ダート競馬の体系整備によって大井で行われていたTCK女王盃JpnIIIが園田に移設され兵庫女王盃JpnIIIと名称変更。これまで牝馬限定のダートグレードは東日本のみで実施されていたが、そのひとつを西日本に移した。中央勢にとっては小回りの園田コースに対応できるかもひとつポイントになりそう。
実績最上位は、昨夏に名鉄杯を制して以降充実ぶりが目立つアーテルアストレア。レディスプレリュードJpnII、クイーン賞JpnIIIと地方のダートグレード2勝に、JBCレディスクラシックJpnIで3着。そのJBCレディスクラシックJpnIで先着された2頭が前日の川崎記念JpnI出走で不在となれば期待は大きい。しかしながら右回りには不安があり、レディスプレリュードJpnIIを勝ったとはいえ長い直線が味方してのもの。果たして小回り園田の右回りでどうだろうという疑問があり対抗評価まで。
そして本命は、地方初参戦だがサーマルソアリングの未知の魅力に賭けてみる。ダートに転向して3勝クラスまで3連勝。前走初オープンの総武ステークスでは2着に敗れたが、逃げ馬を負かしに行ってうしろから来た馬に差されてという展開的なところがあった。地方初参戦で園田コースがこなせるかはやってみないとわからないが、牡馬相手のオープン特別で好勝負なら、牝馬限定のダートグレードでも通用する能力はある。
大井に移籍して2戦目となるキャリックアリードはここまでデビューからダートのみ8戦してすべて3着以内。2月のクイーン賞JpnIIIでは勝ったアーテルアストレアから離されての3着だったが、神奈川記念では直線追い込んできわどい2着があり、その持ち味が生かせればチャンスはある。
ヴィブラフォンは神奈川記念を制して以来4カ月ぶりの実戦となるのがどうか。地元期待は牡馬一線級相手に園田金盃を制したスマイルミーシャ。11月のクイーン賞JpnIIIを制し、2月のクイーン賞JpnIIIでは4着だったライオットガールには巻き返しのかかる一戦。
◎9サーマルソアリング
◯5アーテルアストレア
▲8キャリックアリード
△2ヴィブラフォン
△4スマイルミーシャ
△7ライオットガール
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ミスターダーリンは、菊水賞トライアルでウェラーマンと一騎打ちとなって直線半ばで屈して2着に敗れたが、これまで8戦して3着以内を外したのは一度だけ。園田ジュニアカップでは目標にしたクラウドノイズを直線でとらえようかというところで、後ろからきたマルカイグアスに差されての2着。勝ちきれない面はあるものの、常に高いレベルで能力を発揮している。勝つという本命ではないが、連軸としてなら中心視できる。
グランレザンドールは中央未勝利から転入して2連勝。初戦が8馬身差の圧勝、続く前走は直線半ばで先頭に立って突き放す完勝。しかしながら中央では4戦してすべて勝ち馬とは2秒程度離されており、転入後もやや楽なメンバーとの対戦。とはいえこのレースとしてはめずらしく重賞勝ち馬がいないというメンバーなら一気に頂点に立つ可能性もある。騎乗停止中の下原騎手に替って山本咲希到騎手がどんなレースを見せるか。
菊水賞トライアルでミスターダーリンを競り落としたのがウェラーマン。園田ジュニアカップでは直線脚が上がって6着に敗れたが、それ以外の3戦はいずれも完勝といえる内容。前走休み明けを勝った勢いなら一気に重賞突破も期待できる。
モンゲーギフトは2歳12月のデビューから一方的なレースぶりで3連勝。菊水賞トライアルでは1番人気に支持されたものの、一騎打ちとなった▲◎から離されての3着。デビュー戦から16kgという馬体減の影響も考えられ、輸送のない園田なら巻き返しは可能。勝つのはここまで4頭のどれか。
オーシンロクゼロは11月のデビューから3連勝。今回3カ月ぶりの実戦となるのは馬運車での輸送が課題で姫路開催は自重したためとのこと。一気の相手強化でどうか。
トウケイカッタローは、デビューから2連勝のあとネクストスター園田では、勝ったマミエミモモタローにクビ差2着の接戦。ただその後、距離延長となって好走までという成績だけに距離が課題となりそう。
◎1ミスターダーリン
◯7グランレザンドール
▲2ウェラーマン
△6モンゲーギフト
△5オーシンロクゼロ
△3トウケイカッタロー
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大井から移籍初戦となるシガーヲスウオトコは2021年以来勝ち星から遠ざかっているとはいえ、南関東のA2戦で勝ち馬から1秒前後の差で走っており、ここに入れば能力上位。長期休養もあったが前走2月に3着好走があり、能力は発揮できそう。大井1200メートルを中心に使われてきただけに、あとは水沢1400メートルというコースが合うかどうか。
既存勢力では牡馬の一線級とも互角以上の勝負をしている牝馬ゴールデンヒーラーが筆頭。桐花賞以来の休み明けと、昨年は好不調の波があったのがどうかだが、水沢1400メートルは昨年4月に栗駒賞を制しているだけに距離は問題なさそう。
