15戦14勝、2着1回という無敵のムツミマーベラスがここも負けられない一戦。唯一の敗戦は福山ダービーでの2着だが、休養明け2戦目、連闘の急仕上げで間に合わせたのが敗因。その後は再びまったく危なげのないレースぶりで連勝を続けている。初めての2250メートルが心配になるが、それはほかの馬にとっても同じこと。福山ダービーは前述の理由で参考外として、その後1800メートルの福山チャンピオンシップで5馬身差圧勝があるだけに、心配はいらないだろう。ここも無事に通過すれば、いよいよ他地区への初遠征となるダービーグランプリ挑戦が待っている。
相手には、ムツミマーベラスに唯一土をつけたことがあるフォーインワン。それ以来勝ち星はないが、前走古馬A2特別での3着は、やはり実績的には上位。
重賞は初挑戦だが、上がり馬として注目はウィークリーショウ。春までは3歳1組で勝負にならなかったが、古馬に編入されてからは快進撃。古馬B6、B5と連勝してきた勢いは侮れない。ただその快進撃が短距離戦なのが気になるところ。血統的には距離延長もマイナスにはならないはずだが。
ほかにも好調馬が多く、連下争いは大混戦。ビクトリーノブナガは福山ダービー5着以降は、古馬に編入されて3着を外さない成績。前走はウィークリーショウに完敗の2着だが、距離経験で逆転できる可能性はある。
ビクトリーヒマワリは、ここまで重賞に7回出走していずれも掲示板確保と堅実な成績。先行タイプのビクトリー軍団がどんな流れでレースを展開するのかにも注目だ。
印はまわらなかったが、マリンケハラッショ、アクアビューティーらも近走好調だけに上位争いに加わってくる可能性はある。
◎ムツミマーベラス
○フォーインワン
▲ウィークリーショウ
△ビクトリーノブナガ
△ビクトリーヒマワリ
ファインスターが力をつけている。ここ2走は古馬A4特別からA3特別を連勝。特に前走のA3特別は、ハナを切ってベットボトムダラーにぴたりと競りかけれらる厳しい展開。しかし3~4コーナーから徐々に離しにかかると、直線では後続を寄せ付けず。2着のルグランコンデには1馬身半差だが、最後は手綱を抑えた状態で、完勝といえるレース内容。11月のプリンセスカップ以来の重賞勝利を狙う。
マンリョウは北日本新聞杯こそ6着だったが、続く3歳A2戦からは8戦6勝、2着2回という成績でクラスを上げてきた。前走古馬初挑戦となったA4特別も逃げ切って楽々と突破。急激に力をつけているだけに、重賞初勝利の可能性も。
ナムラアンカーは中央から移籍後7戦6勝、2着1回。前走3歳A1特別は6馬身差の圧勝だった。古馬との対戦はないものの、未知の魅力は大きい。
2歳時には兼六園ジュニアカップを勝って注目されたハヤテカムイオーだが、今シーズンはいまだ勝ち星なし。とはいえ、ヤングチャンピオン3着、北日本新聞杯2着、MRO金賞2着と、重賞では常に上位を争うだけの力はある。
セイカペガサスは、中央未勝利から金沢に移籍し、初戦となった前走3歳B1特別で2着馬に3馬身差をつける完勝。レースぶりから上位争いに食い込んでくる可能性もある。
◎ファインスター
○マンリョウ
▲ナムラアンカー
△ハヤテカムイオー
△セイカペガサス
実績馬や下級条件から連勝の上がり馬など多彩なメンバーで、どこからでも狙えそうな一戦。
アンペアは、前走ノースクイーンカップでは2番人気に支持され、直線を向いて抜け出すかと思われたところ、ぱたりと止まってしまい4着。2歳時には旭川1600メートルのエーデルワイス賞JpnIIIを圧勝しているだけに、この距離もだいじょうぶかと思ったが、本質的にはスプリンターだったようだ。3走前、1200メートルのソメスサドル特別は、軽快に逃げるポートジェネラルをゴール前で追い詰め、差し切ったように見えたもののハナ差届かずの2着。今回、そのポートジェネラルとの比較では斤量的に1キロ不利になるが、牝馬ながら馬格もあり、今度は差し切れると見る。
ダートグレードで何度か好走があるポートジェネラルのスピードはさすがに一級品。今回も当然上位争いだが、前走芝に挑戦して惨敗の反動が気になるところ。
オネストジョンは、中央準オープンから転入して1800メートルのオープンを勝ち、続く前走1200メートルでは逃げたもののアンペアにとらえられ半馬身差の2着。今回はポートジェネラルがいるだけに、展開的にきびしくなるかもしれない。
オンザビートは今季名古屋から転入し、7連勝でオープンまで制した。重賞まで一気に突破してもおかしくない勢いがある。
