
岩手の既存勢力は冬期休催明け後に1戦、もしくは今回が休み明けという馬がほとんど。そうしたメンバーで東海地区の重賞戦線で上位を争ってきたボルドープラージュは強力だ。2走前のゴールドジュニアこそ先行勢総崩れの前半ハイペースに巻き込まれて失速してしまったものの、続く前走園田ユースカップは9番人気という低評価ながら、逃げてマイペースに持ち込むと、早めに競りかけられながら、地元期待のジンギにクビ差2着と粘って見せた。ここはかなり相手関係が楽になったと見るべきだろう。
エムワンピーコは、デビュー2戦目から4連勝中と、まだ底を見せていない。12月23日の水沢戦以来となるが、その1400メートル戦は、向正面で一旦位置取りを下げたものの、3コーナーでもう一度先行勢にとりつくと、直線だけで突き放して6馬身差圧勝。まだまだ遊びながら走っているようなところがあり、能力は相当なものかもしれない。
ウィズジョイは、北海道勢が強かった知床賞こそ8着惨敗だったが、ビギナーズカップ3着など結果を残していた。今回、5カ月ぶりの実戦でどこまで仕上がっているか。
ミラクルフーガは、ここまで1勝だがすべて掲示板内の好走。冬休み明けの初戦もまずまずの走りを見せた。
メルシーキララは12月23日の水沢戦でエムワンピーコの2着があり、そのあと南関東に一時的に移籍。岩手復帰初戦こそ差のある5着だったが、休まず使われてきた経験は活きてきそう。
◎2ボルドープラージュ
○3エムワンピーコ
▲8ウィズジョイ
△10ミラクルフーガ
△5メルシーキララ
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重賞勝ち馬が、2歳時に岩手の若駒賞を制したニューホープのみと、ややメンバーが薄い重賞となった。
そんなメンバーの中で、3歳の上位クラスで好成績を残しているのがサウスグラストップ。中央未勝利から転入後、5戦3勝。ゴールドジュニアは4着だったが、今回のメンバーの中では最先着。続く2走前のうお座特別はアタマ差2着の接戦。いよいよタイトル奪取のチャンスが巡ってきた。
ニューホープは3歳初戦として中京芝のファルコンステークスGIIIに挑んだが、さすがに勝負にならなかった。ただ芝のスピード競馬を経験して力をつける馬もたしかにいるので、ここは上昇に期待したい。
ポアンカレは門別未勝利から転入してここまで1勝。前走、初めての特別戦となった桜月特別がサウスグラストップに1秒1差の3着。中団追走から直線しっかり脚を使って悪い競馬ではなかった。
ライトリーは、その桜月特別で、さらに遅れて6着。ただ2走前には3歳3組戦を圧勝しており、上位クラスで勝ち負けするにはもう一段階のパワーアップが望まれる。
ゴールドジュニアは6着も、笠松の2歳・3歳の3組戦まで連対を外していないレジア、桜月特別は8着も3歳1組戦で掲示板があったマグマミキサーらは連下争いまで。
◎6サウスグラストップ
○4ニューホープ
▲7ポアンカレ
△1ライトリー
△5レジア
△3マグマミキサー
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サクラレグナムの黒船賞JpnIIIは、5着という着順は残念だったが、昨年のサマーチャンピオンJpnIIIを制した兵庫のエイシンバランサーとハナ差の4着争い。JRA勢の前3頭にはやや離されたとはいえ、2頭でJRA勢上位独占を阻止した。10歳ながらあらためてグレードでも通用する能力を見せたといってよく、地元同士なら負けられない一戦。
相手筆頭には、兵庫から移籍して3戦目、9歳にして重賞初挑戦となるポンデザムール。昨秋、門別から兵庫に移籍してA2特別を2連勝後に高知に転入。出走取消のあと、B-2戦を大差で圧勝し、続く前走A-4戦も、スタートダッシュこそイマイチだったが、3コーナーからひとまくり。直線は軽く気合をつけられただけで後続を寄せ付けなかった。そのときの1400メートル=1分29秒7という勝ちタイムも、そのまま重賞で通用するもの。
