南関東から大挙4頭が遠征してきたが、佐賀ヴィーナスカップを断然人気にこたえて勝ったダノンレジーナがここでも強そう。南関東でも馬券圏内を外したのはダートグレードか牡馬相手の重賞だけ。南関東の古馬牝馬チャンピオン決定戦といえるメンバーが集まる東京シンデレラマイルを連覇しており、昨年金沢のJBCレディスクラシックJpnIでは着順こそ6着だが、レコード決着から1秒1差なら評価を落とすものではない。グランダム・ジャパン古馬シーズンはまだ中盤戦だが、佐賀ヴィーナスカップに続いての勝利となれば、優勝にかなり近づく。
なんとも不気味なのは、中央オープンから大井移籍初戦で遠征してきたジュランビル。しかも鞍上は北海道の落合玄太騎手。昨年10月にダートで3勝クラスを卒業したあとは頭打ちという成績だが、芝でもダートでも勝ち馬から1秒前後の差ならそれほど大きく負けているわけではない。地方の牝馬同士なら能力上位は間違いなく、あとは園田の小回りコースで能力が発揮できるかどうか。
メモリーコウは中央から大井移籍初戦となった昨年末の東京シンデレラマイルでダノンレジーナに1馬身1/4差で2着。2019年11月を最後に勝ち星から遠ざかっているが、ダートグレードでたびたび見せ場をつくってきた。小回りコースの経験が少ないだけに園田コースがどうかだが、短い直線でも直線決め手勝負の展開ならチャンスはある。
このレース連覇を目指すのが名古屋のシーアフェアリー。昨年は南関東からの遠征馬3頭を相手に9番人気という低評価を覆しての勝利。ただ今年は昨年より相手が強い。南関東勢に割って入れるかどうか。
地元馬では、近走A2〜B1の特別戦で好走を見せているナナカマドカ、中央2勝クラスから転入してA2特別で善戦のデンコウハピネスらがどんなレースを見せるか。
◎10ダノンレジーナ
○6ジュランビル
▲12メモリーコウ
△4シーアフェアリー
△5ナナカマドカ
△7デンコウハピネス
兵庫サマークイーン賞の出走表はこちら
一昨年、昨年は実施されず、2015年から19年まで5年連続で兵庫所属馬が勝っているように、今年も兵庫勢が強そう。なかでもサンロアノークの実績が断然。南関東オープンでも勝ち負けの実績があり、兵庫移籍後も、兵庫ウインターカップ3着、東海桜花賞2着で先着されたのは南関東の重賞実績馬。前走かきつばた記念JpnIIIはイグナイターの強さが際立ったが、サンロアノークも中央勢の間に割って入る5着で、イグナイターとはコンマ8秒差。重賞初制覇のチャンスが巡ってきた。
名古屋のソランは中央2勝クラスからの移籍初戦となった青葉特別が早め先頭から後続を寄せ付けずの完勝。続く前走飛島特別では、逃げて直線まで先頭も力尽きて3着だったが、勝ったセイオーキッドは青葉特別で4馬身差をつけて2着に負かしていた。移籍初戦、青葉特別のレースぶりが本来の走りであれば、まだまだ上を狙えそう。
兵庫からもう1頭遠征はペリステライト。ここ1年ほどA1特別でたびたび上位争いしており、その能力ならサンロアノークとのワンツーもおおいにありそう。ただ好走の多くは1230メートル戦で、今回1400メートルでその能力が発揮できるかどうか。
地元勢では飛山濃水杯で2、3着のインシュラー、ニホンピロヘンソンに期待だが、今年1月に白銀争覇を制しているニホンピロヘンソンを上にとった。
金沢のファストフラッシュは4月の金沢スプリングカップ連覇を果たし、百万石賞でも2年連続2着と好走。ただ1400メートルとなると、昨年の金沢スプリントカップ(3着)以来約1年ぶり。昨年1月の白銀争覇できわどい2着好走があるので、こなせないわけではないが、今回はいかにも相手が強そう。
◎8サンロアノーク
○5ソラン
▲1ペリステライト
△7ニホンピロヘンソン
△9インシュラー
△12ファストフラッシュ
サマーカップの出走表はこちら
ホッカイドウ競馬でデビューしたウンは、JRA認定のスーパーフレッシュチャレンジを勝つと、中央芝のコスモス賞に挑戦して4着好走。川崎移籍後も中央芝への挑戦を続け、3歳になった今年4月には中山芝2200メートルの山吹賞に出走し、着順こそ7着だが勝ち馬との差は1.1秒。東京ダービートライアルでも3着なら、このメンバーでは芝の経験も含めて能力上位。河津裕昭調教師はたびたび盛岡芝の重賞を狙って遠征し、これまで盛岡芝の重賞では4勝、2着3回、3着3回と好成績を残している。
