昨年ダートグレードを制したエイシンヴァラー、エイシンバランサーが揃って不在となっても、兵庫の1400m路線はかなり層が厚い。出走メンバーの半分ほどは勝ってもおかしくないようなメンバーで、印の順番は迷うところ。
とはいえやはり兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIで地方最先着の3着だったキクノステラに期待だろう。上リ3ハロン37秒8はメンバー中最速で、4コーナー6番手から顔を泥だらけにしながら追い込み、アタマ+3/4馬身まで迫るというまことに惜しいレースだった。兵庫再転入後、負けらしい負けは名古屋に遠征したマイル争覇(6着)だけ。まだ底を見せていない。
アールプロセスは中央オープンから転入し、初戦の1230メートル戦を勝って臨んだ兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIが7着。中央のオープンでは1200メートルを中心に使われていただけに、コーナーを4つ回る1400メートル戦はちょっと距離が長いかもしれない。
リッパーザウィンは中央準オープンから転入。中央での4勝はすべて芝で、ダートでは4着が最高という成績だった。しかし移籍後は、すでに1400メートルのA1特別で3勝を挙げている。この馬も能力は未知数だ。
ナチュラリーは兵庫ゴールドカップを7番人気で制し、その後の3戦も3着以内に好走。今回は昨年5月以来となる久々の1400メートル戦がどうか。
ハタノキセキは昨年の2着馬。その後兵庫ゴールドカップで7着だった以外は、3着以内に好走。ただ今回のメンバーは楽ではない。
タガノカピートは下級条件から連戦連勝で勝ち上がり、前走A1A2特別で4着に敗れ連勝がストップ。重賞初挑戦となる今回が正念場。
◎5キクノステラ
○2アールプロセス
▲10リッパーザウィン
△4ナチュラリー
△6ハタノキセキ
△9タガノカピート
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グレイトパールが佐賀に移籍し、俄然注目となっている。川田将雅騎手が騎乗していたこともあって、父である佐賀の川田孝好調教師へ、ということだが、理由はそれだけではない。中央で管理していた中内田調教師のおじいさんが、もともと馬主として川田調教師とのつながりあり、そういうわけで、そもそも中内田厩舎と川田騎手とのつながりは深い。という話を川田調教師からうかがった。
佐賀記念JpnIIIを狙っての移籍というわけではなく、移籍のタイミングがたまたまその時期になったとのこと。しかし移籍後2戦しないと佐賀記念JpnIIIには出走できないため、逆算して1戦目と2戦目は詰まった間隔で使われた。当然のように2戦とも楽勝だったが、特に今回と同じ2000mの雷山賞は、軽く気合をつけられただけで2着のスーパージェットを9馬身ちぎった。勝ちタイムは2分8秒2。佐賀記念の過去5年の勝ちタイムが2分6秒台から9秒台であることを考えると、十分に通用しそう。ただ最近、佐賀コースは良馬場でもタイムが出る傾向にあるので、もう少しタイムを詰める必要がありそう。とはいえ前走のレースぶりから、それも可能と思われる。もしグレイトパールが勝てば、地方馬としては2008年のチャンストウライ(兵庫)以来11年ぶり、地元佐賀所属馬としては1996年のリンデンニシキ以来、じつに23年ぶり。それだけにグレイトパールにかかる期待は大きい。
しかしながら中央の4歳馬2頭には勢いがある。しかもグレード別定のため、重賞を勝っていないヒラボクラターシュは55キロでの出走。昨年、3歳ながら古馬相手のオープン特別で2勝を挙げ、しかもシリウスステークスGIII、チャンピオンズカップGIで一線級と対戦したということでは、この馬が最有力と見る。
オープン特別2連勝のテーオーエナジーは、兵庫チャンピオンシップでJpnII勝ちがあって2キロ増の57キロがどうか。
近走結果が出ていない8歳のアスカノロマン、メイショウスミトモだが、アスカノロマンは前走東海ステークスGII・5着なら十分勝負になりそう。ただ、ともに58キロを背負うのがどうか。
兵庫のエイシンニシパは昨年3月にはがくれ大賞典を勝ったときのタイムが2分7秒9。近年の佐賀記念JpnIIIの勝ちタイムとの比較でも遜色はない。
