北海道2歳優駿JpnIIIの前哨戦としてはやや寂しい9頭立て。しかし、注目のナサニエルが出てきた。
ナサニエルは、半姉に今年のJRAオークス馬トールポピー、半兄に昨年の日本ダービーで1番人気に推されたフサイチホウオー、そして父はキングカメハメハという注目の良血馬。普通なら中央に入るところだが、脚が外向していたためホッカイドウ競馬からデビューすることになったとのこと。ノーザンファームの認定厩舎で調教されている。
ここまで2戦。デビュー戦のフレッシュチャレンジは好位からぶっちぎり。2戦目の2歳オープンは最後方追走も大事に大外を回して直線楽に差し切ったという、いずれも一方的なレースだった。
その他のメンバーを見ると、モエレクリフィスが3勝、ヤマイチチャチャが2勝で、あとは1勝馬。底を見せていないという感じの馬がいないだけに、今回はナサニエルがどう勝つかを見るレースになるだろう。
相手筆頭は牝馬のモエレクリフィス。初勝利までに6戦を要したが、その後はアタックチャレンジを勝ち、初の2歳オープンは7着だったが、前走2戦目のオープン戦を制した。ナサニエルを別格とすれば、メンバー中もっとも成長を感じさせるのがこの馬だ。
経験という意味ではヤマイチチャチャ。デビュー2連勝のあとは勝ち星がないが、中央への挑戦も2回あり、常にトップクラスと対戦を続けてきた。
あとは、デビュー2戦めでワンダフルクエストの2着があるレベルエックスまで。
◎ナサニエル
○モエレクリフィス
△ヤマイチチャチャ
△レベルエックス
ちなみにデビューから4戦4勝のワンダフルクエストは、イノセントカップ、ブリーダーズゴールドジュニアカップの2重賞を制し、ここまでのところホッカイドウ競馬の2歳暫定チャンピオン。ナサニエルと同じノーザンファームの認定厩舎だけに、今開催は使い分けてきたようで、翌日の2歳オープン戦にまわった。
北海道2歳優駿JpnIIIで直接対決と言われているだけに、ナサニエルにはここも無事に通過してほしいところ。
今シーズンの2歳戦線は例年になく混戦。2歳牡馬の最初の特別として行われた青雲賞を制したホクショウバンクが賞金的にもトップに立った格好だが、取りこぼしも少なくなく、不動のチャンピオンとは言い難い。ただ別定重量で加増されない今回はやはり有利。連軸という意味で中心になるのは、やはりこの馬。
相手にはスギノハリアー。青雲賞では先頭で障害を越え、ホクショウバンクに交わされたものの、接戦に持ち込み1秒5差の2着に粘った。ただ、強いレースもするが、ダメなときはまたくダメというムラ駆けタイプなので、信頼性に欠ける面はある。
牝馬の筆頭は、いちい賞を制したワタシハスゴイ。前々走のA-1戦では、今回と同じ20キロ差でホクショウバンクに先着した実績がある。
キンノカミは、前走A-1戦でホクショウバンクを破って4勝目。ただしその前走はホクショウバンクより5キロ軽かったものが、今回同重量となるだけにどうか。
タワノアヤカは、ここまで10戦してそのうち9戦が4着以内と堅実な成績。ここで勝ち切るまでは難しいだろうが、連下なら可能性はある。
馬券は、ホクショウバンクから馬連複で均等に4点というわけにはいかないだろうから、オッズを見て強弱をつけるか、それとも買い目を絞るか。
◎ホクショウバンク
○スギノハリアー
▲ワタシハスゴイ
△キンノカミ
△タワノアヤカ
昨年はコスモバルクの参戦で盛り上がったこのレース。芝で地方馬が相手だと、さすがに力が抜けていた。
そこで4馬身離されながらも2着だったボスアミーゴが、今シーズンは岩手の芝王者に成長した。ここまで盛岡の芝では10戦8勝、2着2回というほぼ完璧な成績。しかも、目下4連勝中。他地区から4頭が遠征してきたため、それらとの比較もあるが、アクシデントでもない限り負けることはないだろう。
相手筆頭には笠松のオグリオトメを狙ってみたい。中央の芝に挑戦したローズステークスJpnIIは、まったく勝負にならないかと思っていたが、実際のところ勝ち馬からは1秒7差の11着。意外と言っては失礼だが、一応の格好はついた。1勝馬の身で東海クイーンカップを勝ったときは驚いたが、続く古馬B4特別も快勝しているだけに、力をつけているのだろう。ローズステークスのレースぶりからは、ダートよりむしろ芝のほうが力を発揮しそうだ。
カネショウエリートは前々走まで5連勝。前走、古馬オープン初挑戦となった芝の桂樹杯では、勝ったボスアミーゴから0秒2差の4着。今回のメンバーでは、サクラエキスプレス、クルセイズに先着されているが、勢いを買ってみたい。
南関東から遠征のリンカーンスター、モエレフェニックスは格付け的にここで通用してもおかしくない。
◎ボスアミーゴ
○オグリオトメ
▲カネショウエリート
△リンカーンスター
△モエレフェニックス
JBCクラシック指定競走のオータムカップ。近走重賞では今一歩という感じのメンバーが揃った。
ロードバクシンが前走くろゆり賞で見事復活を遂げた。道中は後方待機も直線で見事な差し切り勝ち。笠松の1900メートルは今回が初めてだが、兵庫時代は2400メートルの重賞を勝っているだけに距離的な不安はない。ゆったり流れるレースはむしろこの馬にはプラス。これといった強敵がいないここで重賞連勝といきたいところ。
前走A3を勝った上がり馬シルクトワイライトも魅力たっぷり。B1クラスの身で重賞初挑戦となった3走前の名港盃は差のない3着。帝王賞JpnI4着があるマルヨフェニックス(2着)に半馬身差まで迫った実力があれば、今回のメンバーなら勝つチャンスは十分にある。
昨年11月の北國王冠以来勝ち星から遠ざかっている金沢のマヤノオスカーだが、05、06年にこのレースで連続2着と好走。今年1月の白銀争覇で重賞初制覇を果たしたエイシンダイオーは、東海ゴールドカップやマーチカップなど笠松1900メートルの重賞で好走歴あり。以上2頭は、勝ち切るまでは厳しいかもしれないが、連下なら。
◎ロードバクシン
○シルクトワイライト
▲マヤノオスカー
△エイシンダイオー
重賞に格上げとなって今年で4年目。過去3年では、インフルエンザの影響で地元馬のみで行われた昨年は参考外としても、05、06年ともに東海地区や福山から何頭かの遠征馬があったものの、勝ったのは地元兵庫の所属馬。ただし2着はともに遠征馬だった。
中心はプリンセスジュディ。4戦して2勝、2着2回だが、今回と同じ園田1400メートルを使ったここ3戦のタイムはメンバー中でも抜けている。今回もスピードにまかせて押し切りそうだ。
スプレンダローズは、デビューのJRA認定戦は2着に6馬身差、2戦目は7馬身差をつけてともに楽勝。直線で接戦となれば、さらにタイムは出そうだが、経験ではプリンセスジュディのほうが豊富。ただ底を見せていないのも確かで、今回のメンバーなら圧勝しても不思議はない。
好タイムでデビュー戦の認定レースを勝った地元のエンドスルー、名古屋の認定勝ち馬カイソクドリームにも可能性はありそう。
◎プリンセスジュディ
○スプレンダローズ
▲エンドスルー
△カイソクドリーム