バウチェイサーは断然人気で臨んだ菊水賞が3着。兵庫ユースカップより馬体重4キロ減の500キロではあったが、新子調教師によるとそれでも「重め残りだった」とのこと。展開的にも逃げたニネンビーグミをみずから負かしにいかなければならず、終いが甘くなった。兵庫チャンピオンシップJpnIIは10着に沈んだが、これは中央相手に果敢にハナを叩いたので仕方ない。むしろそこで厳しいペースを経験しての上積みは期待できる。今回は隣のニネンビーグミとの先行争いがどうかだが、地元同士のメンバーだけにマイペースで進められれば雪辱可能と見る。たしかに距離不安はあるが、それは今回が試金石。
ベルレフォーンの菊水賞で見せた末脚は圧巻だった。距離延長で能力を発揮することは間違いなく、もう一度あの末脚が生かせる展開になるかどうか。
菊水賞では逃げて6着に沈んだニネンビーグミだが、続くのじぎく賞ではライバルのニフティスマイルを完封。菊水賞でバウチェイサーに早めに来られる厳しい展開を経験して力をつけた。
エイシンクエーサーは門別から転入して4連勝のあと、兵庫ユースカップは5着完敗だったが、菊水賞ではバウチェイサーをマークしてゴール前、確実にとらえた。ベルレフォーンに一気に来られたのは想定外だっただろうが、負けて強しという内容。この馬も進化を見せている。
ニフティスマイルは、あとひと押しが足りず、重賞では佐賀遠征も含めて2着が3回。重賞で牡馬との対戦は初めてとなるが、どこまでやれるか。
◎5バウチェイサー
○2ベルレフォーン
▲4ニネンビーグミ
△7エイシンクエーサー
△6ニフティスマイル
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1月頃までまったく目立った存在ではなかったタニノタビトだが、ここに来て3連勝。しかも駿蹄賞の勝ち方が圧巻。大外枠にもかかわらず内に入れ、砂が重くないギリギリのところを通り、さらに3〜4コーナーでも内からするするとあっという間に先頭に立って直線突き放し、大差をつけての圧勝。馬の能力だけでなく岡部誠騎手の好騎乗も光った。その駿蹄賞と同じ舞台で、これといった新興勢力もいないメンバーなら二冠濃厚と見る。
駿蹄賞2着のイイネイイネイイネは、道中はタニノタビトと同じような位置を進みながら、タニノタビトが一気に内から進出した3〜4コーナーで動けなかったことで大差がついた。展開のアヤで、その着差ほどの能力差はなさそう。目下重賞3戦連続2着で、その勝ち馬が異なるということでは、運に恵まれないだけともいえる。
新緑賞を逃げ切ったのがリンクスターツ。直線追い込んだイイネイイネイイネを1馬身差で振り切った。今回もすんなりハナをとってマイペースなら粘り込む場面はありそう。
駿蹄賞は9着だったパピタだが、続く前走古馬とのA5特別に出走して2着に好走。3月の中京ペガスターカップで2着の実績があり、巻き返してくる可能性はある。
1月の新春ペガサスカップを制したレイジーウォリアー、前走東海クイーンカップが地元最先着の3着だったエムエスムーンらも連下争いなら。
◎11タニノタビト
○12イイネイイネイイネ
▲4リンクスターツ
△5パピタ
△9レイジーウォリアー
△1エムエスムーン
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A級の900メートル戦で3戦2勝、2着1回と実績を残しているのがロトヴィグラス。2着に負けた昨年11月の筑後川特別も、3/4馬身差で先着されたのは、一昨年、昨年とこのレース連覇を果たしているドラゴンゲートだった。重賞タイトルはまだないものの、今年1月、1300メートルの新設重賞ゴールドスプリントでは、ミスカゴシマに先着しての2着で、勝ったのが当時快進撃を続けていた高知のダノングッドなら評価を落とすことにはならない。前述ドラゴンゲートが引退したとあっては、佐賀ワンターンの王位継承はこの馬だろう。
ペガッソは距離経験こそないものの、B級からA級の準重賞まで目下3連勝と、ここに来て調子を上げてきた。高知から昨夏転入後は足踏みが続いたが、ここに来て高知のA級でも上位争いをしていた実力をようやく発揮しはじめてきた。金山昇馬騎手には重賞初勝利のチャンスもありそう。
キタカラキタムスメもA級の900メートル戦で2戦して1着と2着。3月の佐賀スプリングダッシュではロトヴィグラスに2馬身半差の2着。佐賀1300メートルでは4戦4勝という成績だけに、やはり距離は短いほうがいいのだろう。前走佐賀ヴィーナスカップは10着だったが、遠征勢が強力だっただけに参考外。好調持続といえそう。