昨年のこのレースの覇者、ミスティックダイヤは、さまざまな距離を使われているものの、勝ち星は1200メートル以下に限られる。今シーズンはここまで10戦して1つしか勝ち星がないが、昨年のこのレースを勝ったときは条件級からの挑戦で6番人気でしかなかった。前走はオンザビートにハナ差まで迫っており、復調ならば連覇があっても驚けない。
◎アンペア
○ポートジェネラル
▲オネストジョン
△オンザビート
△ミスティックダイヤ
まだ底を見せていないエルヘイローに期待したい。1200メートルのフレッシュチャレンジを勝って臨んだ2戦目のオープン、1700メートルのアルデバラン賞では、4番手の好位を追走し、3~4コーナーから追い通しだったが、直線半ばで内からエルドラゴンが馬体を併せてくると、そこからは追わずともビュンと伸びた。まだまだ奥を感じさせる勝ち方。前走、JRA札幌芝1800メートルのコスモス賞でも、着順こそ5着だが勝ち馬からはコンマ6秒差。門別のダートなら世代トップを争う力はありそう。
相手にはブリーダーズゴールドジュニアカップで2着だったエバーオンワード。勝ったモエレフウウンジは、馬群から抜け出すと手綱を抑える余裕の勝利だったが、それに1馬身差に迫ったエバーオンワードの直線での伸びは目立っていた。
アルデバラン賞でエルヘイローに半馬身差の2着に迫ったエルドラゴンは、当時馬体重が16キロ減で臨んだ一戦。その後のJRAコスモス賞では馬体を戻していただけに、アルデバラン賞のときよりも上積みはあるかもしれない。
ブリーダーズゴールドジュニアカップで4、5着だったピエールタイガー、ダークリバースもエバーオンワードとは差がない。ただ、37秒3というモエレフウウンジと同じ上がりで伸びたダークリバースを上にとる。
イチバンボシは、前走JRAダート1000メートル戦でそれほど差のない4着。1200メートルまでしか経験がないが、血統的には距離が伸びてもよさそうなだけに、上位争いに加わる可能性もある。
◎エルヘイロー
○エバーオンワード
▲エルドラゴン
△ダークリバース
△ピエールタイガー
△イチバンボシ
ジャングルスマイルに、というか金沢勢にいよいよダートグレード制覇のチャンスが巡ってきた。
現在、ダートグレードが行われている競馬場で、地元勢がそのタイトルを一度も獲得していないのは金沢のみ。高知では第1回の黒船賞でリバーセキトバが勝っているし、佐賀ではグレードになる以前だが牝馬のリンデンニシキが開設記念(現・佐賀記念)勝っている。さらに佐賀勢は、03年に門別まで遠征したエスワンスペクターが見事にエーデルワイス賞を制している。
金沢でも惜しいレースはいくつかあった。04年にはエイシンクリバーンとホシオーが2着と3着。06年にはビッグドンがレマーズガールの2着。また遠征を重ねた牝馬のトラベラーには、00年の日本テレビ盃GIII、東海菊花賞GIIでともに3着という好走もあった。
中央2戦未勝利から金沢に転入し、14戦13勝というジャングルスマイルが、その悲願のタイトルに手が届くかどうか。ひと昔前なら地の利で地方馬が勝つという場面もたびたびあったが、中央のダート路線の層が格段に厚くなった最近では、地の利程度ではなかなか逆転までは難しい。ジャングルスマイルにとっても地元の重賞をひとつ勝ったくらいの経験ではいきなり中央の一線級相手では厳しいかもしれない。ただ今回の中央勢は、重賞勝ちがあるのがロールオブザダイスのみと、最近のダートグレードではめずらしく軽いメンバーになっただけに、ここで勝てなくてどこで勝つんだという、千載一遇のチャンスといっていい。応援の意味も込めてジャングルスマイルを本命とする。
中央勢の筆頭は3歳のコスモファントム。2歳時にはラジオNIKKEI杯2歳ステークスでヴィクトワールピサのクビ差2着。日本ダービーは10着だったが、ジャパンダートダービーJpnIではゴール前でマグニフィカに3/4馬身まで迫った。ダート路線での将来的な活躍が楽しみな1頭だ。
パワーストラグルにはダートの1000万特別と準オープン特別を連勝してきた勢いがあり、このメンバーならチャンスは十分。
フサイチピージェイは佐賀記念JpnIIIでの2着があるが、それ以降の3戦はどうも冴えない。
唯一のダートグレード勝ち馬、ロールオブザダイスも佐賀記念JpnIII3着以降はいずれも1秒以上の差をつけられての敗戦。
ただ、実績的には△のフサイチピージェイ、ロールオブザダイスの2頭が上なだけに、ゆったりした流れに乗れば、ここで復活という可能性も考えておきたい。
◎ジャングルスマイル
○コスモファントム
▲パワーストラグル
△フサイチピージェイ
△ロールオブザダイス