
ばんえい競馬も4月21日から新年度の開催が始まった。そして、シーズン最初に行われる重賞が、ばんえい十勝オッズパーク杯。
ばんえい競馬は、かつて旭川、帯広、岩見沢、北見の4競馬場で行われていたが、2006年度には廃止の危機があり、07年度からは帯広市が単独で開催することで存続したという経緯がある。帯広市単独開催となった"新生・ばんえい競馬"の初年度に新設されたのが、ばんえい十勝オッズパーク杯。なぜオッズパークが重賞のレース名になったかといえば、以前に詳しく書いたこちらをご覧いただきたい。
4月30日に行われるばんえい十勝オッズパーク杯の登録馬はすでに発表されているが、オープンのトップクラス勢揃いの豪華メンバーになりそうだ。
そもそも、開幕日のメインレースとして行われたスプリングカップからして、3月のばんえい記念の上位を占めた3強が揃って出走し、しかもばんえい記念と同じ着順での決着となった。
シーズン当初からこれほどトップクラスの有力馬が勢揃いとなるのはめずらしい。ばんえい記念は年にたった1度だけ、1トンという酷量のソリを曳くためその反動が大きく、例年であればシーズン当初は立て直しを図って休養する馬も少なくないからだ。
ばんえい十勝オッズパーク杯は、シーズン最初に行われる重賞だけあって、古馬(4歳以上)の重賞としては、もっとも軽い重量で争われる。ばんえい記念より300キロ近く軽いソリで争われるため、本来なら1トンで争われるばんえい記念とは求められる適性が異なるはずだが、過去の勝ち馬を見ると、ばんえい記念の勝ち馬・活躍馬が少なくないことに気付かされる。
ばんえい十勝オッズパーク杯の過去の勝ち馬は以下。
07:カネサブラック(牡5)
08:カネサブラック(牡6)
09:カネサブラック(牡7)
10:ナカゼンスピード(牡7)
11:カネサブラック(牡9)
12:ホッカイヒカル(牡8)
13:キタノタイショウ(牡7)
14:キタノタイショウ(牡8)
15:オレノココロ(牡5)
16:オレノココロ(牡6)
17:コウシュハウンカイ(牡7)
18:コウシュハウンカイ(牡8)
19:オレノココロ(牡9)
20:コウシュハウンカイ(牡10)
21:アオノブラック(牡5)
22:アオノブラック(牡6)
2022年のばんえい十勝オッズパーク杯。連覇を果たしたアオノブラック(右)に、2年連続2着のメムロボブサップ(左)/写真:ばんえい十勝
目立つのはリピーターが多いこと。そして2回以上勝っている馬は、いずれもばんえい記念を制しているか、もしくはばんえい記念で3着以内があるチャンピオン級の実力馬となっている。
第1回から3連覇を果たし4勝を挙げたカネサブラックは、11、13年にばんえい記念を制し、重賞通算21勝は当時の最多記録。
キタノタイショウは、オッズパーク杯2連覇を果たした14年度(15年3月)にばんえい記念を制した。
オレノココロは、17、18、20年とばんえい記念3勝。カネサブラックのばんえい重賞最多勝記録を更新し、その記録を25まで伸ばした。
コウシュハウンカイは、残念ながらばんえい記念制覇はなかったものの、6歳から11歳まで6年連続でばんえい記念に出走し3着が3回。重賞通算15勝は、立派なチャンピオン級と言っていい。
そしてアオノブラックは、先月のばんえい記念でメムロボブサップに接戦の2着。昨シーズン重賞4勝は単独最多だった。
さて、今年のばんえい十勝オッズパーク杯は、アオノブラックの3連覇なるのか。それとも、昨年のばんえい記念を制したメジロゴーリキか、今年制したメムロボブサップか。いずれにしてもこの3強を巡る争いとなりそうだ。
1着賞金が昨年の1200万円から今年は2000万円に増額。連覇を狙うトーセンブルをはじめ南関東だけでなく、高知、佐賀からも2000メートル以上の重賞実績馬が遠征してきた。
ここは2000メートルを超える長距離戦を選んで使われているトーセンブルの連覇に期待する。昨年のこのレース以来勝ち星から遠ざかっているとはいえ、2月の金盃では12番人気と人気を落としながら得意の舞台でカイルにアタマ差の2着。続く幸オープンも3着ながら勝ち馬とは0秒3差で、ここに来て調子を上げてきた。昨年は岡部誠騎手での勝利だったが、今年は笠松の若きリーディング渡邊竜也騎手。渡邊騎手では東海菊花賞で2着だったが、その雪辱もかかる一戦。
相手には、金盃のゴール前接戦を制したカイル。昨年、6番人気で東京ダービーを制して以降は4着が最高という成績でフロックかにも思われたが、金盃であらためて能力の高さを示した。ただ地元浦和で勝ち星がないように、笠松の小回りコースがどうか。
11歳のウインユニファイドだが相変わらず安定した成績。昨年9月の鳥栖大賞では南関東・兵庫から遠征勢を相手に5馬身差の圧勝で、大晦日には東海ゴールドカップを制した。梅見月杯は3着だったが、先着されたのは浦和、兵庫からの遠征馬。昨年のこのレースはトーセンブルに3馬身差の2着だったが、今年も上位争いを期待できる。
金盃で、カイル、トーセンブルにコンマ1秒差の3着だったセイカメテオポリス、中央から移籍初戦の白鷺賞でジンギとの一騎打ちを制した佐賀のヒストリーメイカー、一昨年の高知県知事賞の覇者で、前走はがくれ大賞典を制して臨む高知のグリードパルフェらも見せ場以上のチャンスはありそう。
◎6トーセンブル
○8カイル
▲9ウインユニファイド
△11セイカメテオポリス
△7ヒストリーメイカー
△3グリードパルフェ