高知A級から転入後9戦4勝でA級でも勝ち星のあるブルベアパンサー、同じく高知から転入して2戦目となった前走で強い勝ち方を見せたアイメイドイットらも上位食い込みの可能性は十分。
◎8ロトヴィグラス
○3ペガッソ
▲4キタカラキタムスメ
△2ブルベアパンサー
△7アイメイドイット
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一昨年盛岡1000メートルの舞台でこのレースを制したコンサートドーレに、今回と同じ水沢850メートルで昨年このレースを勝ったキラットダイヤ。同厩舎・同馬主の2頭が揃って出走してきた。
超短距離戦の適性を考えると、キラットダイヤの連覇濃厚に思える。中央時代の成績を見ても1000メートル戦はすべて3着以内で、1200メートル以上になると二桁着順という極端な成績だった。岩手転入初戦の1400メートル戦では3着に負けたが、2戦目となった昨年のこのレースを勝利。その後は盛岡1200メートルの重賞でも圧倒的なスピードで3連勝と距離への融通を見せた。今季初戦となった1400メートルの栗駒賞でもハナ差2着と好走し、叩き2戦目での狙いはやはりここだろう。
昨年のこのレースでキラットダイヤの3着だったコンサートドーレだが、決して水沢850メートル戦がダメというわけではない。それどころか負けたのは昨年のこのレースだけで、ほかに4勝を挙げている。ただ昨年のレースぶりを見ると、スタート後の二の脚の速さの差は歴然。それでも最後まで食い下がっていただけに、仮に捨て身の覚悟でキラットダイヤを負かしに行くような馬がいればコンサートドーレにも出番もありそうだが、そのような馬は見当たらない。
昨年まで水沢850メートルでは勝ち星がなかったカッチャオだが、冬休み明け後はこの距離のみを6戦して4勝、2着1回。最速の勝ちタイムが50秒9で、◎○が50秒台前半で走っていることを考えると、2頭の間に割って入るまではどうだろう。
5月10日の850メートル戦でコンサートドーレの3着だったアークオブメジャー、南関東で800〜900メートルを使われ転入初戦となるケイティディライトらも連下争い。
◎3キラットダイヤ
○4コンサートドーレ
▲8カッチャオ
△6アークオブメジャー
△9ケイティディライト
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近年どこの競馬場も賞金が上がって南関東所属馬が他地区の重賞を狙っての遠征が目立つようになり、ここも出走11頭中5頭が南関東勢。昨年の1〜4着馬の再戦となった。
昨年はジンギが地元の期待馬として勝ちに行かねばならず、単騎で逃げたホーリーブレイズを負かしに行った結果、トーセンブルの目標となってゴール前で差し切られた。それでも着差は半馬身で、能力差はない。昨年の名古屋大賞典JpnIIIでは、勝ったクリンチャーから1秒5離されての4着だったが、今年は連覇を果たしたクリンチャーから0秒8差の3着。昨年トーセンブルに負けて以降は地方馬には先着されておらず、充実しての地元戦なら負けられないところ。
トーセンブルは昨年の六甲盃以降は苦戦が続いたが、前走オグリキャップ記念ではあらためて長距離での能力の高さを見せた。そのオグリキャップ記念では5着だったホーリーブレイズだが、昨年末の名古屋グランプリJpnIIでは中央勢に食い込んでの4着。こちらもやはり長距離でこそ。今回もこの3頭の勝負で、その順序は展開にも左右されそう。
昨年2月に大井2600メートルの金盃を制したマンガンは、約半年ぶりの実戦で仕上がり具合が気になるところ。
今年もすでに重賞2勝を挙げ9歳でも衰えのないエイシンニシパだが、昨年がやや差のある4着だったことを考えると、今年もジンギだけでなく大挙南関東からの遠征馬が相手では連下に食い込めるかどうか。
一昨年の東京ダービー馬エメリミットは、昨年9月の東京記念2着ではトーセンブル、ホーリーブレイズ、マンガンに先着しており軽視はできない。
◎6ジンギ
○9トーセンブル
▲3ホーリーブレイズ
△2マンガン
△8エイシンニシパ
△11エメリミット
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