高知で三冠を分け合ったガルボマンボ、ヴェレノが揃って遠征してきた。ともに門別デビュー馬ゆえ、15日の西日本ダービー(園田)には出走資格がなかったためと思われる。
ガルボマンボは、高知優駿、黒潮菊花賞と距離延びての二冠を制覇。その間、ジャパンダートダービーJpnI遠征(9着)の影響がどうかと思ったが、強敵相手の厳しいペースを経験したことで、その後の黒潮菊花賞ではむしろ充実ぶりを感じさせた。それまでより前目の3番手を追走し、直線堂々と抜け出す勝ち方。1400メートル前後の距離では能力を発揮しきれず取りこぼしもあるが、2000メートル前後の距離で持ち味を発揮する。大井への遠征競馬も経験しており、高知と似た形態の佐賀コースなら強い競馬を見せてくれるだろう。
相手筆頭はグローリー。中央1勝クラスから転入し、その初戦では離れた最後方追走から直線一気を決めた。前半は追走に一杯で馬群から離されたが、直線ではまるで馬が変わったかのような反応を見せた。続く古馬B級の1750メートル戦でも後方からロングスパートで直線抜け出し勝利。前走は2着に負けたが、これは4コーナーで隣の馬に大きく外に振られる不利があってのもの。佐賀ではまだ底を見せておらず、この馬を本命にすることも考えたが、今回は重賞で減量がなく、同じ加茂飛翔騎手で2kg増となるのがどうだろう。
ホンニヨカは前走古馬B級の準重賞を逃げ切り勝ち。今回、ほかに逃げそうな馬がおらず、単騎マイペースの逃げとなって、有力馬が中団あたりで牽制し合えば逃げ切り、もしくは逃げ粘りという場面がありそう。
黒潮皐月賞を制したヴェレノは、高知優駿以降も3戦連続2着と好走しているが、ガルボマンボと比較すると成長という点でどうだろう。輸送も初めてとあって不安も少なくなく△まで。
ザビッグレディーは、1番人気に支持された九州ダービー栄城賞では、勝ちに行って早めに抜け出したぶん3着に破れた。前走1300メートル戦とはいえ古馬A2戦で2着と好走しており、あらためての期待。
◎10ガルボマンボ
○7グローリー
▲2ホンニヨカ
△3ヴェレノ
△5ザビッグレディー
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イレネー記念、ばんえいダービーと、2歳・3歳シーズンの定量三冠目を勝ってきたオーシャンウイナーが、サクラヒメ不在となったここでは強そうだ。今回トップハンデ740キロは、牝馬アバシリサクラの690キロと最大50キロ差があるが、そのハンデ差は柏林賞で克服している。古馬オープン格付けでは4着が最高だが、それでも一線級相手に10秒程度の差なら、同世代同士のここでは能力上位。柏林賞に続く4歳シーズン二冠制覇が期待できそう。
ミソギホマレは強敵不在となった山鳩賞では1番人気の支持にこたえて勝利。柏林賞ではオーシャンウイナーと50キロ差で3着だったのが、今回は30キロ差。しかし柏林賞後の3連勝で確実に力をつけた。
コウシュハハリアーは柏林賞ではオーシャンウイナーと30キロ差で5着で、今回もそのときと同じ30キロ差だが、山鳩賞3着を含むここ4戦の好調ぶりから、現在の格付け以上に力をつけた。
世代限定重賞では、近走の成績がイマイチでも過去に重賞好走歴がある馬が好走することがよくある。翔雲賞2着に柏林賞2着のマサタカラは人気の一角になりそうだが、ヤングチャンピオンシップを制したアルジャンノオー、イレネー記念やばんえいダービーなど重賞で2着が5回もあるネオキングダムらは人気がなくても押さえておきたい。
◎1オーシャンウイナー
○3ミソギホマレ
▲9コウシュハハリアー
△2マサタカラ
△4アルジャンノオー
△7ネオキングダム
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岩手の短距離戦線で無敵の快進撃を続けるキラットダイヤが、予定通り夏は休養に充てこのレース連覇を狙う。岩手移籍後、1200メートル以下では6戦全勝。しかも盛岡1200メートルは4戦して2着馬にはすべて6馬身以上の差をつける圧勝。さらに前走岩鷲賞でマークした良馬場1200メートル1分10秒1は、ダートグレードでも通用しそうなタイム。今年はJBCスプリントの舞台が盛岡1200メートルとなるだけに、ここは負けられないところ。
強敵になりそうなのはカミノコ。中央3勝クラスから大井を経由して転入し、ここまで盛岡で4戦。クラスターカップJpnIIIでは地方馬最先着の5着とまずまずのレースを見せ、前走スプリント特別での盛岡初勝利が、直線楽に抜け出して2着に6馬身差。タイム的にはキラットダイヤとの比較では見劣るが、そのレースぶりならキラットダイヤを負かす可能性の馬券も考えたい。
