カラカルはデビュー勝ちのあと北海道の重賞に遠征し、勝ち馬からはやや離されたもののそこそこのレースをして5着。続く園田プリンセスカップで1番人気に推されたもののここでも4着に敗れた。それでやや評価を落とし、臨んだ中央芝500万下のりんどう賞では最低人気ながら2着に激走し波乱を演出した。芝向きという可能性も否定できないが、遠征したリリーカップでラスワロフスキーから1秒4差という結果は評価できるもの。遠征やさまざまなペース、展開を経験しての上積みも期待できるだけに、あらためてここで中心視してみたい。
相手には園田プリンセスカップを3番人気で制したリジョウクラウン。その園田プリンセスカップは、ソエを気にして強い追い切りができないまま臨み、陣営もそれほどの期待はしていなかった一戦。それでいて3~4コーナー一気のまくりで3馬身差快勝は強さを感じさせるものだった。ここもあっさりの可能性があってもおかしくはない。
オオエライジンは、デビューから危なげないレースぶりで2連勝。まだまだ上を狙える力はありそうで、重賞や中央を経験してきた馬たちと初めての対戦だけに、真価が問われる一戦となる。
ホクセツサンデーはデビューからいずれも1番人気で3連勝。徐々に2着馬との着差を縮められているだけに、世代トップクラスのメンバーを相手にどこまでやれるか。
オオエタイザンはデビュー6戦目となった前走でようやく初勝利。不良馬場とはいえ1分30秒を切る勝ちタイムは優秀で、ここにきて力をつけた可能性はある。
◎カラカル
○リジョウクラウン
▲オオエライジン
△ホクセツサンデー
△オオエタイザン
今年の福山2歳世代の絶対的ナンバー1と思われていたビクトリーロマン。6戦5勝、2着1回で臨んだ10月10日の2歳1組戦は、ムツミマックスに競りかけられて厳しいペースになったようで、3コーナーからずるずる後退して大差のしんがり負け。それまでビクトリーロマンの1250メートル戦の勝ちタイムでもっとも速かったのが前々走の1分23秒8。そしてビクトリーロマンが大敗したレースの勝ちタイムは1分21秒3。一気に2秒以上も早い決着となった。たたこのときの馬場は不良。それまで唯一の敗戦だったデビュー2戦目も重馬場だったことから、もしかして道悪は不得意なのかもしれない。ピンポイント予報を見ると、日曜日もレース当日の月曜日も曇時々雨。微妙だ。どの程度の馬場になるのだろう。
ここはその10月10日の2歳1組戦の勝ち方があまりにも鮮やかだったユメミルチカラを本命にする。ユメミルチカラは前々走で園田プリンセスカップに遠征。2番手につけ、向正面では先頭に立とうかという場面もあり、さすがに直線では力尽き7着に敗れたが、レベルの高い相手との厳しいペースを経験したことで力をつけたと見る。
ビクトリーロマンも前走が例外的な厳しい展開だったと見れば、まだチャンスはある。どちらが勝つにしても、その勝ちタイムがどのくらいになるかに注目だ。
10月10日の2歳1組戦でユメミルチカラとともに伸びてきて1馬身半差の2着に入ったラピッドリーサンが3番手。そのレースで3着に7馬身差をつけていたこと、デビューから8戦して3着以内が6回という成績からも、現状ではこの馬が3番手の存在。
ここまで3頭の勝負となりそうだが、出走馬中唯一の牡馬リニアステップにはビクトリーロマンの2~4着が4度あり、前々走で上記3頭が不在の2歳1組戦を勝利という実績は、一角崩しの可能性も十分。
◎ユメミルチカラ
○ビクトリーロマン
▲ラピッドリーサン
△リニアステップ
今シーズンの古馬高重量重賞は、昨シーズンのばんえい記念馬ニシキダイジン、旭川記念と岩見沢記念を制したフクイズミ、北斗賞のカネサブラック、ばんえいグランプリで復活勝利のナリタボブサップ、この4頭の争いで、あとは展開次第でどういう着順になるか。しかし、その順番を予想するのが難しい。
岩見沢記念はフクイズミがヒザをつきながらも障害を無難にこなし、前を行くナリタボブサップ、カネサブラックを差し切っての快勝だった。しかし今季の障害でのもたつきにはまだ不安があり、今回は▲に狙いを下げる。