◎7ヒラボクラターシュ
○1テーオーエナジー
▲10グレイトパール
△4アスカノロマン
△8エイシンニシパ
△9メイショウスミトモ
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この世代は、ナナカマド賞、ヤングチャンピオンシップともに牝馬は上位に入れず、牝馬限定の特別戦、白菊賞、いちい賞で1、2着を分け合ったサクラユウシュン、ヒメトラクイーンが、明けて3歳のA-1戦で牡馬相手に苦戦。しかしながら牝馬では下のクラスから力をつけてきているような馬もいないという状況では、やはりこの2頭が中心となりそう。中でも牡馬で上位のメムロボブサップやジェイエースとそれほど差のないレースをしているサクラユウシュンが中心。
ナナカマド賞で4着と先着したのはヒメトラクイーンだが、近走差のある敗戦が続いているだけに、A-3で好走を続けているキタノヒバリは一気に台頭する可能性がありそう。
前走でキタノヒバリを差し切ったジェイカトレアには障害次第で一発があるかどうか。
A-2で好走のヤマサンブラック、2分を切るタイムで安定した走りを見せているハイトップフーガらも上位食い込みのチャンスはありそう。
◎10サクラユウシュン
○5キタノヒバリ
▲9ヒメトラクイーン
△6ジェイカトレア
△1ヤマサンブラック
△4ハイトップフーガ
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ハタノリヴィールの連覇に期待だ。昨年のマーチカップを勝って以降、勝ち星から遠ざかっているが、勝ちきれないまでも昨秋以降の東海クラウンでは掲示板内を確保。今回は近走重賞で勝ち負けという馬がほとんどいないメンバーだけに、ここは出番だろう。
フロリダパンサーは1年ほど前に中央準オープンから転入し、ここまですべて3着以内。マーチカップがハタノリヴィールの2着、東海ゴールドカップはダイヤモンドダンスの2着。あとひと押しで重賞にも手が届きそう。
メモリージルバは、9歳の昨年9月にオータムカップを勝利。その後の重賞では今ひとつの成績だが、相手がカツゲキキトキトや南関東で重賞を勝っているウェイトアンドシーでは仕方ない。前走東海クラウンが、3着ハタノリヴィールにも2馬身離されての4着はちょっと負けすぎのような気がするが、ここは巻き返しに期待したいところ。
サムライドライブの調子がどうも上がってこない。古馬との対戦となって結果が出ていないのは、そもそも能力の限界なのか、それとも調子落ちなのか。前走白銀争覇も着順こそ3着だが、直線で一杯になり、前2頭の争いから置かれてしまった。混戦のメンバーだけに結果を出したいところ。
新春盃4着だったデジタルフラッシュだが、中央準オープンの実力なら上位争いの可能性も十分。
◎8ハタノリヴィール
○9フロリダパンサー
▲5メモリージルバ
△2サムライドライブ
△4デジタルフラッシュ
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クラス別定のハンデ差もあって難解な重賞。こういうときはハンデが軽い格下の好調馬を狙うことが多いのだが、今回はそうした馬も見当たらず。ならば素直に格で評価していいのではないか。
今シーズンのキサラキクはオープンでたびたび好走。今回のメンバーでは能力的に抜けている感じで、このハンデ差でも崩れることはないだろう。1着固定とまでは言えないものの、軸としては固そう。
重賞挑戦は2016年のクインカップ(7着)以来2度めというヤマノホシは、はじめての770kgという重量がどうかだが、レディースカップでも3着に好走しており、障害を早めに越えれば粘り込むシーンはありそう。
レディースカップを制したナカゼンガキタだが、その賞金でクラスが上がってA1級では苦戦。今回の770kgも楽ではなさそうだが、牝馬同士なら出番はありそう。
もう1頭のオープン格付、セイコークインは近走大敗続きなだけにどこまでやれるか。
重量が不安だがタイキン、格下のヒメマルクィーンらには、混戦で有力勢が崩れたときに食い込む余地がありそう。
◎5キサラキク
○8ヤマノホシ
▲2ナカゼンガキタ
△1セイコークイン
△6タイキン
△4ヒメマルクィーン
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