ほかの馬たちはやや差があり、カミノコが勝ったスプリント特別で2着だったジェドゥラシャンス、4着だったエイシンハルニレらが3着争いの候補。それまでのレースぶりからエイシンハルニレの方を上にとった。
◎9キラットダイヤ
○6カミノコ
△7エイシンハルニレ
△4ジェドゥラシャンス
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コウエイアンカの前走サマーチャンピオンJpnIIIは、ハンデ52キロだったとはいえ、シャマルを追ってゴール前よく伸びての2着は見事だった。昨年のこのレースでは4コーナー大外を回ってダノングッドに3/4馬身差。着以上に強い勝ち方だった。地元なら負けられないところ。
一方のダノングッドは園田FCスプリント連覇。9歳の昨年から10歳の今年にかけて重賞7勝で、今が充実期とも思える活躍。高知では1600メートルのだるま夕日賞も勝っており、超短距離戦が得意というわけではない。昨年2着の雪辱なるかどうか。
エイシンビッグボスは、昨年3歳時に1700メートルの園田オータムトロフィーを制し、1400メートルの楠賞では3着だったが、勝ったイグナイターのその後のダートグレード戦線での活躍を見ればむしろ評価できる。今回は東海桜花賞4着以来5カ月半ぶりの休み明けがどうかだが、まだ若い4歳だけに成長に期待。
メイプルグレイトは1400メートルでの勝ち星もあるが、昨年の兵庫ゴールドカップ(1230メートル)2着があり、その後船橋に移籍して1200メートル、兵庫に戻っても1230メートルを中心に好走しているだけに、このメンバー相手に1400メートルの舞台でどうか。
ビナサクセスは中央未勝利から転入して11戦8勝、3着以内を外しておらず、重賞初挑戦でどんなレースを見せるか。
一昨年の兵庫ゴールドカップで3着だったマリターは、その後長期休養ののち勝ちきれないながらも2着3着多数。前走園田サマースプリントでメイプルグレイトに接戦の2着は調子を上げてきたと見るべきかもしれない。
今年中央2勝クラスから転入したフーズサイドは摂津盃3着など中距離で好走を見せてきたが、前走園田では初めての1400メートル戦で勝利。あらためてこの距離での能力発揮に期待。
◎6コウエイアンカ
○9ダノングッド
▲8エイシンビッグボス
△5メイプルグレイト
△4ビナサクセス
△10マリター
△2フーズサイド
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北海道から2頭、大井から1頭の遠征馬が強そうだ。
エイシンレゲンダはここまで5戦してアタックチャレンジを勝ったのみだが、すべて掲示板は確保していて、レースを追うごとに強い相手と対戦しながら、デビュー戦以外は勝ち馬と1秒以内の差。重賞のフルールカップでは先頭に立って直線を向いたものの最後はやや一杯になって3着だったが、1、2着馬が前半で中団からうしろを追走していた馬だったことを考えると、展開的に厳しかったことは確か。課題は1400メートルへの距離延長と、園田の小回りコースに対応できるかどうか。田中淳司厩舎はこれまでこのレース3勝。田中学騎手とのコンビでは昨年のグラーツィアに続いての連覇がかかる。
大井のスイープステークスもここまで4戦して1勝のみだが、前走1400メートルのJRA指定はやぶさ特別で2着。断然人気にこたえて勝った馬は、他馬より1kg重い斤量を背負ってデビューから3連勝ということでは次元が違った。牝馬ながらすでに500kgを超える馬体で、ここでも互角以上の勝負を期待できそう。
もう1頭北海道から遠征はエイシンエイト。デビューから2連勝のあと栄冠賞は12着で、その後も着外が続いたが、前走1600メートルに距離を延ばした2歳オープンで3着。コーナー4つの内回りコースで結果を出したということでは、園田1400メートルにも対応できそう。角川秀樹厩舎もこのレース3勝目を狙う。
地元勢では、前走JRA認定のアッパートライを勝ったアドワン、前走兵庫ジュベナイルカップ3着の走破タイム1分33秒0が園田1400メートルの持ちタイムでメンバー中最速のイケノシイチャン、デビューから2連勝のアイガットユーらが馬券圏内に食い込めるかどうか。
◎3エイシンレゲンダ
○9スイープステークス
▲6エイシンエイト
△4アドワン
△1イケノシイチャン
△7アイガットユー
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