中央2勝クラスから転入初戦となるのがゲンパチプライド。2勝クラスでは二桁着順もあって頭打ちだったが、ダート1400メートルを使われコンマ数秒という差での好走もあるだけに見劣りはしない。
アメージングランは高知A級から転入初戦となった前走1400メートル戦で、中団から3〜4コーナーでまくって直線フジラプンツェルを競り落とした。高知での格付けからはここでも勝ち負け可能。
ドルズプライスレスはこの1年で連対を外したのが1度だけ。今回が重賞初挑戦だが、まだ底を見せていない。
昨年の栗駒賞でゴールデンヒーラーの2着だったのがゼットセントラル。冬休み明けをひと叩きしているだけに、上積みを期待したいところ。
◎1シガーヲスウオトコ
○4ゴールデンヒーラー
▲3ゲンパチプライド
△5アメージングラン
△2ドルズプライスレス
△12ゼットセントラル
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デビューした門別ではフレッシュチャレンジを制したのみだったスティールアクターが名古屋移籍後6戦5勝。重賞初挑戦だった新春ペガサスカップでは3コーナーで一気に先頭に立ったが、追ってきたミトノユニヴァースに直線で競り落とされ、さらにフークピグマリオンにも交わされて3着。しかしスプリングカップでは同じように3コーナーで先頭に立つとそのまま後続を寄せ付けず完勝。続く前走笠松のジュニアグローリーでは、やはり3コーナーで先頭に立つと直線では手綱を抑える余裕で2着ワラシベチョウジャに4馬身差をつけた。重賞連勝での充実ぶりはすばらしい。
2歳時にゴールドウィング賞を制したフークピグマリオンは、新春ペガサスカップは前述のとおりスティールアクターに先着しての2着も、スプリングカップではスティールアクターに0秒8離されての3着。巻き返しなるかどうか。
ミトノウォリアーも3歳になって3連勝と充実ぶりが目立つ1頭。笠松のゴールドジュニアはクビ差の辛勝だったが、続く前走、準重賞の中京ペガスターカップは3コーナーで先頭立つとそのまま後続を振り切っての完勝。ここまで9戦6勝、2着2回で、連対を外したのは兵庫ジュニアグランプリJpnIIの5着だけ。ただ、戦ってきたメンバーでは◎○のほうがレベルが高い。
兵庫クイーンセレクションで重賞初制覇となったニジイロハーピーは、それまでも重賞で善戦があったが、フークピグマリオンやミトノウォリアーとの対戦では分が悪く、よほどの成長がない限り連下争いまで。
ネクストスター金沢を制したダヴァンティは、冬休み明けの3歳A1特別を快勝して4戦全勝。今回、初めての遠征競馬で他地区の馬とも初対戦ということでは実力が試される一戦。
ウワサノルイは北海道から名古屋移籍後、10戦して3着以内を外したのが1度だけ。ここにきての充実がうかがえるだけに、重賞初挑戦でどこまでやれるか。
◎7スティールアクター
○9フークピグマリオン
▲8ミトノウォリアー
△2ニジイロハーピー
△10ダヴァンティ
△6ウワサノルイ
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2月22日の兵庫ユースカップは、4コーナーで前をとらえたリケアサブルが直線で抜け出し、1番人気のワンウォリアーが追ったもののとらえきれず2馬身半差2着で、高知のワンツー。3着馬には8馬身も差がついた。道中位置取りの差と展開でリケアサブルに凱歌が上がったが、ここはワンウォリアーの雪辱を期待する。
今回もこの2頭が上位と見るが、リケアサブルには当日の条件交流に騎乗している小牧太騎手が騎乗となった。高知の馬に小牧太騎手は意外に思われるかもしれないが、田中守調教師とは昭和60年10月デビューの地方競馬教養センターの同期。昭和から平成の時代を飛び越えて、令和の時代になってこういうコンビが実現するとはなんとも感慨深い。ひょっとして、このコンビを実現させるために小牧騎手が条件交流に騎乗したということだろうか。
3番手にも高知のホーリーバローズ。1600メートルの土佐水木特別は6着だったが、その後3戦連続連対。中央との条件交流、1400メートルの竜王盃を4馬身差で逃げ切り、1300メートルの土佐春花賞で2着。この1400メートルの舞台で能力を発揮する。
佐賀のトゥールリーは、前走古馬A2戦はさすがに厳しかったが、それでも勝ち馬とは0秒7差。1750メートルの佐賀若駒賞を勝っているが、やはり適性は1400メートルあたりのようで、強力高知勢相手にどこまでやれるか。
さらに高知勢でウオタカも見劣りしない。2歳時のネクストスター高知こそ9着だったが、その後佐賀に遠征したフォーマルハウト賞で3着と好走。今回はそれ以来4カ月近くぶりの実戦だけに、成長があるかどうか。
迎え撃つ地元勢では、ここ2走の重賞が案外だったクラウドノイズに巻き返しがあるかどうか。
◎6ワンウォリアー
○10リケアサブル
▲9ホーリーバローズ
△5トゥールリー
△4ウオタカ
△2クラウドノイズ
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