠松と、遠征しての重賞でも負けないグルームアイランドに期待する。門別でのデビューから南関東の条件クラスを経由して20戦17勝という成績。まだ底を見せていない。目標が、金沢所属馬はこれまで一度も勝ったことがないダートグレード。であればこそナムラダイキチにも負けられない。
脚部不安でなかなか順調に使えないナムラダイキチは、一昨年、昨年とも2戦ずつだったが、今年はこれが3戦目。それでもなぜか百万石賞だけは今年で5年連続出走で、これまでは2着、1着、1着、2着。昨年は、早め先頭のジャングルスマイルとの差を詰められずというレースだった。それ以来となったのが今シーズンの初戦で、A-3からA-2を楽勝。とはいえ今回が久々の一線級との対戦。しかも相手が全国区のグルームアイランドでは分が悪いと見る。
3番手にトウショウプライド。冬休み明けの4戦いずれもA1特別を使われて4戦3勝と好調。しかし昨年の中日杯では、勝ったグルームアイランドに2秒8もの差をつけられて4着。今回はどこまで差を詰められるか。
トウショウプライドが2強に真っ向勝負に行って崩れた時の3着候補に、中央1000万から転入初戦のA1特別が3着だったトニーポケット、A3特別まで3連勝中のバルタンセージ。
◎6グルームアイランド
◯1ナムラダイキチ
▲9トウショウプライド
△5トニーポケット
△3バルタンセージ
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A級馬による1800メートルのS2重賞。9頭の登録があったものの5頭立てと寂しい頭数になった。
前走、A級の北山湖特別組が5頭中3頭。勝ったヴィルトグラーフが圧倒的な強さで、それをぴたりと2番手で追走し、直線で差を広げられたとはいえ、後続勢には交わさせず2着に粘ったアーサーバローズが中心。大井から転入してここまで3戦、着順をひとつずつ上げて、勝ち馬との着差も徐々に縮めているだけに調子を上げてきているともいえそうだ。
相手には北山湖特別3着のエリモブリーズ。5番手を進んで、最後はアーサーバローズとの差を詰めた。2走前の阿蘇山賞ではアーサーバローズ(3着)に先着しての2着だっただけに、展開次第というところはありそうだ。
中央から転入初戦となるイタリアンネオは、初めてのダートがどうかだが、ダートさえこなせば通用する力はある。あとは8カ月ぶりの休み明けがどうだろう。
北山湖特別が4着だったカーバは、3着のエリモブリーズとは3/4馬身差。とはいえ3走前の尾鈴山賞では、アーサーバローズ、エリモブリーズに先着しての3着があった。ただ大井から転入後3戦、いずれも勝ち馬から離されているだけに4番手評価。
互いに先着したりされたりという3頭に転入初戦馬がいて、5頭立てとはいえ混戦となりそう。
◎1アーサーバローズ
◯3エリモブリーズ
▲5イタリアンネオ
△4カーバ
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ダート短距離路線で圧倒的ともいえる能力を発揮しているダノンレジェンドだが、出遅れたり馬群に包まれたりしなければ......と条件がついてしまうのが、この馬が真のチャンピオンになりきれていないところ。前走東京スプリントJpnIIIでもスタートで出遅れて万事休す。それでも上り3ハロンはメンバー中最速で追い上げている。今回は7枠11番という外から3番目の枠に入って包まれる心配はなく、あとは出遅れさえしなければ強い競馬を見せてくれることだろう。
ノボバカラは、準オープン、オープンそして前走がかきつばた記念JpnIIIと、3連勝でダートグレード初制覇。昨年のユニコーンステークスGIIIでも好位を追走してノンコノユメの2着があり、特に近走は逃げるか2、3番手から先行して結果を残してきた。それが前走かきつばた記念JpnIIIでは、スタートで両脇から挟まれるような格好になって5番手から。これではダメかと思ったが、名古屋の短い直線で1頭だけ次元の違う末脚を繰り出して差し切った。勢いのある若い4歳馬だけに、今後の期待も大きいが、今回初めての1200メートル戦がどうか。地元の桑村騎手騎乗は楽しみ。
アウヤンテプイは今回で4年連続での出走。3年前はコンマ5秒差で4着、2年前もコンマ4秒差で4着、そして昨年こそ1秒差をつけられての5着だったが、いずれも好走といえる内容。シーズンをまたいで目下4連勝中と、7歳になったが衰えはない。
レーザーバレットは2走前の東京スプリントJpnIIIが6着と案外の結果だった。昨年から地方のダートグレードを使われるようになって、ここまで地方では7戦。1400メートルでは5戦すべて3着以内だが、1200メートル戦では4着と6着。右回りで直線も長い、大井と似たような門別1200メートルでどうだろう。
クリーンエコロジーは、前走こそ直線で失速してしまったが、昨年はエトワール賞を制するなど力はある。2年前だが中山ダート1200メートルの千葉ステークスで3着もあり、連下の穴候補。
スノードラゴンは芝でGI勝ちがあるゆえ、前走かきつばた記念JpnIII(5着)に続いて59キロを背負う。ダノンレジェンドとは1キロ差だが、スピード勝負の短距離戦で、58キロと59キロの差は大きい。3着まで。
◎11ダノンレジェンド
◯8ノボバカラ
▲4アウヤンテプイ
△2レーザーバレット
△3クリーンエコロジー
△5スノードラゴン
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重賞4連勝を含む、目下6連勝中のカツゲキキトキトのレースぶりが断然だ。2歳時はまったく目立たなかった成績の馬が、重賞初制覇となったスプリングカップからは一方的なレースばかり。7連勝でダービー制覇なるかどうか。ただ今回は新興勢力が手ごわそうだ。
その筆頭は、金沢から遠征のバーバリライオン。北海道から移籍した中央では9着が最高という成績だったが、金沢に転入後3連勝で北日本新聞杯を制した。3戦いずれも逃げ切りで一方的なレース。北日本新聞杯では、追いかけてきた2頭が6着、最下位に沈んでいるので、力の違いは圧倒的だった。ただその勝ちタイムが過去の北日本新聞杯と比べて平凡なのがどうか。
さらに地元名古屋の新興勢力は、中央未勝利から転入後、2着のあと6連勝中のキタノシャーロット。一気の距離延長がどうかだが、2走前の1600メートル戦では楽々と逃げ切って2着に2秒の大差をつける圧勝。持ちタイム的にもカツゲキキトキトと比べて劣るものではなく、いきなり通用する可能性はある。
好位に控えるカツゲキキトキトに対して、バーバリライオン、キタノシャーロットがどんなペースで先行するのかもポイントになりそう。
北日本新聞杯の最後の直線で唯一バーバリライオンとの差を詰めたザウアー、駿蹄賞で直線伸びて2着に入ったキタノアドラーブルが連下候補。
◎6カツゲキキトキト
○11バーバリライオン
▲7キタノシャーロット
△12ザウアー
△10キタノアドラーブル
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