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昨シーズンの岩手古馬戦線でトップを争ってきたゴールデンヒーラーが、今シーズンはここから始動。昨シーズンは地方馬同士の重賞で3着以内を外すことがなく、青藍賞を勝利。しかもマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIで地元最先着の5着という実績は断然。1400メートルは2年前のあやめ賞以来となるが、その距離短縮も問題にならないだろう。
人気の盲点になりそうなのが、高知から転入初戦のウインカムトゥルー。大井ではB3級で入着までだったが、高知移籍後は下級条件からB-1選抜まで勝った。さらに今の高知のAB混合で入着という実績なら、ゴールデンヒーラー以外のメンバーが相手なら十分通用すると見る。
昨年春に中央1勝クラスから転入して、まだ底を見せていない成績がゼットセントラル。青藍賞5着でゴールデンヒーラーとの力関係ははっきりしているが、11月以降4戦3勝。冬休み明け初戦の1400メートル戦も楽勝しているだけにどこまで迫れるか。
昨年の岩手二冠馬グットクレンジングが大井から戻っての初戦となる。大井のA2以下特別や重賞はさすがに相手が強かったが、ここは相手がかなり楽になった。東北優駿を勝っているものの適距離はマイルあたりと思われ、1400メートルでも能力を発揮する。
冬休み明けの2戦とも2着のハナレイはマイペースの逃げが叶えば粘り込むシーンもありそう。
前走ハヤテ特別でハナレイを競り落としたオンラインボスも4歳になっての充実ぶりがうかがえる。
◎7ゴールデンヒーラー
○11ウインカムトゥルー
▲12ゼットセントラル
△5グットクレンジング
△2ハナレイ
△3オンラインボス
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例年1900メートルで争われてきた金沢スプリングカップだが、今年は4月9日に金沢競馬移転50周年記念が重賞として1900メートルで行われたためか、このレースは1500メートルとなった。
中央オープンから昨年転入したオヌシナニモノは、金沢では使われないまま園田に遠征して重賞を2戦、どちらも全国区のメンバーが相手で苦戦を強いられた。しかし冬休み明けの金沢初戦でハクサンアマゾネス相手に完勝すると、相手が軽くなった前走も3コーナーから抜群の手応えで先頭に立って2着に4馬身差をつける完勝。金沢3連勝で重賞初制覇を狙う。
一方、ハイパーステージも中央2勝クラスから大井を経由して転入し、金沢ではここまで8戦5勝ですべて3着以内と底を見せていない。冬休み明け初戦となった前走も3コーナーから一気にまくって、重賞実績のある馬たちを相手に完勝だった。能力的にはこの2頭の一騎打ちだろう。
フラッグアドミラルも中央2勝クラスからの転入初戦となった前走で後続を寄せ付けず逃げ切り5馬身差の圧勝。ただ一気の相手強化となる今回はどうか。
ネオアマゾネスは、一昨年の徽軫(ことじ)賞でハクサンアマゾネスを負かし、昨年の徽軫賞で連覇という実績。ただそれ以降1年近く勝ち星から遠ざかり、前走金沢競馬場移転50周年記念もハクサンアマゾネスから差のある4着。冬休みが明けて今回が4戦目になるが、上積みがあるかどうか。
ガムランは中央1勝クラスを勝ったのが金沢の条件交流で、その後、障害戦を経験して転入。初戦となった前走がオヌシナニモノに4馬身差をつけられての2着。すでに金沢コースでの実績もあり、先々期待できそう。
◎1オヌシナニモノ
○7ハイパーステージ
▲2フラッグアドミラル
△4ネオアマゾネス
△8ガムラン
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スプリングカップでは高知から遠征の強敵を6馬身ちぎって見せたセブンカラーズは、早くから東海ダービーが目標と公言していたが、5月3日の駿蹄賞ではなく牝馬同士のここを使ってきた。今回は近3走と同じ1700メートルで、牝馬同士の対戦。南関東から2頭が遠征してきたがこれといった重賞実績もなく、よほどアクシデントでもない限り負ける要素は見当たらない。
相手探しの筆頭は川崎のボルドーグリフォン。ここまで1勝のみだが2着が4回。16日に水沢で行われた留守杯日高賞では、浦和・桜花賞の3、4、6着馬が順序を変えて上位3着まで独占。そしてボルドーグリフォンは桜花賞7着からの参戦。セブンカラーズは別格としても、留守杯日高賞のメンバーとのレベル比較になりそう。
エイシンメヌエットは、前走若草賞土古記念が地元馬最先着の3着で、ここも地元勢では最有力。門別デビューで兵庫を経由し、前走が名古屋転入初戦。ここまで15戦して門別での1勝のみだが、2着6回、3着6回で、馬券圏外は門別時代に2回だけ。距離もデビュー戦以外は中距離を使われてきているだけに不安はなく上位を狙える。
浦和のネメシスはここまで11戦して2勝で、勝つか着外かという極端な成績。12月から掲示板外が4戦続いたが、前走最低人気だった中央のとの条件交流戦では、直線を向いて前をとらえると、あっという間に後続をちぎって5馬身差の圧勝。それが本来の力なら、鞍上岡部誠騎手ということも含めて侮れない。アッと言わせる場面があるかもしれない。
笠松のホープアイランド、名古屋のトーホウジェンマは、ともに中央未勝利からの移籍後、ここまで2勝。地方で能力開花なら上位食い込みも。
◎8セブンカラーズ
○7ボルドーグリフォン
▲2エイシンメヌエット
△12ネメシス
△6ホープアイランド
△1トーホウジェンマ
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