船橋のマイジュネスは2歳時に1勝を挙げたのみだが、3歳の特別戦でたびたび上位争い。前走古馬B3特別で勝ち馬から0秒3差4着というのも評価できる。芝は今回が初めてで未知数だが能力は高い。
盛岡芝コースの実績ということでは北海道から遠征のモリデンブラック。2歳時にジュニアグランプリを制した。北斗盃5着、北海優駿7着は、ともに勝ち馬からやや差があってという結果で、◎○の南関東の勢との比較ではやや見劣る。
リュウノアンは中央デビューだが、中央では芝の経験がなく、前走はまなす賞は初芝ながら直線後続を寄せ付けず逃げ切って見せた。岩手移籍後7戦5勝でオール3着以内という成績で、まだ底を見せていない。今回は遠征勢相手にどこまでやれるか。
兵庫のウインドケーヴは芝の経験はないが、2歳9月のデビューから園田・姫路で9戦2勝、2着5回という成績。距離も前走でこなしており、あとは芝がどうか。
南関東で牝馬重賞路線を使われてきたハッピースパイラルも芝は未知数だが、強敵相手の経験は大きい。ユングフラウ賞は結果的に8着だったが、4コーナーで3番手の一線まで押し上げたスピードは芝で生かされそう。
◎2ウン
○3マイジュネス
▲9モリデンブラック
△4リュウノアン
△8ウインドケーヴ
△13ハッピースパイラル
オパールカップの出走表はこちら
6月6日に行われた前哨戦ライラック賞とまったく同じ顔ぶれのフルゲート10頭。能力でいえば、ライラック賞を含め目下3連勝のサクラヒメが最上位で間違いなさそうだが、負担重量で他9頭がライラック賞から40キロ増なのに対して、サクラヒメだけ50キロ増。牝馬で700キロはどうだろう。
ここは昨シーズン最終戦の蛍の光賞から7戦連続連対でライラック賞でもサクラヒメの2着だったイワキダイヤの上昇度に期待する。ライラック賞ではサクラヒメが障害先頭でほとんど持ったまま逃げ切り、イワキダイヤは差を詰めることができなかった。しかし基礎重量が増えたうえに、サクラヒメは前述の通り相対的な重量でも厳しくなったことでは、イワキダイヤの逆転も可能と見る。
実績上位はやはりサクラヒメとオーシャンウイナー。サクラヒメについては前述のとおり負担重量がきつくなっているだけに、トップハンデでもオーシャンウイナーを対抗にとった。ただ50キロ差がある670キロの牝馬2頭、ミソギホマレ、アバシリサクラがいる組み合わせではそれほど楽なレースにはならないかもしれない。
ネオキングダムはばんえいダービー2着、ポプラ賞2着などの賞金でかなり上のクラスに格付けされたため近走は苦戦を強いられているが、これまで重賞勝ちはなくても、重賞で2着5回という実績は侮れない。
マサタカラはライラック賞9着だったが、ここに来ての上昇が目立つだけに見直しは可能。
世代上位が抜けたメンバーながら、5月のすずらん賞を制したアバシリサクラにも上位食い込みの可能性はありそう。
◎10イワキダイヤ
○4オーシャンウイナー
▲3サクラヒメ
△1ネオキングダム
△9マサタカラ
△8アバシリサクラ
柏林賞の出走表はこちら
このレース連覇を狙うのがキラットダイヤ。中央2勝クラスから転入し、7戦5勝という成績。負けた2戦は1400メートルで、5勝は1200メートル以下。さらに中央時代も馬券にからんだのはすべてダート1000メートルという短距離に特化した成績。中央では1200メートルで結果が出なかったが、盛岡1200メートルでは3戦して2着馬にすべて1秒以上の差をつける圧勝。圧倒的な結果を残している舞台なら連覇濃厚といえそう。
キラットダイヤを負かす可能性があるとすればトミケンキルカス。南関東で1200メートル以下を中心に使われ、A2以下の特別でも好走経験あり。そして転入後は水沢で4連勝。今回、初経験となる盛岡1200メートルの舞台でどうか。
スティンライクビーは重賞勝ちこそないものの、10歳になった今年4月の栗駒賞(水沢1400メートル)でも勝ち馬からコンマ2秒差の3着と好走。ただ昨年の岩鷲賞ではキラットダイヤに1秒6差の5着、絆カップでは同じく2秒5差の6着と、距離短縮の盛岡1200メートルでは分が悪い。
トンデコパは12月に水沢850メートルのスプリント特別勝ちがあり、大井で2戦しての再転入初戦。連下の食い込みがあるかどうか。
フィナルタ、タイセイビルダーは、ここ2戦のB1特別で1、2着を分け合った。今回一気の相手強化でどこまでやれるか。
◎5キラットダイヤ
○10トミケンキルカス
▲12スティンライクビー
△2トンデコパ
△6フィナルタ
△11タイセイビルダー
岩鷲賞の出走表はこちら