で、中心はナリタボブサップ。ばんえいグランプリは08年の北斗賞以来の重賞勝ちで、その間、上位争いをしながらも勝ちきれなかったのは、障害を早めに越えてもゴール前で粘りがきかなかったため。しかし前走岩見沢記念は、これまで常にうしろから交わされていたカネサブラックに対し、先に障害を越えたカネサブラックを交わすという、これまでとは逆の展開で2着を確保した。ゴール前でも失速しないレースぶりは好調の証と見る。
カネサブラックは、その岩見沢記念で今シーズン初めて連対を外す3着。今回は別定プラス20キロとなるが、それは昨年の北見記念を制した時と同じ。さらに、ナリタボブサップ、フクイズミ、ニシキダイジンとの重量差まで昨年と同じ(基礎重量は昨年より10キロ軽い)。負担重量的に不利でもまったく崩れない安定度は抜群。
今シーズン未勝利のニシキダイジンは重量差を生かして馬券圏内に食い込めるかどうか。
◎ナリタボブサップ
○カネサブラック
▲フクイズミ
△ニシキダイジン
地方全国交流として今年復活したダービーグランプリ(11月22日・水沢)へ向けての一戦。
ロックハンドスターの前走、古馬A級一組戦は、2番手追走から3コーナーで先頭をうかがい、そのまま突き放すものかと思われた。しかし直後でマークしていたサクラマジェスティに並びかけられると、直線ではじわじわと離され、抵抗もできないような感じで1馬身半差をつけられ2着に敗れてしまった。映像だけではわからないが、地元ファンの悲鳴が聞こええくるようだった。しかし今回は同世代同士の定量戦。ダービーグランプリで他地区からの遠征勢を迎え討つためにも、ここは負けられない一戦。
相手にはイシノウォーニング。阿久利黒賞ではロックハンドスターに6馬身差の2着で、その後はしばらく勝ちきれないレースが続いた。しかし、3歳同士のサファイア特別を大敗したあと、8月後半から古馬B1一般戦と、B1特別を連勝。前走は3着だったが、サファイア賞を勝ったゲンパチオブラヴよりはるか前でゴール。調子を上げて臨む一戦だけに、2着争いの筆頭と見る。
オウシュウサンクスは、中央2戦未勝利から今シーズン転入して8戦6勝、2着1回という上がり馬。1600メートルまでしか経験がないところが気になるが、距離を克服できれば好走も期待できそう。
ひまわり賞を10馬身差で圧勝したコンゴウプリンセスだが、その後の2戦は大敗。巻き返しに期待したいところ。
中央未勝利から転入して下級条件を2連勝のラナイダンスがこのメンバーに入ってどこまでやれるかも楽しみなところ。
◎ロックハンドスター
○イシノウォーニング
▲オウシュウサンクス
△コンゴウプリンセス
△ラナイダンス
荒尾で行われる九州交流の重賞は、どうしても佐賀所属馬の活躍が目立つが、このレースも例外ではない。佐賀所属馬も出走できるようになった01年以降の過去9回で佐賀勢が6勝。荒尾勢の勝利は3回で、そのうち07年は馬インフルエンザの影響で荒尾所属馬のみで争われていることも併せて考えれば、やはり佐賀勢が圧倒的に強い。
今年も佐賀から遠征してきた3頭は手強そうだ。
中心は、佐賀勢3頭のうちの紅一点、ジュエルリング。ここまで5戦3勝、2着1回で、着外に敗れた1戦は、小倉の芝に挑戦したもの(7着)だけに、これは参考外。前走アルデバラン特別は、6番手追走から3~4コーナー大外をまくって直線で差し切り勝ち。2着のキングとは3/4馬身差がだが、最後は余裕があった。
キングも見劣りはしない。ここまですでに7戦と経験豊富で、3勝、2着3回、3着1回と安定した成績。前走アルデバラン特別は、直線で一旦はジュエルリングに離されながらも、最後は盛り返して差を詰めた。
リョウマニッポンは、ここまで2戦2勝。将来性が期待されるが、今のところトップクラスとの対戦がなく、それがちょっと気になるところ。
今年は荒尾勢でも期待が持てる馬が少なくない。ファンタジーランドは、中央からの転入初戦となった前走で6馬身差の圧勝。今回、岩永千明騎手がどんなレースをするのかも楽しみ。
サチノシェーバーはここまで3戦2勝。特に距離が伸びた前走も2着に4馬身差をつける完勝だった。
ほかに、前走で2着に差をつけて勝っているシャイニングウェイ、ヌレエフクインらにも可能性はありそうだが、さすがにそこまでは印がまわらなかった。
◎ジュエルリング
○キング
▲リョウマニッポン
△ファンタジーランド
△サチノシェーバー