中央オープンから転入したモンドクラッセは、ここまで高知で10戦3勝。期待の大きさほどの成績は残せていない感じ。それだけ高知のオープンクラスのレベルが高いともいえるが、これまで4戦した1400メートル戦では一度も1分30秒を切るタイムがない(1分30秒ちょうどはあった)というところが、今のこの馬の能力を示しているのかもしれない。とはいえ、あっと言わせる場面も期待したいところ。
コスタアレグレは、昨年秋の黒潮マイルチャンピオンシップを制し、大高坂賞ではサクラレグナムの2着。キクノグラードは10歳ながら、2月のアメジスト特別ではモンドクラッセに4馬身差をつける快勝。この2頭が上位争いに食い込んでくるかどうか。
◎9サクラレグナム
○6ポンデザムール
▲5モンドクラッセ
△2コスタアレグレ
△1キクノグラード
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デビューから9連勝中のエムエスクイーンが不在となったのは残念だが、馬券的には狙い所がさまざまにありそうな一戦。
ゴールドリングは、ゴールドジュニアこそかかり気味に逃げて5着に失速したが、続くはやぶさ特別は8馬身差の圧勝。スプリングカップは2着だったが、相手がエムエスクイーンと並ぶ東海地区2強のアンタエウスでは仕方ない。着差が1馬身半ということではむしろ評価できる。強敵不在となって、ここは重賞初制覇のチャンス。
相手筆頭は、佐賀から遠征のニュールック。北海道未勝利から移籍後、佐賀で4連勝。前走飛燕賞は、やはり連勝中だったスーパージンガに3馬身差をつける完勝。そのスーパージンガが、その後古馬に格付けされB-3組で勝利ということでも評価できる。
兵庫のリリコは初遠征となったスプリングカップが3着で、2着のゴールドリングに4馬身差。中団追走から勝負どころで置かれてしまったが、最後はしっかり脚を使っていた。一度経験した名古屋コースで逆転まであるかどうか。
リードメロディーは、年明け後はやや精彩を欠いているが、ライデンリーダー記念でエムエスクイーンにクビ+1/2馬身まで迫って3着という実力。巻き返しに期待したいところ。
ややメンバーが軽くなった中京ペガスターを制したトリマゴラッキだが、新春ペガサスカップではアンタエウスに1秒差(2着)、スプリングカップでも同じくアンタエウスに2秒1差(6着)という成績。ここは連下争いまで。
ハッピーフライトもライデンリーダー記念でエムエスクイーンに0秒2差(4着)、梅桜賞でも0秒6差の2着があり、このメンバーなら侮れない存在。
◎12ゴールドリング
○6ニュールック
▲4リリコ
△9リードメロディー
△5トリマゴラッキ
△7ハッピーフライト
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メイショウオオゼキは中央1000万条件から転入して4連勝中の9歳馬。たしかにまだ一線級との対戦はないものの、ここ2戦のA1特別は、ともに好位から3コーナーで先頭に立ち、直線後続を寄せ付けずという強い勝ち方。前走の1870メートルの勝ちタイム2分1秒7は、同距離の重賞・園田金盃の勝ちタイムと比べても遜色のないもの。中央時代には芝ではあるものの距離の経験もあり、5連勝で重賞初制覇がおおいに期待できそう。
姫山菊花賞以来勝ち星から遠ざかっているのがタガノゴールド。報知オールスターカップの5着はともかく、梅見月杯ではスタートで出遅れ2周めの向正面で好位まで進出したものの、直線でばったり止まってしまった。本来の調子に戻っているかどうか。
中央準オープンから転入したのがエイシンビジョン。転入初戦、ゴール前迫ったタガノヴェリテを振り切っての逃げ切りは評価できるもの。続く前走でも逃げたものの、モズフレミントンに向正面からプレッシャーをかけられ直線で失速してしまった。ここは巻き返しがかかる一戦。ただ中央時代が1400メートル戦を中心に使われていたこともあり、距離延長が気になるところ。
重賞では4着が最高というメイショウヨウコウだが、今回◎○以外はやや格落ちという感じのメンバー。であれば、昨年秋以降のA1特別での好走実績から、馬券圏内も期待できそう。
◎12メイショウオオゼキ
○1タガノゴールド
▲3エイシンビジョン
△2メイショウヨウコウ
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